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公開 | 佐藤 大輔

鉄と遊びに室蘭へ!「輪西八条アトリエ」で鉄の製作体験レポート

令和元年5月20日に日本遺産に認定された「炭鉄港」。
空知の石炭・室蘭の鉄鋼・小樽の港湾、そして鉄道で構成されるストーリーです。
今回紹介するのはそんな「鉄鋼のまち・室蘭」で体験できる、ちょっとおしゃれでかなりたのしい鉄のものづくり体験です!

 

入口は、奥まっている!「輪西八条アトリエ」を探せ!

JR東室蘭駅と室蘭駅の間にある輪西(わにし)町は、線路を挟んでまちと工場が向かい合っている場所。


地図▲東室蘭駅東口から車で10分とかからない(openstreetmap)


石炭と鉄で比較的早くから栄え、メインストリート周辺には「鉄の男たち」の胃袋を満たしてきた老舗やきとり店や洋食店が、今も現役で営業しています。


外観▲入口は路地っぽい場所


今回お邪魔した「輪西八条アトリエ」は、室蘭市市民会館隣接のスーパーマーケット「ぷらっとてついち」の正面、川原家具店の旧倉庫にあります。
控え目な看板と「旧倉庫」という響きに、すでにわくわくが止まりません。

前日までの予約で体験できるのは「鉄のマグネット作り」と「鉄のキーホルダー作り」の2つ。せっかくの機会なので両方体験してみました。


レクチャー▲体験前に注意点などを確認、期待が高まります


机と鉄▲今回使う素材と完成例


※この後、ガスバーナーで焼く・カナヅチで叩く・丸鋸で断つ・ボール盤で穿つ・万力で締めあげる・レンチでねじまげるなど、過激なシーンが登場しますのでご注意ください。

 

学ぶより遊べ!いざ鉄のものづくり体験!

鉄のマグネット作り(1個2,000円)

 まずはベースとなる鉄のサイズを大中小から一つ選びます。体験時は叩きがいのありそうな「大」を選択しました。
この鉄のぼっこ(棒を表す北海道弁)を、万力で動かないように固定します。


万力▲万力に締め上げられる鉄のぼっこ


バーナー▲高熱のバーナーは、もはやビーム


早見表▲鉄の色と温度の早見表


そして強力なバーナーでおよそ800~900℃まで熱し、好みの形になるまでひたすらカナヅチで叩くのです。
いざ!


 叩く▲赤くなった鉄にカナヅチを振り下ろす!


・・・
鉄固ってえ!!!

温度が下がったら再びバーナーで熱し、手がしびれてもあきらめずに叩き続けます。
最初はおっかなびっくりですが、徐々に大胆に叩けるようになるので、安心して打つべし!打つべし!!


冷やす▲バケツで冷やすと音と蒸気が上がります


形が決まったら水で冷やした後、丸鋸で火花をまき散らしながら大・切・断!!音と光で若干ハイになるかもしれません。


まるのこ▲猛烈に飛び散る火花と轟音


最後にボール盤で開けた穴にマグネットを埋め込み、金属ブラシと蜜蝋でピッカピカに磨いて完成です!


旋盤 ▲穴あけは繊細なので先生が作業


磨く▲磨いた途端に湧き上がる愛着

 

鉄のキーホルダー作り(1個1,200円)

やはりまずは3サイズから1つ選び、バーナーで熱します。
こちらはぼっこを横にしてハンマーで叩き、じわじわと平たく伸ばしていきます。刀鍛冶さながらの体験です。
「鉄は熱いうちに打て!」を、身をもって体感しましょう。


横を叩く▲女性のほうがガンガンいく傾向あり


・・・
実に勇ましい!!!

いい感じに伸ばせたら次はねじります。再びバーナーの出番です。
ご紹介が遅れましたが、このバーナーは「アセチレンバーナー」。1600℃以上の炎が出ます。


バーナー引き▲「鉄が切れる」という出力の高さに自信あり


鉄の融点は1540℃前後、スペースシャトルが大気圏に突入するときの表面温度が1600℃前後らしいので、その威力は推して知るべし。
ちなみに体験人数が多いときは、アトリエ内にコークス炉を作って熱するそうです。


コークス炉▲コークス炉での体験も是非やってみたい!(写真提供:輪西八条アトリエ)


さてさて、気を取り直してねじりましょう。
鉄のぼっこをバーナーで赤く熱し、すかさずモンキーレンチでねじーん!
ねじった拍子にぼっこの表面の酸化皮膜(スケール)がペリっとめくれるのをお見逃しなく。


ねじる▲ガチッと挟んで思い切ってねじろう


ここで、
「上下で反対側にねじると、縄文土器のような模様ができるよ」とのアドヴァイス。


縄文鉄▲一気に神々しさが増したぼっこ


おおお、ほんとだ。
 あとは蜜蝋で磨けば完成!


磨く▲自分で手がけた作品はいつまでも磨き続けたくなる


マグネットもキーホルダーも所要時間は1時間程度。
体験準備のため事前予約は必要ですが、こんなに鉄と遊べる機会はなかなか貴重なのでは。


完成▲ピカピカに光る自分だけの鉄を持ち帰ろう

 

教えてくれる先生ってどんなひと?

鉄の製作体験を運営するのは、2007年開業のデザインオフィス「noord design(ノールドデザイン)」代表のもじゃもじゃおじさん(須藤大介さん)と、きのこお姉さん(大沼 望さん)。普段は美しくて使いやすいプロダクトデザインを手掛けるデザイナーさんです。


ひとびと▲お二人は専門学校の同級生


ことのきっかけは2014年当時、輪西町で開催されていた「アイアンフェスタ」というイベント。このイベントの中で鉄のキーホルダー作りを実施したところ、想像以上の大反響。
ならば!ということでアトリエを多人数収容可能な設備をもつ場所にリニューアル。2016年7月から常設の体験メニューを始めました。

ところでこちらのもじゃもじゃおじさん、実は鉄にそれほど頓着していません。それもそのはず、おじさんの得意分野は陶磁器。型を作ってポコポコ量産するのが大好きなのです。
代表作の「冷管」「串皿」(※共に現在生産終了)は、機能性に裏打ちされたデザインと、素材の質感が美しい逸品。


冷管▲「冷管」 素焼きの本体に水を含ませ、気化熱によりワインを適温に保つ。ボトルの上からかぶせて使用

 
串皿▲「串皿」 突起に串を、穴には指を引っ掛けることで、やきとりなどの串ものを簡単に串から外すことができる


毎年8月の夏休み期間に開催している「輪西ものづくり工房」や、毎年10月の「輪西八条アトリエまつり」では、鉄だけでなくシルクスクリーンや焼き物・木工など、幅広いものづくりを体験できるとあって、家族連れに大人気です。


シルクスクリーン▲いろんなものに印刷できるシルクスクリーン体験(写真提供:輪西八条アトリエ)


木工体験▲家具職人を講師を招いての木工体験(写真提供:輪西八条アトリエ)


室蘭は鉄鋼のまちであるとともに、ものづくりのまちでもあります。こと「ものづくり」という視点では、鉄も数ある素材のひとつでしかありません。

「ものづくりを楽しんでほしい」
「いろんな素材に触れてほしい」
「好きだと感じる素材を選び取ってほしい」

ものづくり体験に対するもじゃもじゃおじさんの思いは至ってシンプル。
それだけに大人はもちろんのこと、子どもたちにとっては強烈な原体験になりそうです。

次の休みは鉄と遊びに室蘭・輪西八条アトリエへ!
※前日までに予約をお忘れなく!

■関連リンク
輪西八条アトリエ
noord design
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  • 鉄と遊びに室蘭へ!「輪西八条アトリエ」で鉄の製作体験レポート

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Writer

佐藤 大輔

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