
増毛町と石狩市浜益区の境界にある雄冬地区は、近年まで道路が未整備で交通手段が船しかなかったため、長い間陸の孤島と言われてきました。雄冬地区の増毛町側の高台にある雄冬岬展望台からは、険しい海岸線が続く様子を眺めることができます。
平成初期まで陸の孤島だった雄冬地区
雄冬地区は、日本海側を通り抜ける国道231号線沿いにあります。急峻な崖が続く海岸線で、山と海の間がほんの少し開けたところに細長く広がる小さな集落。ちなみに、雄冬地区の大半は増毛町に属しますが、南側一部が石狩市浜益区に属するという少々変わった行政区分です。
かつて、雄冬地区へは車が通ることができる道路がなかったため、増毛と雄冬を結ぶ一日一往復の船が唯一の交通手段でした。
昭和時代末期に石狩市浜益地区から雄冬地区まで道路が開通し、車で行き来することが可能に。ただ、冬期は道路が通行止めだったため、引き続き船が大切な交通手段でした。

増毛~雄冬~浜益間が通年通行できるようになったのは1992(平成4)年。交通手段が船ではなく車やバスになり、このときやっと雄冬地区は陸の孤島ではなくなりました。
かつて陸の孤島、現在はドライブの休憩スポット
国道231号線は、札幌市や石狩市から留萌市や稚内市方面へ走り抜ける快適なドライブルートの一部分。雄冬地区周辺は険しい地形を長いトンネルで通り抜ける区間が多いため眺望が途切れがちとはいえ、ところどころ海を横目に走ることができます。
その途中にある雄冬海岸周辺は、車で気軽に訪れることができるようになったとはいえ、険しい地形は昔と変わらず。雄冬岬展望台をはじめ、国道沿いにある白銀の滝をはじめ、雄冬地区の山側にある雄冬岬展望台など、ちょっとした息抜きや気分転換にピッタリです。

雄冬岬展望台から雄冬海岸を眺めてみました
険しい海岸線と雄冬地区を見下ろす雄冬岬展望台へ行ってみました。展望台付近には駐車場があり、車で行くことができます。海辺の国道からそれ、山を縫うように登っていく道路を数分進みます。

階段の周囲は崖や岩場、足元が見えないほど鬱蒼とした草むらが広がるので、柵があるとはいえ気持ち慎重に進みます。
駐車場から3分程度階段を登ると展望台へ到着。

展望台まで上がってみました。



雄冬地区は絶好のドライブ小休止スポット!
展望台から険しい海岸線を眺めると、よくぞこんな場所に道路を造ったものだと感心してしまいます。車で通り抜けると特段意識することなく通過してしまいがちですが、ふらりと寄り道してみて気づく小さな発見。かつての陸の孤島は、ドライブの途中に小休止する絶好のスポットです。取材・文/北海道Likersフォトライター nobuカワシマ
写真/nobuカワシマ
http://www.no-1-travel.com/
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