太平洋に面した白老(しらおい)町に総客室数6室の平屋造りのホテルがあります。各部屋に設置された源泉かけ流しの温泉、シェフと対面していただく白老牛の鉄板焼きがメインのコース料理…。慰労に美食にお薦めしたい「ピリカレラホテル」を紹介します。
(写真提供/ピリカレラホテル)
▲天井が高く開放的なロビー。清掃の行き届いたピカピカの床が印象的でした
ゆったりと高級感あふれる全客室に引かれた温泉は、建物の地下深くで湧く植物性のモール泉。肌当たりなめらかな茶褐色の湯を、加水も加温もなしにそのまま湯船にかけ流しています。
▲洋室タイプ。他に和洋室タイプもありどの客室も広さ50㎡。うれしいことにマッサージチェアが置かれています…!
▲部屋の浴室。浴槽には常に温泉が満ちています
▲北海道遺産にも選定されている地下1345mから湧くこの茶褐色の湯がすべすべ肌に導いてくれるかも!
白老町には名湯が点在していますが、モール泉は近隣のポロト湖畔の日帰り温泉施設1軒とここでしか入れません。「温泉通の方にファンが多いですよ」と、マネージャーの古俣さん。その気持ち良さを、部屋の内風呂だけでなく貸切の露天風呂でも堪能できるのだから贅沢です。
▲時間貸しの露天風呂。たまに裏手の線路を走るローカル列車の音が響いてきます(写真提供/ピリカレラホテル)
部屋には、この温泉をろ過したというオリジナルの飲用水もあります。レストランで料理にも使っているというこの水、とてもまろやかでコーヒーやお茶の味が変わりますよ!
▲豊富なミネラルを含む弱アルカリ性の軟水です
お楽しみの夕食は白老牛がメインのフレンチのコース料理。「札幌など都心部で2万円~3万円するような料理をお客様の目の前で調理して出したい。そんなオーナーの考えで、レストランは鉄板を敷いたカウンター式。夜のメインの白老牛や朝食の野菜などを目の前で焼いて出しています」と、シェフの当摩さん。
東京のレストランで修行した後にスペインの在スペイン日本総領事館公邸料理人として腕を振るった経験も持ち、きっちり〝仕事〟をした料理を味わわせてくれます。
ブイヨンやフォンを取り、ドレッシングやソースをつくり、パンを焼き、イクラを漬け、ハムを仕込む…。時にはを自ら地元の野菜を買いにでかけることもあるそう。
また器は可能な限り作家にオーダー。この土地の空気や料理のイメージに合わせたオリジナルの器を使っています。
▲半円型のカウンターを据えたレストラン。中にいるのが当摩さんです
取材時(6月下旬)のコースの一部を紹介すると、ブイヨンゼリーで野菜を寄せたさわやかな風味のジュレとタコのテリーヌの後は、少しパンチの効いたフォアグラのコンフィ、甘さとスパイシーさが同居するブリの皿へと続きます。
クライマックスはハニーマスタードで仕上げた白老牛のサーロインステーキ。緩急を効かせて続いてきた流れはデザートが運ばれてきて閉幕となりますが、このおいしい物語が終わるのが惜しい!という気持ちになる人もきっといるはず。
▲北海道の初夏をイメージさせる、野菜のジュレとタコのテリーヌ
▲赤ワインが欲しくなる、フォアグラのコンフィ
▲魚の火の通り具合が絶妙!スパイスマリネしたブリのミ・キュイ
〜焼茄子のピューレ添え・大葉の香り
▲口の中でとろけるサシの旨味に感動。白老牛のサーロインステーキ 〜ラタトゥイユ添え〜
▲3種から選べるデザート。こちらは苦みのおいしさを堪能できる、抹茶のババロア・黒ゴマのダックワーズ
「鉄板焼きがメインのフレンチのフルコースだけれど、もたれない、くどくない味を目指しています。旨味に特化した料理を理想として、塩みや甘みなど食材の〝いいところ〟を引き出すことに専念しているんです」。選りすぐりの素材や調味料の味が重なり合って生まれる滋味深い料理の数々からは、そう語る当摩さんの心意気が伝わってきます。
そして朝食には、焼き野菜とベーコンの他、自家製いくらや虎杖浜たらこが並ぶものだから、前述の水を使って釜焚きするというご飯をつい食べきってしまいます。
▲中央のハムは自家製。ご飯の銘柄はゆめぴりかです
少数精鋭のホテルスタッフのプロとしての振る舞い、ハートフルなサービスに心地よさを感じる利用客も多いといいます。
疲れた心と体に癒しと栄養を。大人の慰労&美食の旅にお使いくださいね!


モール泉の源泉で満ちた部屋の浴槽
道央自動車道利用で新千歳空港から約40分、札幌から約1時間15分。良質な温泉に浸かって全身の力を抜いて、美食に呻り、あとは気ままにゴロゴロする。そんな大人の(?)過ごし方ができる「ピリカレラホテル」は、充電したい時の〝おこもり〟にもふさわしい場所かも知れません。
ゆったりと高級感あふれる全客室に引かれた温泉は、建物の地下深くで湧く植物性のモール泉。肌当たりなめらかな茶褐色の湯を、加水も加温もなしにそのまま湯船にかけ流しています。



白老町には名湯が点在していますが、モール泉は近隣のポロト湖畔の日帰り温泉施設1軒とここでしか入れません。「温泉通の方にファンが多いですよ」と、マネージャーの古俣さん。その気持ち良さを、部屋の内風呂だけでなく貸切の露天風呂でも堪能できるのだから贅沢です。

部屋には、この温泉をろ過したというオリジナルの飲用水もあります。レストランで料理にも使っているというこの水、とてもまろやかでコーヒーやお茶の味が変わりますよ!

食材の長所を引き出した〝鉄板焼きフレンチ〟のフルコース
お楽しみの夕食は白老牛がメインのフレンチのコース料理。「札幌など都心部で2万円~3万円するような料理をお客様の目の前で調理して出したい。そんなオーナーの考えで、レストランは鉄板を敷いたカウンター式。夜のメインの白老牛や朝食の野菜などを目の前で焼いて出しています」と、シェフの当摩さん。東京のレストランで修行した後にスペインの在スペイン日本総領事館公邸料理人として腕を振るった経験も持ち、きっちり〝仕事〟をした料理を味わわせてくれます。
ブイヨンやフォンを取り、ドレッシングやソースをつくり、パンを焼き、イクラを漬け、ハムを仕込む…。時にはを自ら地元の野菜を買いにでかけることもあるそう。
また器は可能な限り作家にオーダー。この土地の空気や料理のイメージに合わせたオリジナルの器を使っています。

取材時(6月下旬)のコースの一部を紹介すると、ブイヨンゼリーで野菜を寄せたさわやかな風味のジュレとタコのテリーヌの後は、少しパンチの効いたフォアグラのコンフィ、甘さとスパイシーさが同居するブリの皿へと続きます。
クライマックスはハニーマスタードで仕上げた白老牛のサーロインステーキ。緩急を効かせて続いてきた流れはデザートが運ばれてきて閉幕となりますが、このおいしい物語が終わるのが惜しい!という気持ちになる人もきっといるはず。



〜焼茄子のピューレ添え・大葉の香り


「鉄板焼きがメインのフレンチのフルコースだけれど、もたれない、くどくない味を目指しています。旨味に特化した料理を理想として、塩みや甘みなど食材の〝いいところ〟を引き出すことに専念しているんです」。選りすぐりの素材や調味料の味が重なり合って生まれる滋味深い料理の数々からは、そう語る当摩さんの心意気が伝わってきます。
そして朝食には、焼き野菜とベーコンの他、自家製いくらや虎杖浜たらこが並ぶものだから、前述の水を使って釜焚きするというご飯をつい食べきってしまいます。

少数精鋭のホテルスタッフのプロとしての振る舞い、ハートフルなサービスに心地よさを感じる利用客も多いといいます。
疲れた心と体に癒しと栄養を。大人の慰労&美食の旅にお使いくださいね!

取材・文/北海道Likersライター 孫田二規子
撮影/大滝恭昌
http://fhotof8yasu.blog55.fc2.com
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