北海道情報サイト「北海道ライカーズ」北海道情報サイト「北海道ライカーズ」

what likers

Icon search探す

公開 | わたなべひろみ

北海道三大あんどん祭り 八雲山車行列が夏の夜を熱くする




「北海道三大あんどん祭り」をご存知でしょうか? 
道内で行われるあんどん祭りで代表的な3つの祭りのこと。あんどんが夏の夜を彩り、町を盛り上げる祭りはそれぞれに長い歴史をもちます。

今回は「八雲山車行列」を中心にご紹介します。

 

北海道三大あんどん祭りとは?


沼田町「沼田町夜高(ようたか)あんどん祭り」、斜里町「しれとこ斜里ねぷた」、八雲町「八雲山車行列」の3つのあんどん祭りを称して「北海道三大あんどん祭り」と呼びます。

 

沼田町夜高あんどんまつり(沼田町)


開拓の出身者の多い富山県小矢部市の「夜高あんどん祭り」が伝承され、1977年から開催されているのが「沼田町夜高あんどんまつり」です。





道内では唯一の「喧嘩あんどん」としても知られ、高さ7mものあんどんのぶつけ合いは大迫力です。





43回目を迎える今年(2019年)は8月23日(金)、24日(土)に行われます。

 

しれとこ斜里ねぷた(斜里町)





江戸時代後期にロシア船警備のために斜里を訪れた津軽藩士の多くが飢えと寒さのために亡くなったという津軽藩士殉難事件。1974年、津軽藩士殉難慰霊碑が建立され慰霊が行われてきました。

その縁により、弘前市から門外不出の「弘前ねぷた」が伝授され、「しれとこ斜里ねぷた」として第1回目が開催されたのが1983年のこと。以降、弘前しとの交流をしながら祭りは続いています。





第37回の今年(2019年)は7月26日(金)、27日(土)に出陣です。

 

はじまりは若者の交流の場から


八雲町の八雲山車行列は、たった4台のリヤカーに積んだ山車から始まりました。今年で37回目を迎える現在は、山車の数は30台前後、参加人数は2日間合計で2,000人を越え、町内外から集まる観客の数は40,000人を越える年もある大きな祭りとなっています。


 


今も町の若者を中心に構成される実行委員会で運営される八雲山車行列ですが、はじまりは「若人の集い」の前夜祭としてでした。

「若人の集い」は八雲町内のいくつかあった青年団体同士の交流や行っている活動を町民に知ってもらおうと始まった集まりでした。この「若人の集い」自体をもっと町民にアピールしたいと考えついたのが前夜祭に山車を作って、町を練り歩こうというもの。見よう見まねで手づくりした山車を4台のリヤカーに積んで、町の中を歩きました。


八雲山車行列10周年を記念して作られた写真集。20周年、30周年にも発行されている。▲八雲山車行列10周年を記念して作られた写真集。20周年、30周年にも発行されている。


中央の人魚姫が描かれた箱型のものが初期の山車▲中央の人魚姫が描かれた箱型のものが初期の山車


しかし、初めての山車行列は町民に印象を残せず、不発に終わりました。その経験、反省をふまえて、翌年にはもっと町民と盛り上げられる祭りにしたい! と考え、9台の大きな山車を製作、八雲祭の催しとして町内を練り歩きました。これが第1回目の八雲山車行列となったのです。

回を重ねるごとに、若者たちばかりではなく、町内会、地元企業、幼稚園、学校と参加団体が増えていき、町外からも注目される八雲町の一大イベントへと成長していきました。

 

それぞれが工夫を凝らした手づくり山車で練り歩く


八雲山車行列の山車には

「あんどんで参加すること」、「人力で引くこと」

と、きまりごとは2つしかなく、各団体で工夫を凝らして製作にあたります。

弘前ねぷたや青森ねぶたのような人物を模したものあり、アニメのキャラクターあり、時事ネタを盛り込んだものありと、さまざまです。バラエティーに富んでいるのは形ばかりではありません。


巨大な太鼓の上に上がって演奏するのは子どもたちの憧れ▲巨大な太鼓の上に上がって演奏するのは子どもたちの憧れ


農業団体の山車の牛の鼻からは煙が噴き上げ、首や手がふわふわと動くキャラクターものや、箱型の入れ子になっていて操作をすると3段階で上下に伸びるものもあります。以前、子どもが乗りこめる猫型の山車が作られた時は、大人気で大行列ができるほどだったとか。

山車製作の技術を学ぶために、毎年、「山車づくり講習会」も行われています。弘前から本場のねぷた師を招き、あんどん型山車の絵の描き方を下絵、ろう引き、色つけまで本格的に学びます。


山車づくり講習会に来てくれたねぷた師に教わって町民が作った金魚ねぷた▲山車づくり講習会に来てくれたねぷた師に教わって町民が作った金魚ねぷた


昨年は八雲高校の美術部、今年は八雲中学の美術部の生徒も参加しました。
この講習会で学んだことを活かして八雲高校・中学合同チームである「Y-Girls♡」の山車の絵を美術部員たちが描きました。
昨年は、同じ学校の仲間が描いた山車を背負って、「Y-Girls♡」のパフォーマンスのメンバーはキレッキレのダンスを披露したそうです。

山車をバックに踊りやお囃子、音楽などのパフォーマンスを繰り広げるのも自由なのです。ここにもきまりごとはなく、思いおもいの衣装や音楽で観客にアピールします。

そして、毎年、「あんどん」と「パフォーマンス」の2部門に分けて観客の投票による審査が行われ、大賞が選ばれます。それぞれの団体で入賞を狙い、どちらの部門に力を入れるかを見定め、準備にも熱が入るのだそうです。


ポスターが町のいたるところに貼られます。このポスターは沼田町、斜里町にも送られ、2町からもポスターが送られてくるそう。以前、行われた「あんどん祭りサミット」のようなあんどん祭り同士の交流をまたしてみたいとのこと▲ポスターが町のいたるところに貼られます。このポスターは沼田町、斜里町にも送られ、2町からもポスターが送られてくるそう。以前、行われた「あんどん祭りサミット」のようなあんどん祭り同士の交流をまたしてみたいとのこと

 

町民の心のふるさとづくりのために


山車行列の参加は基本的には八雲町内の団体によるもので、山車の引手やパフォーマンスには町外からの応援もあるそうです。参加回数が30回以上という団体も3割以上。ただ、参加回数が少ない団体であっても、その団体の親世代から引き継いだものであることが多いそうです。

実行委員会でも、それぞれの団体でも、主体となって運営する若者が、かつて「若人の集い」などで活躍した先輩から、教えてもらうこと、受け継ぐことが多いのだとか。連日夜遅くまで作業をする中で、骨組の組み方、和紙のきれいな貼り方、工具の使い方を教わり、そこから生まれる交流が新たな繋がりとなって広がっていくそうです。


普段は静かな駅前通りを人が埋め尽くす▲普段は静かな駅前通りを人が埋め尽くす


町民カンパも、繋がりをつくるための一助になっています。祭りの運営のためのカンパとして各家庭から100円いただくという取り組みは、祭りを始めた当初から行われてきましたが、これは単なる財源確保だけにとどまりません。

カンパしてもらうには山車行列を町民の皆に知ってもらう必要があります。

そのためには運営にたずさわる若者たちが山車行列の意味や意義をきちんと説明できなければなりません。そこで自ずと祭りについて改めて考え、意識を高めることにもなるのです。

これがこれまでぶれることなく祭りを続けてこられたもとともなっているそうです。
また、一軒一軒、家を訪れることで普段接することのない町民とのふれあいの機会にもなっています。

八雲町は企業の支社も多くあり、単身赴任の方や、転勤により移ってきた子育て中のママも多いそう。今は、北海道新幹線の八雲トンネルの建設のために赴任している人たちもたくさんいらっしゃるとのこと。また、八雲山車行列を目がけて、帰省する人もたくさんいるとか。

古くから八雲に住む人と、新たに八雲に暮らし始めた人の両方を繋ぎ、この日ばかりは利害関係を抜きにして皆で楽しみ、町民の心のふるさとづくりのための祭りが、八雲町民にとっての八雲山車行列なのだそうです。


祭りのフィナーレにはジェット風船を飛ばし、クラッカーが鳴らされる▲祭りのフィナーレにはジェット風船を飛ばし、クラッカーが鳴らされる


「八雲の町が、熱に浮かされる」……若者を中心とする町民の八雲町を愛する気持ちを込めたあんどんが町中を練り歩くのは、今年は7月5日(金)、6日(土)の2日間。

八雲町民の熱を感じに足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

北海道三大あんどん祭り 開催要項


第37回八雲山車行列

2019年7月5日(金) 18:30 開会式 八雲町立図書館駐車場
            19:00 八雲町立図書館スタート~八雲町役場ゴール


2019年7月6日(土) 19:00 八雲町役場スタート~八雲駅前にてフィナーレ

※雨天の場合は7日(日)まで順延

問い合わせ先 八雲山車行列実行委員会 電話 0137-63-3131

令和元年 沼田町夜高あんどんまつり

2019年8月23日(金) 16:00 ふるさと特産品フェアスタート
            17:00 夜高あんどん祭り出陣式
            18:30 あんどん一斉点灯・あんどん練行開始
            19:45 夜高あんどんぶつけあい開始

2019年8月24日(土) 14:00 ふるさと特産品フェアスタート
            17:00 夜高あんどんコンクール表彰式・餅まき
            18:30 あんどん一斉点灯・あんどん練行開始
            19:45 夜高あんどんぶつけ合い開始

問い合わせ先 沼田町観光協会 電話 0164-34-6373

第37回 しれとこ斜里ねぷた

会場 道の駅しゃり、斜里町役場前広場、町内目抜き通りなど

2019年7月26日(金) 10:00 スタート
             18:30 ねぷた出陣式             
             19:00 ねぷた運行

2019年7月27日(土) 10:00 スタート
             14:00  第20回ねぷたフェスティバル
             18:40 ねぷた出陣式             
             19:00 ねぷた運行

問い合わせ先 斜里町役場総務部企画総務課内  電話 0152‐23-3131


※祭りの詳細は各町にお問い合わせください。

関連リンク


・八雲町山車行列オフィシャルウェブサイト
 
この記事をSNSでシェアしよう!
  • 北海道三大あんどん祭り 八雲山車行列が夏の夜を熱くする
Title
Close