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公開 | 小西 由稀

北海道の「中華まんじゅう」を守り続ける十勝・芽室町の「お菓子のまさおか」

お菓子のまさおかの正岡さん親子
 

「中華まんじゅう」をご存知ですか?
 
北海道Likers読者には初歩的な質問かもしれませんね。肉まん、あんまんでお馴染みの熱々な中華まんじゅうではなく、北海道で中華まんじゅうといえば、コレですコレ!
 

まさおかの中華まんじゅう
 

あんこたっぷりの三日月形をした和菓子が、北海道が誇る中華まんじゅうなのです。
 
中華まんじゅうで有名な十勝・芽室町にある「お菓子のまさおか」にうかがいました。

 

1つずつ手焼きで丁寧に
長く愛される中華まんじゅう

まさおかは1917年(大正6年)創業。102年もの歴史を持つ老舗の和洋菓子店です。
 

まさおかの外観▲年間100種類もの和洋菓子を販売
 

店内には古い時代の写真が飾られていました。
 

まさおかの昔の写真
 

中華まんじゅうを焼くのは、会長の正岡宣征さんの仕事。長年使い続ける銅板で、生地から1枚ずつ丁寧に、でも手早く中華まんじゅうを仕上げていきます。
 
その仕事を見せていただきました。
 

中華まんじゅう作り▲生地の小麦粉は一部十勝産、卵は十勝産。楕円形に生地を流す


中華まんじゅう作り▲続いて、十勝産の小豆、芽室産の砂糖で炊いたこしあんをのせる。生地を焼くのは片面だけ
 

中華まんじゅう作り▲生地が焼けたら、熱いうちにあんこを挟むように整形作業。焼けた生地は一度パリパリになるが、あんこの水分が適度に生地に戻り、しっとりするという
 

中華まんじゅう作り▲別な角度からも。きれいな三日月に仕上がるよう、ふるいの枠の丸みを生かしている
 

中華まんじゅう作り▲いい色に焼けていますね!生地を流してから整形まで実にスピーディー。薄皮であんはたっぷり。1個で結構なボリューム感

 

別名は「葬式まんじゅう」
中華まんじゅうの由来と歴史

ところで、この製法の和菓子を北海道ではなぜ中華まんじゅうと呼ぶのでしょうか。
 

中華まんじゅう

 
「諸説ありますが」と前置きした上で、4代目で息子の崇さんが教えてくれました。
 
1つには、江戸時代のころ、現在の長野県で奥女中の千代さんがつくった菓子なので、千代菓まんじゅう→ちゅうかまんじゅう→中華まんじゅうとなった説。
 
もう1つは、小麦粉、砂糖、卵でつくる生地を「中花種」と呼ぶため、その中花が転じて中華となり、中華まんじゅうと呼ばれるようになったという説。


4代目の正岡崇さん
 

調べてみると、似た和菓子は道外にもあるようですが、なぜ北海道で中華まんじゅうとして長く愛されているのでしょうか。
 
「昭和の時代まで、中華まんじゅうは冠婚葬祭に使われていたんです。特に葬式の香典返し、法事の引き出物といえば中華まんじゅうだった。うちもそうだけど、ほかの店でも受注生産で焼いていたんですよ」と、正岡会長。
 
そうです、中華まんじゅうは別名「葬式まんじゅう」。親が持ち帰った長方形の化粧箱にきれいに詰められ中華まんじゅうを、喜んでいた昭和の子どもは多いはず。
 

会長の正岡さん
 

「でもね、中華まんじゅうは返品できない訳です。特に葬式は弔問客の数がわからないから、返品可能なお茶、海苔、パッケージ入りクッキーなどが香典返しの定番に取って代わった訳です」。
 
受注生産だった中華まんじゅうはその後、同店だけではなく、道内の菓子店で姿を見かけなくなったのです。
 
ところが…。


中華まんじゅう作り
 

「今から22~23年前に、札幌の三越さんの催事で中華まんじゅうの実演販売をしてみたんです。最初は葬式や法事のイメージがあるから、あまり良い気がしないんじゃないかと心配していたんですが、全然違いました。
 
みなさん『懐かしい』と好評で。4年続けてやったのですが、毎年待っていてくれるお客さんが多くて、それなら定番の商品にしようと」。
 

正岡会長
 

以来、中華まんじゅうはまさおかの看板商品のひとつに。今では店頭で買い求める人、まとまった数を予約する人など、さまざまなニーズがあるようです。「ありがたい存在ですよ」と正岡会長は笑顔を見せます。
 
2018年には、4つの味の中から食べたいものを選ぶ「中華まんじゅう総選挙」を行い、1位を獲得したカスタード味を期間限定で商品化したことも。
 
令和の時代になっても受け継がれる中華まんじゅう。素朴な味わいの中に、昭和の古き良き時代が流れています。
 

まさおかの中華まんじゅう▲1個300円。地方発送可能、FAXで注文を
 
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  • 北海道の「中華まんじゅう」を守り続ける十勝・芽室町の「お菓子のまさおか」

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Writer

小西 由稀

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