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公開 | チバタカコ

北海道博物館で「エゾシカ」をシカと見よ!

北海道博物館企画テーマ展「エゾシカ」
 

北海道で暮らしていると、エゾシカは結構身近な野生動物。観光で来道した人なら「わー!エゾシカだー!」とその出会いは想い出にもなります。ところで、そのエゾシカについて、どんな動物?どこで暮らしているの?増えすぎて困っているってホント?など、エゾシカがまるっとわかる企画展が北海道博物館で開催中です。この機会に、シカと見よ!

 

目次

・北海道博物館企画テーマ展「エゾシカ」
・エゾシカという野生動物について
・人とシカの歴史、北海道とのかかわり。黒田清隆とケプロンのやりとりも
・シカ対策を考えながら、シカのつもりで罠に入ってみる
・エゾシカ関連イベントやスタンプラリーも

 
 

北海道博物館企画テーマ展「エゾシカ」

2019年10月12日(土)~12月15日(日)まで、北海道博物館で第15回企画テーマ展「エゾシカ」が開催中です。
 

北海道博物館外観▲北海道博物館
 

道内の人なら「なんで、今さらエゾシカ?」と思うかもしれません。
 
今年、札幌市内にヒグマ出没!と大きなニュースになりました。さすがに相手がヒグマだとメディアの扱いが大きくなりますが、エゾシカは?
 
道外から来道する観光客なら「わー!エゾシカだー!」と、その遭遇は楽しい想い出になるでしょうが、道内各地に当たり前のように出没するエゾシカに、道民の私たちは、なんだか慣れっこになっていませんか?
 

北海道博物館自然研究グループ学芸主幹 水島未記さん▲企画テーマ展「エゾシカ」について説明してくれた、北海道博物館自然研究グループ学芸主幹 水島未記さん。
 

エゾシカは道東で増えて、いったん落ち着いたように見えますが、実は道央圏では数年で急激に頭数が増えているそうです。
 
これは、道東にいたエゾシカが西の方へと広がってきたことを示し、おそらく札幌はこれから大変なことになる、と。
 
エゾシカ出没が珍しいものでなくなるとメディアも取り上げないし、道民も慣れてしまう。
実は、それが一番危ない環境だそうです。
 
企画テーマ展「エゾシカ」では、野生動物としてのエゾシカ、北海道とエゾシカの歴史やかかわり、現在のエゾシカの状況などを改めて知ることができます。
 
同じ北海道の大地で生きるものとして、エゾシカについて、ちょっと考えてみませんか?

 

エゾシカという野生動物について

企画テーマ展「エゾシカ」は、
 
第1章:しかと見よ!これぞエゾシカ
第2章:あしかけ何年?人とエゾシカ
第3章:やるしかない!シカ対策

 
の3つのコーナーに分けられています。
 

エゾシカの雌雄、子どものはく製と骨格標本▲エゾシカの雌雄・小鹿のはく製と骨格標本

 
第1章のコーナーでは、シカの種類や動物としての特徴など、はく製や標本などで知ることができます。
 

北海道博物館 博物館研究グループ学芸員 鈴木あすみさん▲北海道博物館 博物館研究グループ学芸員 鈴木あすみさん
 

エゾシカ展で触れる角▲一部、触ることができる展示も
 

エゾシカの骨格標本▲「走ることに特化した骨格」の特徴がよくわかる骨格標本。「これはかなりつくりこまれており、シカがつま先立ちなのがよくわかります」と鈴木さん
 

シカの角は毎年抜け落ちますが、その後から生えてくる角には表面にうっすら毛が生えています。
これは「シカの袋角」と呼ばれるもので、今回の企画テーマ展で展示されています。
 
鈴木さんによると、袋角を展示するのはかなり珍しいそうなので、ぜひ博物館で実物を見てみてください。
 
 

人とシカの歴史、北海道とのかかわり。
黒田清隆とケプロンのやりとりも

第2章のコーナーでは、人とシカの歴史、北海道とのかかわりについて、さまざまな資料や古文書が展示されています。

 
北海道博物館エゾジカ展第2章のコーナー
 

北海道博物館 歴史研究グループ学芸主査 山田伸一さん▲北海道博物館 歴史研究グループ学芸主査 山田伸一さん
 

シカに由来するアイヌ語からついた道内の地名などは、誰かに教えたくなります。
 
また、開拓使とアイヌとのシカに対する考え方などがわかる明治時代の資料もなかなか興味深いです。
  
例えば、開拓使時代シカ猟熱が沸騰しましたが、「シカは資源になるし、産業になる」とふんだ開拓使は、シカ猟に関する規則を決めました。
 
それは、
・狩猟方法として毒矢は禁止
・狩猟時期を決める
・狩猟は免許制にする
 
という、当時としては画期的なものだったとか。
 

北海道博物館エゾジカ展展示

 
しかし、北海道に古くから暮らしていたアイヌの人たちは、シカ猟には毒矢を使っていました。
 
開拓使長官の黒田清隆が開拓使顧問のホーレス・ケプロンに「どうしたらいいだろう」とアドバイスを求めたところ、ケプロンは「毒矢は野蛮だからダメ」と一蹴したという記録も。
 
ちなみにこの二人、今は札幌の大通公園10丁目に並んで建っています。
 

大通公園10丁目にある黒田清隆(左)とホーレス・ケプロンの像▲大通公園10丁目にある黒田清隆(左)とホーレス・ケプロンの像
 

そのシカ猟規制に対して、沙流のアイヌの人たちが「そんな急に言われても困る。毒矢禁止は、ちょっと延期して」と嘆願した嘆願書も展示されています。
 
シカを巡る、さまざまな立場の人たちの攻防、昔から北海道にはあったんですね。

 

シカ対策を考えながら、
シカのつもりで罠に入ってみる

北海道では今、増えすぎたシカが農林業へ被害を与え、シカと衝突する自動車や鉄道の交通事故も大きな問題になっています。
 
しかし、明治時代の乱獲や大雪の影響で、一時エゾシカは絶滅寸前だったと言います。


北海道博物館 自然研究グループ学芸員 表渓太さん▲北海道博物館 自然研究グループ学芸員 表渓太さん
 

第3章では、北海道のシカ対策や、シカの有効活用などについて紹介しています。
 

シカ捕獲用の「小型囲い罠」▲実際に使用されているシカ捕獲用の「小型囲い罠」
 

「シカキラー」というネーミングだけ聞くと、なかなか破壊力のある罠や電気柵などの実物も展示。
 
展示コーナーの中央には「小型囲い罠」と呼ばれている、シカ捕獲用の罠があり、これは実際に中に入って体感できます。
 

シカ捕獲用の「小型囲い罠」内部▲罠の内部
 

シカ捕獲用の「小型囲い罠」内部に人が入った様子▲人が入るとこんな感じ。なんとなくシカの気分がわかるかも
 

シカ革を利用したクラフトやジビエとしての鹿肉など、エゾシカの有効活用も増えてきています。
 
普通に暮らしている私たちが、あちこちに出没するエゾシカをどうこうできるものではありません。けれどもエゾシカは決して慣れていいものではなく、人との住み分けや同じ北海道の大地で生きるもの同士として、どうしたらいいか、何ができるか、といったことは、常に意識していかなければならないと感じました。

 

エゾシカ関連イベントやスタンプラリーも

第15回企画テーマ展「エゾシカ」開催中は、エゾシカに関する講演会やイベントも行われています。
 
また、エゾシカ料理が食べられる飲食店をめぐるスタンプラリーも開催予定。
 
詳しくは、北海道博物館のHPで確認しください。
 
 

北海道博物館第15回企画テーマ展「エゾシカ」

会期:2019年10月12日(土)~12月15日(日)
休館日:月曜日(11月4日は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)
開館時間:9:30~16:30
会場:北海道博物館特別展示室
料金:無料
※その他詳細は、北海道博物館のHPで確認してください。
 
  

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