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公開 | nobuカワシマ

松前町の郷土料理、松前漬やくじら汁、のりだんだんを味わう



 
道南の松前町には、古くから家庭料理として親しまれている郷土料理がいくつもあります。

その代表格は全国的にも有名な「松前漬」。食べたことがある人は多いのでは?
そのほかにも「くじら汁」や「のりだんだん」などがあります。こちらはどんな料理か知っていますか?

これらの郷土料理を味わいに、地元の老舗旅館「温泉旅館矢野」へ行ってみました。

 
松前町は日本最北の日本式城郭、松前城(福山城)がある城下町▲松前町は日本最北の日本式城郭、松前城(福山城)がある城下町

 

目次

・松前の郷土料理を味わえる「温泉旅館矢野」
・本場の「松前漬」はカズノコがない!?
・松前では「くじら汁」がなければ年を越せない
・「のりだんだん」を単なるのり弁と侮るなかれ

 

温泉旅館矢野にあるレストラン矢野で郷土料理の数々を味わいました▲温泉旅館矢野にあるレストラン矢野で郷土料理の数々を味わいました

 

松前の郷土料理を味わえる「温泉旅館矢野」

温泉旅館矢野は、松前町の街中にある老舗の旅館。
松前城など町内観光の拠点に便利な宿です。

 
ロビーはまるで郷土資料館。松前藩ゆかりの品々や骨とう品が展示されています▲ロビーはまるで郷土資料館。松前藩ゆかりの品々や骨とう品が展示されています

 
お風呂は自家源泉で天然温泉100%。塩分を含む泉質で湯上がりはスッキリ感とともにお肌のすべすべ感も♪▲お風呂は自家源泉で天然温泉100%。塩分を含む泉質で湯上がりはスッキリ感とともにお肌のすべすべ感も♪


温泉旅館矢野では、松前町産の本マグロをはじめ、エゾアワビやウニなど、地元の海産物などを活かした料理を楽しめます。

 
旅館併設のレストラン矢野。ここで松前町の郷土料理を楽しめます▲旅館併設のレストラン矢野。ここで松前町の郷土料理を楽しめます


宿泊者はもちろん、ランチなどでもレストランの利用が可能。
ラーメンなど手軽なメニューもあるので、地元の人たちをはじめ、観光や出張の人たちが昼食に訪れています。

 
生まれも育ちも松前町という、温泉旅館矢野の女将、杉本夏子さんにお話しを伺いました▲生まれも育ちも松前町という、温泉旅館矢野の女将、杉本夏子さんにお話しを伺いました


それでは、松前町の郷土料理を一品ずつ紹介します。

 

本場の「松前漬」はカズノコがない!?

まず一品目は「松前漬」。
この地域で安価で手に入った昆布やスルメなどを醤油漬けにした保存食で、江戸時代後期頃に生まれたと言われています。
知名度としては比較的全国区では?

 
温泉旅館矢野の松前漬。じんわり美味しく、これさえあればご飯がいくらでも食べられそう♪▲温泉旅館矢野の松前漬。じんわり美味しく、これさえあればご飯がいくらでも食べられそう♪


さて、こちらの「松前漬」の写真を見て「あれ?」と思った方、いませんか?
「松前漬」の定番と思っていたカズノコがないんです。


「松前でカズノコ入れる人はあまりいないと思います。昆布とスルメで作りますよ」
こう語る、女将の杉本さん。


昆布やスルメが手軽に手に入り、マイ昆布とマイスルメが各家庭にあるとまで言われる土地柄。
松前町の漁協には昆布やスルメの裁断機があり、町民の中にはこの機械を借りて昆布やスルメを裁断して各家庭で自家製の松前漬を作っているそうです。

松前町の方々にとって「松前漬」は家庭ごとの味があるくらい日常の家庭料理。
わざわざカズノコを買ってまで作らないというのも納得な気がします。

 
温泉旅館矢野では朝食で好評だったためお土産用としても販売。珍しい塩味(左)と定番の醤油味(右)があります▲温泉旅館矢野では朝食で好評だったためお土産用としても販売。珍しい塩味(左)と定番の醤油味(右)があります


温泉旅館矢野では宿泊者の朝食で醤油味を必ず出しているほか、ランチでは「松前漬」のパスタやチャーハンもあります。

「具も美味しいのですけど、残った汁がいい出汁出ているんです。これだけですごいいい調味料になります」
杉本さんイチオシの食べ方です。
気になるみなさん、ランチでぜひチャレンジを!

 

松前では「くじら汁」がなければ年を越せない

「くじら汁」とは、山菜や野菜などと塩くじらの汁物のこと。
日本各地に「くじら汁」の独自の味があり、食されているかと思います。

松前町をはじめ道南では、正月を祝うハレの料理として親しまれています。

 
温泉旅館矢野のくじら汁。ワラビやフキ、根菜が入っている昆布出汁の薄醤油味▲温泉旅館矢野のくじら汁。ワラビやフキ、根菜が入っている昆布出汁の薄醤油味


「昔くじらは縁起がよくてみなに喜ばれていたので、正月を祝う料理になったそうです」と女将。

冷蔵庫がない時代、春にとれた山菜などは樽に塩漬けし、年末になると塩抜きして「くじら汁」を作るのが恒例行事だった模様。

ニシン漁が盛んだった江戸時代などでは、くじらはニシンを浜に追い込むため豊漁になると言われ、縁起のいい生き物とされていました。
また、浜に打ち上げられたくじらは漁村民みんなで食べることができ、村が潤うため重宝されたとも言われているそうです。

 
塩くじらや野菜に出汁がヒタヒタ染みていて、じわじわっと美味しい♪▲塩くじらや野菜に出汁がヒタヒタ染みていて、じわじわっと美味しい♪


「私の家では年末近くになると『くじら汁』を作って、年末年始はくじら汁ばかりで、『くじら汁』がないと新年を迎える気分にならなかったです」

こう語る女将の言葉にふと疑問が。

正月なので“お雑煮=「くじら汁」”だと思いますが、年末から食べているというのはなぜ?

どうやら“お雑煮=「くじら汁」”ではなく、「くじら汁」がありつつ別途正月にはお雑煮もあるそうです。
正月は汁物が2つ。ちょっと意外!?

温泉旅館矢野では「くじら汁」とともに、珍しい「くじら汁ラーメン」もあります。
ランチでご当地食をがっつり食べたい人には特におすすめです♪

 

「のりだんだん」を単なるのり弁と侮るなかれ

最後に紹介するのは「のりだんだん」。
何かというと、こちらです。

 
温泉旅館矢野の「のりだんだん」。松前漬や香の物などもつきますが、主役はなんと“のり”のご飯です▲温泉旅館矢野の「のりだんだん」。松前漬や香の物などもつきますが、主役はなんと“のり”のご飯です


ぱっと見ると単なる“のり弁”!?
でも、単なる“のり弁”と思ったら大間違い。

重箱に入ったご飯に“のり”をのせただけではなく、中にも“のり”が入っています。
“のり”が段々になっているので「のりだんだん」と言うそうです。

 
“のり”とご飯のミルフィーユ▲“のり”とご飯のミルフィーユ


これでも普通の“のり弁”と何が違うのかわからないという方が多いかもしれません。

「のりだんだん」に使用している“のり”は一般的な“のり”ではなく、近隣の海で手摘みした天然のりなんです。

食べてみると、普通の“のり”とは明らかに違いものすごい“のり”の風味!しみじみ美味しく、これだけでご飯完食できます♪

 
松前町産の天然手摘みのり▲松前町産の天然手摘みのり


今ではかなり高価になりましたが、かつて松前の人たちの間では地元の手摘みの“のり”を当たり前のように各家庭で食べていたそうです。

「私の母が子供の頃からあったと聞いています。『だんだん』と言えば『のりだんだん』を思い浮かべるくらい、日常の食べ物でした」
女将の家庭でも先祖代々受け継がれてきた伝統の日常食のようです。

手摘みの“のり”は、厳寒期の2月頃の晴れた日のみ収穫できるもの。
手で一つまみずつ摘んだ“のり”をのばして形を整え天日干しし、3月頃に完成するそうです。


“のり”を手摘みしている様子。寒そう~!(写真提供:温泉旅館矢野)▲“のり”を手摘みしている様子。寒そう~!(写真提供:温泉旅館矢野)


“のり”のハンパない風味を楽しみつつ、厳寒期の海で漁をする方々の苦労を思い描いてしまいます。

温泉旅館矢野では、定食類のメニューの一つとして「のりだんだん」を提供。
これを目当てに食べに訪れる人が近年増えているという、じわじわブレイクしているご当地グルメです。

 
松前町の郷土料理


松前町に伝わる郷土料理の数々。
お好みはありましたか?
松前町へ行く機会がありましたら、ぜひおためしを!

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