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公開 | わたなべひろみ

札幌のビジネス街で考える子育て・まちのこそだて研究所gurumiとは?




札幌市都心部、特に札幌駅前通周辺は北海道のビジネスの中心地です。日々たくさんの人々が忙しく働くこの街には子育て中のお母さん、お父さんも多く存在します。

そんなお母さん、お父さん、そして、子どもに関わる全ての人々と北海道に根差した子育てを中心としたさまざまな事柄を研究していこうと立ち上がったのが「まちのこそだて研究所gurumi(ぐるみ)」です。gurumiとしての活動や子育てにまつわるあれこれを伺いました。

 

インターネットの情報ではわからないことを顔を合わせて共有したい

札幌市都心部のビジネス街は働きながら子育てをするお母さん、お父さんの人数が北海道で一番多い場所ではないでしょうか。そんなエリアで子育てについて考え、行動するのが「まちのこそだて研究所gurumi」です。
 
「まちのこそだて研究所gurumi」の中心メンバーは、札幌駅前通まちづくり株式会社に勤務する柴田未江さん、同じく札幌駅前通まちづくり株式会社に勤めながらアーティストとしての活動も行う今村育子さん、札幌オオドオリ大学の学長である猪熊梨恵さん。3名とも共働きで、乳児から幼児のお子さんがいるお母さんです。



 

働きながら、まだまだ小さい子どもたちを育てるのは、時間的にも、精神的にも余裕がなく大変なものです。そんな共通の悩みや子育てする上で知りたいこと、学びたいことを持ち寄って研究していきたいという気持ちが「まちのこそだて研究所gurumi」の出発点となったそうです。
 
今村さん「子育てについての悩みや知りたい情報をインターネットなどで調べても、ピンとこないことが多いのです。保育園の事情、働き方、通勤ラッシュなど北海道・札幌と東京や他の地域では状況や背景が全く違う。
北海道・札幌という同じ地域に暮らす人同士で顔を合わせて、子育てやその周辺のことを話せる場所が必要だと思ったのです」

子育ての環境は地域ごとに変わるのはもちろんですが、それぞれの家族の状況、子どもの年齢により、刻一刻と変化していきます。過ぎてしまえばあっという間の期間であっても、その時期にしなければならないことや子供と向き合う上での課題も多く、悩みが深くなることも。
 
今村さん「子どもが成長していけば状況が目まぐるしく変わっていくというのは、今まさに私たちが感じていること。
でも、例えばうちの子は離乳食の時期は終わったから、もう関係ない、というのではなく、その時に困ったことや役に立ったことを共有できれば、今、まさにその時期のお母さんの助けになることもあります。
 
同じ年頃の子どもを持つ人だけで固まっていても先が見えないではありませんか。ですから、小さい子どもがいない人や子育てがひと段落した人たちとも繋がっていけたらいいなと思っています」
 
猪熊さん「街全体という観点で考えると、別分野のプロフェッショナルが『子育て』をキーにして繋がることで、問題を解決する道筋が見つかるということもあります。
 
先日、gurumiで札幌市子ども未来局の子育て支援課長、札幌市男女共同参画センター事業係長、札幌駅前通まちづくり株式会社の社長の3名で座談会がありました。
もちろん、事業としての立場や目線の方向は子育て支援、女性の社会での活躍、まちづくりとそれぞれ違います。
でも、行政の各部署や事業所が別々に考え続けるのではなく、『子育て』や『子ども』っていうのを真ん中に据えると、お互いが抱える問題をシェアしやすくなるのですね。


さまざまな分野の人の話を聞き、ウェブで積極的に公開・共有している(gurumiウェブサイトより)▲さまざまな分野の人の話を聞き、ウェブで積極的に公開・共有している(gurumiウェブサイトより)
 

イベントや勉強会で集まってくれたお母さんたちが感じている『こんなものがあったらいいな』、『こうだったらもっといいのに』という思いをくみ上げていき、行政や事業者も含めたさまざまな人たちと繋げていくのもgurumiの役割の1つだと思います。
ほわほわっと有機的に繋がっていけたらいいですね」

 

子育て社会学から副菜の作り方まで……知りたいを何でも

gurumiは、インタビューのウェブ掲載と勉強会などのイベントを両輪として活動しています。
 
インタビューは主に子育て中のお母さん、お父さんに話を聞いています。一口に働いていると言っても、大手企業に勤める人、フリーランスのデザイナー、残業も当たり前のキュレーター……と職種や働き方によって、子育てに対するスタンスは全く違います。

できるだけ、多種多様な人たちの話を掲載することで、共感したり、自分との違いを感じたりしながら、子育ての迷いや悩みを解きほぐすヒントを得てもらうのが目的だそうです。
 
これまで行われてきたイベントもバラエティーに富んでいます。2018年3月に行われた第一回のまちの子育て勉強会では、政治学者で北海道大学法学研究科教授の吉田徹さんを招き、現代社会と子育てとの関わりについてのレクチャーと話し合いが行われました。

作業療法士の青木美紀さんからは「子供の個性のみつけかた、のばしかた」と題して、感覚遊びを通して子どもを知るコツを学びました。
 




感覚遊びで子どもと一体になる▲感覚遊びで子どもと一体になる


gurumiの「知りたい」は、学び、考えることだけにとどまりません。

仕事に追われながらもごはんは毎日のこと。できればおいしくて、栄養バランスが取れたものを子どもたちに食べさせたい……ということから行われたのが、五感と身体に優しい食事を宅配弁当やケータリングで届ける「Free Dining Foodチムチム」のオーナー中村正敬さんによる副菜を学ぶ料理教室。
夕食やお弁当にぴったりの副菜を肩に力を入れずに作るためのヒントを学びました。





また、入園・入学シーズンの直前には先輩お母さんたちの指導によるミシンを使った子どもたちの小物作りも行われ、好評を得たそうです。


用途や子どものサイズに合わせて、型紙を調整してくれる先輩お母さんたちの力は偉大▲用途や子どものサイズに合わせて、型紙を調整してくれる先輩お母さんたちの力は偉大

 

より多くの人と繋がるために

これまで、小さい規模での勉強会やイベントを開催してきたgurumiですが、今年度からはさらに多くの人と繋がり、もっとたくさんのお母さん、お父さんの声に触れるため、新たなフェーズに移行しようとしています。
 
今年2019年6月26日(水)から7月2日(火)まで、札幌駅前通のコバル計画にて「離乳食ステーション」が期間限定でオープンされました。子ども連れでも気軽に街中に出かけるきっかけとして離乳食を扱う場所があってもいいのでは、というアイディアから行われた催しは予想以上の反響があったそうです。



 
 
柴田さん「ビジネス街の真ん中、しかもアクセスしやすい路面店に、離乳食が提供される場所があり、お母さん、昼休みのお父さんが一緒においしいごはんを食べられたらいいのではと思ったのです。

当初はテイクアウトできる形式も考えていましたが、まずは離乳食の販売とそれを食べながら休憩できる場所を用意することから始めることにしました。
販売する離乳食については北海道産、無添加の安心安全なものにこだわりました。

おかげさまで、期間中は連日、子ども連れのお母さん、お父さんで賑わいました。
今回、大きな手ごたえがありましたので、今後はさらに発展させていければと思っています」


販売したのは北海道産野菜の無添加ベビーフード「Hokkaido made baby potage」をはじめとする離乳食。安心安全なのはもちろん、味もとても美味しい▲販売したのは北海道産野菜の無添加ベビーフード「Hokkaido made baby potage」をはじめとする離乳食。安心安全なのはもちろん、味もとても美味しい


美味しいものに子どもたちもニッコリ▲美味しいものに子どもたちもニッコリ

 
2019年10月6日(日)には初めて公共空間でのイベントが行われます。札幌駅前通地下歩行空間の札幌駅前イベントスペースで、遊びや子育てに関する学びのコーナーを設けて、子どもも大人も楽しんだり考えたりできる空間にする予定だそうです。

そして、その場からも小さな声をくみ上げて、子育て中の人も、これから子どもを持ちたいと思っている人も、子育てを終えた人も、みんなで「子育て」を考えるきっかけ作りをしていくとのこと。
 
猪熊さん「私たちの子どもも一日一日と成長しています。いずれ子育てを終える時が来るでしょう。でも、自分の子どものことだけを考えるのではなく、私たちも学びながら、社会や未来について考えるという目線を持ち続けたいと思っています。
と、ともに日々の『はー、やってられないわ』みたいな些細な愚痴っぽいことを晴らせるような場でもありたいですね(笑)」
 
札幌の中心部という一地域から始めて、北海道に根差した子育てを探り、その先にある社会のあり方も考えていきたいという「まちのこそだて研究所gurumi」。子どもたちとともに北海道の未来に光をもたらしてくれることを期待しています。

 

関連リンク

まちのこそだて研究所gurumi(ぐるみ)

札幌駅前通まちづくり株式会社
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