
真冬の北海道と桜咲く東京を舞台に、『猟奇的な彼女』『僕の彼女はサイボーグ』など大ヒット恋愛映画を手がけてきたクァク・ジェヨン監督が綴るミステリアスでファンタスティックなラブストーリー、映画『風の色』が2018年1月26日(金)、全国ロードショー公開になります。
自分とそっくりな人間がもう一人いる…
『風の色』はこんなストーリーです。突然目の前から消えた恋人・ゆり(藤井武美)の死から100日、彼女との想い出の品々を胸に、失意のどん底からマジシャンになることを決意した青年・涼(古川雄輝)。その後、"自分と生き写しの人間"の存在に気付き始めた彼は、生前「私たちはまた会える」、「流氷が見たい」と言っていた彼女の言葉に導かれるように、北海道へと向かいます。
そして、旅の途中で偶然出会った、亜矢と名乗る、ゆりと瓜二つの女性(藤井/二役)。彼女もまた、2年前の事故により行方不明になっていた、涼と瓜二つの天才マジシャン・隆(古川/二役)との再会を待ち望んでいました。涼と隆、ゆりと亜矢。彼ら彼女らの運命が複雑に絡んで進む物語は、意外な結末を迎えることになるのです…。

なぜ舞台が北海道?クァク・ジェヨン監督を直撃取材!
この不思議な愛の物語を舞台となるのは、真冬の北海道です。札幌の市電やさっぽろテレビ塔、そしてオホーツクの流氷などがそれぞれ重要なシーンに登場して、ストーリーを盛り上げていきます。
どうして北海道の冬を背景にした恋愛映画をクァク・ジェヨン監督は作りたかったのか。強く疑問に思った北海道Likersは、来日した監督に直接インタビューしてみることにしました!

-監督、どうして北海道を舞台にした映画を作ろうと思い立ったのですか?
私が初めて北海道に来たのは、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に参加するためでした。雪に覆われた冬の北海道の美しさを見て、これを舞台にした映画を撮りたいと思ったのです。綾瀬はるかさん主演の『僕の彼女はサイボーグ』を撮影した後、再び冬の北海道に来る機会があり、ロケハンをしながらストーリーの構想を練りました。男女の愛を描くには、美しい背景の方がいい。当然のように脚本はラブストーリーになっていきました。

-なるほど!撮影は2015年3月~4月に行われたと聞いています。順調に進みましたか?
最初に撮影したのは網走周辺のシーンでした。3月に流氷はかなり難しいと言われていたのですが、ちゃんと接岸してくれて。美しい流氷を目の当たりにして、キャスト・スタッフの士気が上がり、その後も順調に撮影を進めることができました。

強運にも恵まれて無事撮影を終了して、いよいよ公開に。「愛の物語をしっかり感じて欲しい」というのが、観客へのクァク監督のメッセージでした。
「日本映画とは違う雰囲気を味わって」
さらに北海道Likersは、キャンペーンで札幌にやってきた主演の古川雄輝さんにもインタビューを敢行!
-ロケ時に札幌、小樽、網走、ウトロとかなりいろいろな北海道の場所を巡られたと思うのですが、印象はいかがですか?
北海道の方が意外にあまり見られてないとお聞きしたのですが、流氷が本当に美しかった。あと、市場で買ってきたネタで、スタッフが握ってくれたお寿司はこれまでで最高の味でした。ジンギスカンやラーメン、スープカレーなど、食べ物は全部美味しかったですね。

-マジシャンという設定なのですが、役作りで難しかったのはどこでしょうか?
いつも監督が撮影の20分ぐらい前になって、やっと次にどんなマジックをするのかを決めるのです(笑)。それをいつもやっているマジックだという体で、余裕を持って演じるのが大変でした。

「日本映画とはセリフもシーンも雰囲気が少し違う、日韓合作ならではの部分に、ぜひ注目して観て欲しいです」と最後に古川さん。
北の大地の美しさをフルに活かした、ミステリアスでファンタスティックなラブストーリー『風の色』。北海道好きは必見の一本ですよ!
作品情報
「風の色」2018年1月26日(金)札幌シネマフロンティアほか全道で公開
監督・脚本:クァク・ジェヨン
出演:古川雄輝、藤井武美、石井智也、袴田吉彦、小市慢太郎、中田喜子、竹中直人
英題:COLORS OF WIND
主題歌:華原朋美「風の色」(UNIVERSAL J)
挿入歌:Professor Green /Read All About It (Feat Emeli Sande) (USM JAPAN)
原作小説:「風の色」著:鬼塚忠、原案:クァク・ジェヨン(講談社文庫刊)
2017/日韓合作/日本語/カラー/5.1ch/シネスコ/119分
配給:エレファントハウス/アジアピクチャーズエンタテインメント/カルチャヴィル
URL:http://kaze-iro.jp
ⓒ 「風の色」製作委員会
取材・文/田中勲
撮影/松浦靖宏
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