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公開 | みふねたまき

開拓時代へタイムトリップ!北海道立文書館で奥深き古文書の世界に触れる

北海道立文書館 展示室

往時の姿を今に伝える歴史的建造物。札幌市内にいくつも点在する建物のひとつが、今年3月、北菓楼札幌本館に生まれ変わりました。改修設計に安藤忠雄氏が携わったということでも注目を集め、オープン以来多くの人が訪れ賑わっていますが、前身である「道立文書館別館」のことを、よく知っているという人は多くないでしょう。「文書館」と書いて「もんじょかん」と呼ぶことさえ、もしかすると知られていないかもしれません。誰でも気軽に立ち寄れるようになった今、建物の来歴に興味を持つ人も少なくないはず!ということで、「北海道立文書館」について、ご紹介しましょう。

 

道立文書館別館だった建物は、札幌初の本格的な図書館でした

「北海道立文書館」は北海道の歴史に関する文書や記録等、膨大な資料を収集・保存し、求めに応じて提供を行っている公文書館です。文書館について詳しくご紹介する前に、まずは北菓楼札幌本館に生まれ変わった「旧文書館別館」についておさらいです。


道立文書館別館(現北菓楼)▲道立文書館別館だった頃の外観


「さっぽろ・ふるさと文化百選」に選ばれているこの建物、「北海道庁立図書館」として大正15年に建てられたもので、札幌初の本格的な図書館でした。設計は北大理学部本館などを手がけた萩原惇正を中心とする道庁建築課の技師たち。北一条通に面した風格ある外観は、ジャイアントオーダーと呼ばれる円柱や入口と窓まわりの装飾が特徴的。古い建築が好きな人なら、一度は立ち止まって見上げたことがあるはずです。
昭和42年まで図書館として使われた後、道立三岸好太郎美術館となり、昭和60年から北海道立文書館別館として、収蔵する文書の整理保管場所に使用されていました。入口脇に写真のように「道立文書館別館」の看板が、ごくごく控えめに掛けられていたので、見覚えがあるという人もいるのではないでしょうか。


道立文書館別館 立て看板&収蔵庫▲西側の入口に掛けられていた看板。館内は資料の整理作業や保管に使われていました

 

「北海道立文書館」は道庁赤れんが庁舎1階にあります

さて、「道立文書館別館」時代の写真にもあったように、「北海道立文書館」本館は道庁赤れんが庁舎1階にあります。正面入口から入って廊下を左奥に進むと常設展示室、右奥に進むと閲覧室があり、1階フロアの大半が文書館の施設として使われています。観光で訪れた方々は、そうとは知らず常設展示を見学しているかもしれませんね。


北海道立文書館 赤れんが庁舎内本館▲北海道立文書館は赤れんが庁舎1階にあります


北海道立文書館 赤れんが庁舎1階ロビー▲道庁赤れんが庁舎1階ロビー。左手奥へ進むと左側に常設展示室があります

 

手書きの文書に人々の暮らし、心情も見え隠れ

常設展示室では「文書が語る北海道の歴史」のタイトルどおり、文書館に収蔵されている膨大な文書や資料から、北海道開拓の歴史がひもとかれています。入口横の壁をおおうように展示されているのは、開拓使判官島義勇の書簡です。キリリと達筆な墨文字で書かれたその内容は、土地の分配をめぐる行き違いがあり、現地責任者であった島義勇が、東京の担当役人に対して強く抗議しているものなのだとか。言われてみれば文字の「トメ」や「ハネ」に勢いがあり、立腹されていた様子がうかがえます。


北海道立文書館 開拓使公文録▲展示室入り口の壁を飾るのは開拓使判官・島義勇の書簡です。元となった『開拓使公文録』原本は館内の閲覧室で公開されています。


常設展示室には松浦武四郎が完成させた北海道地図『東西蝦夷山川地理取調図』も展示されています。38×50cm大の和紙に木版多色刷りされた原図26枚であらわされた北海道地図は、入り組んだ海岸線に地名や川の名前が細かく記載されていて、その緻密さに感動するとともに、費やした時間と労力を思うと、ただただ頭が下がります。
常設展示では幕末以降、明治10年代にいたる時代の開拓施策や、農村・漁村、都市部に住む人々の姿を文書や写真、絵などで紹介しているほか、「赤れんが庁舎の紹介」や「記録史料を残す」などのコーナーも設けられています。また、開拓使や北海道庁が火災に強い書庫を建設し、文書を守ろうと努めてきたことなども展示されていて、記録を残し伝えることの意義について、改めて考えさせられます。


北海道立文書館 常設展示室▲北海道立文書館 常設展示室


北海道立文書館 山田さん▲北海道立文書館 文書専門員の山田さん。毎年開催される古文書解読講座では講師として古文書の世界をわかりやすく解説してくれます

 

閲覧室では貴重な歴史資料の原本を公開

『東西蝦夷山川地理取調図』や『開拓使公文録』など、展示されている文書や写真、絵などの原本のほとんどは、閲覧室で公開されているので、実物を手に取ってみることをおすすめします。蝦夷地探検の紀行文を数多く残している松浦武四郎の『十勝日誌』や『久摺日誌』などの木版本は、挿絵も美しく見応えがあります。


北海道立文書館 閲覧室▲北海道立文書館 閲覧室


現在、北海道立文書館に所蔵されている資料の総数は23万1242点。そのうち北海道内の行政機関が作成した公文書が5万8757点、私文書4万7085点、地誌・紀行・日記等の古記録など各種刊行物が12万5400点となっています(平成28年3月末現在)。
膨大な資料を永く保管するためには、資料の整理や補修が欠かせません。文書館では虫食いや破れの補修、目録作成などの作業をボランティアの助けを借りて行っています。ボランティアは随時募集中なので、貴重な文書の補修などに携わってみたいという方は、ぜひご応募を。


北海道立文書館 文書修復▲破れや虫食い穴は薄い和紙を裏から糊付けし(上2点)、シワやヨレは吸取紙などでわずかに湿気を与え、乾いたレーヨン紙の上からやさしくアイロンをかけてのばします(下2点)。どちらも資料に負担をかけないよう丁寧な作業が求められます


ところで、常設展示で紹介されている文書や資料の数々、すらすら読めたらもっと楽しめるのに…と思いませんか?北海道立文書館では、所蔵する資料と見比べながら解読力を磨ける、「古文書解読自習プログラム」なるものを閲覧室に用意しています。ホームページからもテキストをダウンロードできるので、興味のある方はぜひチャレンジしてください。

 

「百年写真-明治の青年、柳田一郎が撮りためた『日常』」 企画展11月15日より開催

北海道立文書館 企画展ポスター▲11月15日から開催される企画展


11月15日からは企画展「百年写真-明治の青年、柳田一郎が撮りためた『日常』」が開催されます。
根室の実業家の家に生まれた柳田一郎。青年時代に親から買ってもらった小型カメラで、遊学先の東京、旅先、故郷・根室の風景と人々の生活を切り取った珍しい写真の数々が展示されます。ノスタルジックに見える百年前の写真の中に、今につながる何かを感じられるかもしれません。

■会期/11月15日(火)~12月14日(水)
■時間/9:00~17:30(最終日は16:00まで)※11月20日は休室
■会場/北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)1階5号会議室
■入場無料

 

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