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公開 | チバタカコ

江差町、法華寺の「八方睨みの龍」

江差町法華寺の八方睨みの龍

江差町の名刹、法華寺。ここで、日本文人画の第一人者、池大雅(いけのたいが)が描いたと言われる「八方睨みの龍」を見ることができます。由緒ある本堂に座り、天井を見上げていると、栄華を誇った江差の熱気が伝わってきそうです。
 
 

室町時代の荘厳さを今に伝える、道内屈指の名刹「法華寺」

江差は北海道の交易港として栄えた町で、道内最古の祭りとして有名な「姥神大神宮渡御祭」が行われる姥神大神宮など、神社仏閣が多く建立されました。法華寺は、1521(大永元)年に上ノ国で創立され、1665(寛文5)年に江差に移転。再興後焼失してしまいましたが、1716(享保元)年に復建し今日に至ります。室町時代の荘厳さを今に伝える、国内でも数少ない総欅(そうけやき)づくりの名刹です。
 

江差町にある法華寺▲江差町にある法華寺
 

江差町にある法華寺▲本堂への出入口には風除室が設けられており、通常は出入りはできませんが、ガラス越しでも見事なしつらえを見ることができます

 
法華寺の山門は1678(延宝6)年に、檜山奉行所の表門として建造されたもので、1882(明治15)年に今の場所に移されました。
 

江差町にある法華寺の山門▲法華寺の山門。寛文年間(1661~1672年)のもので、道内最古の建造物の一つ
 

山門をくぐってすぐ右側に、見事な枝垂桜がありました。強い海風の影響で、お寺側の方だけに枝垂れているのですが、桜の季節はさぞ見応えがあるだろうと法華寺に尋ねたら、昨今の気温変動の影響か、桜が咲く時期がずれてきて、あまり咲かなくなってきているとか。歴史ある古刹に枝垂桜、いつまでも残したい風景なんですけどね…。

 

法華寺の八方睨みの龍

法華寺の本堂の7m四方の天井に描かれているのは「八方睨みの龍」。描いたのは、日本文人画の第一人者、池大雅と言われています。池大雅の作品は、重要文化財や国宝に指定され、国内の博物館などに残っています。
 

法華寺本堂の天井画、「八方睨みの龍」▲法華寺本堂の天井画、「八方睨みの龍」
 

「池大雅作」ではなく、「池大雅と言われています」というには理由があります。この絵は京都で制作され、船で江差まで運ばれました。そして天井にはめ込む時に、なんと!若干サイズが大きく、四方のふちを天井に合わせて切り落としたとか。絵画などは、絵の端に作者が署名をしたり落款を押したりするので、その時に署名の箇所を切ってしまった…かもしれないそうです。
 

法華寺本堂の天井画、「八方睨みの龍」▲龍の顔の回りなどのキラキラしているところは、金が使われているそうです
 

記録も残っていないので、「池大雅と言われています」という表現になってしまいますが、本堂に座って天井を見上げたら、絵心がない私でも描いた人の力量がはっきりわかります。するどい爪と厳しい眼光、くねらせた体は、今にも動き出しそうです。そしてこの龍、「八方睨み」というだけあって、本堂の真ん中、端っこ、どこに座っても目が合います。
目が合った時、怖いと感じるか、守られていると感じるか…ぜひ、法華寺の本堂に座って体感してみてください。
 
法華寺には、「八方睨みの龍」以外にも屏風、仏画、掛け軸、書などの芸術品が展示されており、入館料を払って中に入れば自由に見学することができます。法華寺の縁側からは、裏庭にある樹齢400年以上と言われる大欅や再北限の寒椿も見ることができます。
 

江差町法華寺の樹齢400年の大欅▲樹齢400年以上と言われる大欅
 

江差町法華寺の樹齢400年の大欅▲大欅の真ん中が折れているのがわかりますか?
 

この大欅ですが、2004(平成16)年の台風で一部がぽっきり折れてしまいました。が、すぐ横の建物側には倒れてこなかったので被害はなかったそうです。本堂の龍が守ってくれたのかもしれませんね。ちなみに折れた欅は、入館者出入口玄関の上がり框として利用されています。
 
北海道は2018年、「北海道」と命名されて150年を迎えます。それ以前の、もっともっと古い時代から北海道に建つ古刹の本堂で天井画の龍と視線を合わせて、しばし、自分と向かい合う時間というのも、なかなかいいものですよ。
 
※法華寺の外観撮影は自由ですが、内観はすべて撮影禁止です。今回は特別に許可を得て撮影しています。

 

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