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公開 | チバタカコ

厚沢部町の「えぞまいたけ」は、味よし、香りよしの色白美人

厚沢部町渋田産業えぞまいたけ

 
きのこがおいしい季節になりました。皆さんの好きなきのこは何ですか?道産子ならぼりぼり、らくよう…と言いたいところですが、厚沢部町で「えぞまいたけ」という香り豊かな色白美人のまいたけを見つけましたよー!食感が、なまらシャッキシャキ!
 
 

目次

・厚沢部町渋田産業の「えぞまいたけ」
・「蝦夷舞茸」から「えぞまいたけ」へ、そして「あっさぶのまいたけ」へ
・「えぞまいたけ」が育つ環境は、まるで森の中
・白樺の菌床は、エコでも大活躍

 
 

厚沢部町渋田産業の「えぞまいたけ」

北海道の檜山エリアにある厚沢部(あっさぶ)町は、じゃがいも「メークイン」の発祥地です。
この町できのこの生産をしているのが(有)渋田産業です。

 
厚沢部町渋田産業直売所の看板
 

国道227号線沿いに「しぶたの毎日きのこ」の看板と直売所があるので、近隣の人なら「しぶたのきのこ」と言った方がわかる人が多いかもしれません。
 

厚沢部町渋田産業の直売所▲国道沿いにある直売所。裏に工場があります

 
厚沢部町内に2つの工場、江差町にも1つ工場があり、完全無農薬で、まいたけ、きくらげ、しいたけを栽培しています。
 
特にまいたけは、8年前から「えぞまいたけ」というブランド名で出荷しており、天然物にも劣らない食感と味で、道内だけではなく東京、京都、広島でもプロの料理人たちに認められています。

 

「蝦夷舞茸」から「えぞまいたけ」へ、
そして「あっさぶのまいたけ」へ

「えぞまいたけ」を栽培している(有)渋田産業代表取締役 渋田博文さんに、話をうかがいました。
 
渋田産業は、1970年代、もとは北洋漁業の底引き網などの水産資材を扱っていました。しかし時代とともに北洋漁業が衰退。水産だけではダメだと、新規事業に着手することになりました。
 
それがきのこ栽培です。
 
職人気質の博文さんのお父さん(当時の社長)は、栽培技術を勉強し、さまざまな工夫をしながらきのこ栽培にのめり込んでいったそうです。
 

(有)渋田産業代表取締役 渋田博文さん▲(有)渋田産業代表取締役 渋田博文さん。子どもの頃は、きのこのパック詰めをよく手伝っていたそう

 
実家はきのこ栽培でしたが、長男の博文さんは全くの異業種であるアパレル業界へ就職。接客業はもちろん、営業や人事などの部署でも働きました。
 
やがてお父さんも高齢となり、博文さんは家業を継ぐことになりましたが、そこで活かされたのがアパレル業界で培った営業力でした。
 
「弟も家業を手伝っていますが、どちらかというと父に似て職人肌なんです。そこで、渋田産業に足りないものはなんだろうと考えた時、『営業力だ』と思ました」と博文さん。
 

直売所で販売している「えぞまいたけ」「生きくらげ」「しいたけ」▲直売所で販売している「えぞまいたけ」「生きくらげ」「しいたけ」
 

「自社のまいたけがおいしいことはわかっているが、それが消費者に伝えきれていない。安売りをしなくても、『しぶたのまいたけ』を好んでくれるお客さんはいる。自分の営業力を活かしたら、イノベーションが起きるのでは?」と考えたそうです。
 
そこで8年前から「蝦夷舞茸」という漢字四文字表記をやめ「えぞまいたけ」とし、「しぶたの毎日きのこ」というブランド名もつくり、ブランド化に乗り出しました。

 
直売所で販売している乾燥きのこ▲生きのこだけではなく干ししいたけも販売しています
 

道内はもちろんですが、東北も商業エリアとし、物産展などにも出店。
 
博文さんは「『厚沢部』というのが読めない人が多くて、どこですか?と聞かれたら函館の近くと答えています。でも、認知度が低いというのは逆に武器になると思っています。そこはどこ?秘境なの?というレア感は、結構皆さん興味あるでしょ?」と言います。
 
「えぞまいたけ」を食べた人からは再注文が入ることが大変多く、お客さんからは「あっさぶのまいたけ」と親しまれているそうです。
 
 

「えぞまいたけ」が育つ環境は、まるで森の中

「えぞまいたけ」を栽培している工場を見学させてもらいました。
中へ一歩足を入れると、カメラのレンズがすぐに曇るくらいの湿気。
 
一瞬で全身がしっとりとうるおいベールに包まれたような感覚です。
 

厚沢部町渋田産業の工場内▲湿度が常時一定に保たれるように、定期的に霧のように水を散布
 

「工場内は年中常に湿度90%、室温18℃に保つようにしています。そして二酸化炭素が濃くなるので、計画的に換気もしています」と渋田さん。
 
さらに、人工照明で明るくするのではなく、太陽が出ている間は明るく、当然夜には暗くなるというように、自然光を採り込むことで山の自然に近い環境をつくっています。
 
光を当てたらまいたけの色は黒くなるそうですが、自然光で育てると、山の中に自生するまいたけ本来の色合いになるそうです。
 

厚沢部町渋田産業の工場内のまいたけ▲森のような環境の中で健康的に育つきのこたち


厚沢部町渋田産業のえぞまいたけ

 
「えぞまいたけ」が色白さんなのは、天然まいたけに近いからなんですね。
  
 

白樺の菌床は、エコでも大活躍

しぶたのきのこの大きな特徴は「菌床」。
 

厚沢部町渋田産業の工場で使っている菌床▲十勝産白樺のおがくずを菌床に採用。ただ、白樺の白い皮は抗菌作用があるためNGで、皮をむいておがくずにしているそうです。白くなっているのは菌糸のせい
 

菌床とは、きのこが育つための大切な寝床で、その原材料には、十勝産白樺のおがくずと道産小麦のふすま(小麦の皮)、国産大豆のカスを使っています。


厚沢部町渋田産業のきくらげ▲きくらげも白樺の菌床ですくすくと
 

そしてこのおがくず(菌床)は、使用後はボイラーの燃料として再利用。
エコなんです!
 

厚沢部町渋田産業のボイラー室▲ボイラー室は、白樺樹液のような甘い香りが漂っていました。木質バイオマス活用ボイラーモデル事業に採択されています
 
 

人の都合で休むな、きのこの都合で休め

まいたけを大きく育てようと思えばできると博文さんは言います。
 
でも、余計なものを加えないシンプルな菌床で、できるだけ自然に近い環境で育てる、それが「えぞまいたけ」のこだわり。
 

厚沢部町渋田産業の工場で作業する様子▲「工場」と言っても機械化されているものではなく、作業は人の手で行われています。先代社長から「人の都合で休むな、きのこの都合で休め」と言われたそうです
 

「えぞまいたけ」は、笠が肉厚で茎もどっしり、しっかりしているので、持つとかなりボリューム感があります。
 
食感は、個人的な感想ですが一般的な舞茸よりもシャキシャキしているように感じます。細かく刻んでも歯ごたえがありました。
 

厚沢部町渋田産業の渋田博文さん▲えぞまいたけを優しく扱う博文さん。この笑顔は「まいたけ王子」と名付けましょう!

 
お客さんに「えぞまいたけは香りがすごくいい」と言われることが多く、試験分析をしたことがあるそうです。
その結果、花の香りの成分が強かったそう。
 

職人肌だという弟で専務の渋田潤介さん(左)と博文さん▲職人肌だという弟で専務の渋田潤介さん(左)と博文さん
 
 
「これ以上量的に増やすと管理できないので、これからは対顧客にシフトして、量は少なくても質を高めて、価値のあるものを安定して提供できるようにしていきたい」と博文さんは語ってくれました。
 
最後に、家庭でできる「えぞまいたけ」のおいしい食べ方を。
 
●えぞまいたけの卵とじ
これは、丼にするととてもおいしいそうです。
 
●えぞまいたけの肉巻き
まいたけには肉を柔らかくする成分が含まれています。
 
●えぞまいたけのマリネ
オリーブオイルで炒めて、和風玉ねぎドレッシングをかけるだけ。
 
 渋田産業の「えぞまいたけ」は、通販でも購入することができます。
これからの季節なら鍋にもぴったり!
  
 

関連リンク

しぶたの毎日きのこ(渋田産業)
北海道檜山振興局
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