日本一の秘境駅。いつからからそう呼ばれている「小幌(こぼろ)駅」は、太平洋沿いの豊浦(とようら)町にある、JR室蘭(むろらん)本線の無人駅です。鉄ちゃんのカメラマンと一緒に訪ねてみると…?現地の様子をお伝えします!

▲のどかな駅でした。反対側のホームへは線路の上に敷かれた横断歩道を歩いて行きます
やってきた列車は、かつてJR日高本線で走っていた「優駿浪漫号」の車両。
乗車してからおよそ11分で、小幌駅に到着しました。
▲去りゆく優駿浪漫と記念撮影!乗車中は、ガタゴトという旅情を誘う音や心地良い揺れ、海山の景色を楽しめました
列車を見送り、改めて左を見ると、トンネル。

右を見ても、トンネル。

あら、びっくり。
苔むしたトンネルに挟まれた、約80mほどの谷間が駅なのでした!
かつて、駅の下方に広がる小幌海岸は好漁場として栄え、漁師で賑わった時代があったといいますが、漁船の進化により、不便な海岸でわざわざ居を構える物好きはいなくなり、もうずいぶん長い間、誰も住んでいないといいます。
現在のこの駅の利用者は、鉄ちゃん。そして海岸にある小幌洞窟遺跡や、そこに祀られた円空仏・岩屋観音を見に行くひとくらいのようです。
駅看板の足元には、プラスチックの収納ケースが置いてありました。
なかには記念写真用とおぼしき拡大版切符(日付がマグネット式!)や駅ノート、周辺の町の観光案内などが入っていました。小幌駅のファンの方が管理しているのでしょうか…?

▲切符を手に記念撮影してみました
私たちは30分くらいの滞在でしたが、途中、上りと下りの特急スーパー北斗が通りました。
トンネルがある関係で、列車が来る前にはカンカンカンという警笛が響き、傍らに立つ列車接近警報装置に「列車が通ります」という文字が赤く浮かび上がります。
深い緑や古びた線路と特急の組み合わせはなかなか面白く、カメラマンが写真におさめました。みなさまも撮影する時には、安全にマナーを守ってくださいね。
▲下りのスーパー北斗です
▲上りです。停まっているように見えますが、現実はものっすごいスピードで迫力がありました
さて、帰りの列車がやってきました。
古色蒼然たる駅舎(といっていいのでしょうか?)で過ごした30分は、なんだか現実から切り離されたような不思議な時間でした。
おすすめの鉄旅スポットです!

※小幌駅の2017年4月以降の存続は未定です。

苔むしたトンネルの谷間に
秘境たる小幌駅は車では行けない場所にあるため、私とカメラマンは取材の途中で車を置いて、大岸(おおきし)という無人駅から列車に乗ることにしました。
やってきた列車は、かつてJR日高本線で走っていた「優駿浪漫号」の車両。
乗車してからおよそ11分で、小幌駅に到着しました。

列車を見送り、改めて左を見ると、トンネル。

右を見ても、トンネル。

あら、びっくり。
苔むしたトンネルに挟まれた、約80mほどの谷間が駅なのでした!
信号所から昇格した駅
そもそも小幌駅とは、JR室蘭本線がまだ単線だったころの信号所(上りと下りの列車の待ち合いのための場所)が、昇格してなった駅。かつて、駅の下方に広がる小幌海岸は好漁場として栄え、漁師で賑わった時代があったといいますが、漁船の進化により、不便な海岸でわざわざ居を構える物好きはいなくなり、もうずいぶん長い間、誰も住んでいないといいます。
現在のこの駅の利用者は、鉄ちゃん。そして海岸にある小幌洞窟遺跡や、そこに祀られた円空仏・岩屋観音を見に行くひとくらいのようです。
駅看板の足元には、プラスチックの収納ケースが置いてありました。
なかには記念写真用とおぼしき拡大版切符(日付がマグネット式!)や駅ノート、周辺の町の観光案内などが入っていました。小幌駅のファンの方が管理しているのでしょうか…?


時刻表をしっかり確かめて
小幌駅に止まる列車は、上り下り合わせて1日6本(2016年11月現在)。なにせ他の足がない場所なので、列車の時間をよく見て乗り遅れのないようにしましょう。私たちは30分くらいの滞在でしたが、途中、上りと下りの特急スーパー北斗が通りました。
トンネルがある関係で、列車が来る前にはカンカンカンという警笛が響き、傍らに立つ列車接近警報装置に「列車が通ります」という文字が赤く浮かび上がります。
深い緑や古びた線路と特急の組み合わせはなかなか面白く、カメラマンが写真におさめました。みなさまも撮影する時には、安全にマナーを守ってくださいね。


さて、帰りの列車がやってきました。
古色蒼然たる駅舎(といっていいのでしょうか?)で過ごした30分は、なんだか現実から切り離されたような不思議な時間でした。
おすすめの鉄旅スポットです!

※小幌駅の2017年4月以降の存続は未定です。
取材・文/北海道Likersライター 孫田二規子
撮影/大滝恭昌
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