北海道情報サイト「北海道ライカーズ」北海道情報サイト「北海道ライカーズ」

what likers

Icon search探す

公開 | 小西 由稀

食のバリアフリーで函館&北海道の旅をもっと楽しく!「やさいばーみるや」

やさいばーみるやの後藤るみ子さん
 

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、各地でベジタリアン・ビーガン料理に一層注目が集まっています。
 
函館の「やさいばー みるや」は、食の規律や制限を持つ人、持たない人が同じ空間で楽しめる“食のバリアフリー”をいち早く実現させたお店。
 
函館弁で楽しいトークを繰り広げる店主・後藤るみ子さんの人柄を慕う地元客、ベジタリアンの旅行者、体調を整えたい出張者など、さまざまな人がみるやを訪れます。


やさいばーみるや
 
 

野菜料理で飲む酒場からの挑戦
これも1つの函館のおもてなし

やさいばーみるやは、16年前にオープン。現在のお店は、函館駅から市電で2つめ、電停「魚市場通」から歩いてすぐ。
野菜料理をつまみにお酒を楽しむ酒場ですが、肉・魚料理を出すこともあります。


やさいばーみるや


女性ひとりでも、気軽に飲みに来られる店にしたかったので、女性に響きそうな“やさいばー”を店名に謳ったといいます。ところが…。
 
「当初の思惑とは違って、体調不良の方、栄養バランスを気にする方など、健康面に不安を抱えるお客さんが多かった。困っている人がいるのなら…と、そこから栄養学などを猛勉強しました」。


やさいばーみるや▲後藤さんの名刺には麹料理研究家、ファスティングコンシェルジュ、野菜ソムリエ、食生活アドバイザーなど、いくつもの資格と肩書きが並ぶ。ちなみに、ファンデーションいらずの美肌の持ち主。「これも野菜と和食中心の食生活のおかげ」
 

そんな中で出会ったのが、ベジタリアン・ビーガン料理、さらにはムスリム食。
港町であり、観光都市でもある函館には、海の幸を楽しめるお店が多い一方で、食のルールを持つ人に対応できるお店がまだ少ないのが現状です。
 
「食べられるものがどこにもないと、うちに駆け込んで来る旅行者が多くて…」。


やさいばーみるや▲「夜のごはんセット」一例。野菜のおかず7品、発芽酵素玄米、味噌汁付きのベジタリアンメニュー
 

アレルギー、宗教、ライフスタイルなど、食にルールを持つ人はさまざまな理由、背景を持っています。
 
「そういう方々にも食事の心配をせずに、函館の旅を、街を楽しんでほしい。函館や近郊は野菜、果物が豊富でおいしいところ。地元の野菜を使った和食を味わってもらうことも、食のおもてなしだと思っています」。


やさいばーみるや▲要予約で提供しているベジタリアン寿司。野菜やキノコ、豆腐を使った色鮮やかなお寿司は外国人旅行者に好評。画像提供/やさいばーみるや
 

自身の経験から、ムスリムやベジタリアンに焦点を絞った食の講座を開き、難しいと思われがちな食の対応をアドバイスしている後藤さん。
 
「もうね、全然難しくないんですよ」というが、ポイントはどこにあるのだろう。


やさいばーみるや▲函館大学などと共同でベジタリアンやムスリム料理のメニューポリシーを作成。食にルールを持つ人の安心材料に
 
 

各店に1品ベジ料理を
食の選択肢を増やし楽しく

函館空港には台湾の航空会社2社が乗り入れていますが、台湾にはオリエンタル・ベジタリアン※が多いといわれています。実際、みるやにもオリエンタル・ベジタリアンが多く訪れます。
 
※オリエンタル・ベジタリアンは、菜食だが、ネギやニンニクといった香りの強い野菜=五葷(ごくん)、アルコールを含む調味料は摂らない食のルールを持つ。
 
「ベジタリアンの中でも規制の厳しいオリエンタル・ベジタリアンをベースにつくった料理がお店に1つでもあれば、ベジタリアンも、ムスリムの方も、そうではない方も同じ料理を楽しめます」。


やさいばーみるや▲「こういったルールを知ることがまず大切」と、後藤さん
 

ベジタリアンの中には、肉はNGだけれど魚はOKなど、ルールの内容は実にさまざま。
みるやではオリエンタル・ベジタリアンを基準にした料理をつくり、規制のない食材がある場合は料理に加えるなど、臨機応変に対応しています。
 
その時に活躍するのが、お手製のピクトグラム。ピクトグラムを指さしながら、食のルールを確認していきます。


やさいばーみるや▲建築の勉強をしていた後藤さんは、イラストも上手!
 

ここ数年、クチコミやSNS、Googleマップのコメントを頼りに、食のルールを持つ外国人旅行者の来店が増えているといいます。
また、ベジタリアンではなくても、ロングステイ中で胃にやさしいものを食べたい人、旅先の野菜不足を補いたい人など、野菜料理のニーズは高まっています。
 

やさいばーみるや▲アットホームな雰囲気の店内といい、家庭料理を思わせるホッと和む野菜料理を楽しめるのが好評。画像提供/やさいばーみるや
 

外国人客と楽しげに写真に納まる後藤さん、さぞ英語が堪能なのかと思いきや、「まったく話せません(笑)。翻訳機とピクトグラムを使えば、何とかなります。後は、気持ちがあれば大丈夫!」と、頼もしい。
 
「函館はもちろん、北海道中のお店が、例え1品でもベジタリアン料理を提供できれば、食の選択肢が増えて、訪れる楽しみ、滞在する楽しみがさらに広がると思うんです」。
 
1品の積み重ねが北海道の食の魅力をふくらませることになり、それは野菜がおいしい北海道だからできるもてなしとも言えそうです。
食のバリアフリー化を伝える後藤さんの活動は、これからも続きます。
 

やさいばーみるや▲後藤さんも協力したムスリム&ベジタリアン向けの函館・道南のガイドマップ
 

関連サイト

やさいばーみるやFacebookページ
この記事をSNSでシェアしよう!
  • 食のバリアフリーで函館&北海道の旅をもっと楽しく!「やさいばーみるや」

F3ea6fa5 2971 4d12 8e62 077dc40dce4f

Writer

小西 由稀

Title
Close