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公開 | チバタカコ

リニューアルした「北海道大学総合博物館」

北海道大学総合博物館

耐震改修工事などで休館していた北海道大学総合博物館が、2016年7月にリニューアルオープンしました。建物の補修・補強はもちろん、展示内容も一新!北大ならではのこだわりがさらにパワーアップ!

 

北大に現存する最も古い大規模鉄筋コンクリート造の建物が旧理学部本館=北海道大学総合博物館

北海道大学(以下、北大)札幌キャンパスの面積は1,776,249㎡、これは東京ドーム約38個分です。そして北大は、札幌の玄関口、JR札幌駅北口から構内まで徒歩約7分という都心好立地。イメージとして、東京駅の裏に東京大学、京都駅の裏に京都大学があると思ってください。主要駅徒歩圏なのに広大な敷地で、観光地にもなっている大学なんて、日本中探してもそうそうあるものではありません。
その北大構内に2016年7月26日リニューアルオープンしたのが、北海道大学総合博物館(以下、北大総合博物館)です。
 

旧理学部本館、北海道大学総合博物館▲旧理学部本館、北海道大学総合博物館
 

北大総合博物館の建物は、1929年に建てられたもので、北大構内に現存する最も古い大規模鉄筋コンクリート造の建物だそうです。
 

北海道大学総合博物館エントランス▲北大総合博物館エントランス。歴史の重みをひしひしと感じる重厚で格調あるしつらえです
 

北海道大学総合博物館 階段▲なにせ昭和4年製、87年前の建物ですから歴史を感じます

 
北大総合博物館は誰でも無料で自由に見学できますが、理学部の校舎でもあるので、一部のエリアは立ち入り禁止。校舎をそのまま利用しているところが、いかにも大学の博物館らしさを感じさせてくれます。
 
 
北海道大学総合博物館 注意書き▲試験時期になると館内の講義室は試験会場としても使われます。講義・試験中はお静かに
撮影:チバ
 

1999年に開館した北大総合博物館ですが、建物が今の耐震基準に満たないことがわかり、耐震補強の改修工事をすることとなりました。その時、建物を改修するなら、博物館も一気に見直しをしよう!ということになり、2015年4月から休館し、今回のリニューアルオープンとなりました。

 

北大の研究、教育を理解してもらい、たくさんの人に応援してもらいたい

北大には130年以上前の札幌農学校時代から収集・保存・研究されてきた400万点にものぼる標本や資料が蓄積されています。北大総合博物館は、それらを展示・紹介しながら今に伝えるとともに、まさに今、研究が行われている最先端の情報も開示しながら、未来の北海道と人たちへ、蓄積された知と伝統を「つなぐ」場でもあるのです。
 

北海道大学総合博物館アインシュタインドーム▲北大総合博物館吹き抜けホールにあるアインシュタインドーム。東西南北に「朝・昼・夕・夜」を表すレリーフが埋め込まれており、この建物で行われる研究・教育には一日中、昼も夜もないことを表わしているそうです。さすが北大生!

 
リニューアルした北大総合博物館について、館長の中川光弘さんに話をうかがいました。
 

北海道大学総合博物館館長で大学院教授、理学博士の中川光弘▲「卒業生をはじめ、北大総合博物館を訪れるたくさんの人たちに北大を理解してもらい、これからも応援、支援をしてもらえるとうれしいです」と、北海道大学総合博物館館長で理学研究院教授、理学博士の中川光弘さん


「リニューアルするにあたり、北大の歴史はもちろんですが、北大にある12学部の研究と教育、そして今イチオシの研究を紹介することで、『北大のいま』を見てもらいたいと考えました。また、今までは博物館に来てもらってもくつろげる場所がなかったので、カフェなどのくつろぎスペースをつくり、『知の交差点』として学生たちや教員、市民が交流できる講演室も設けました。市民向けセミナーなども定期的に行い、北大がやっていることを理解してもらえたらと思っています。
新設の12学部を紹介するコーナーでは、各学部の研究や教育を見るだけではなく触れる展示も設置しました。北大はフィールドを重視した研究が強みです。北極圏や低温研究、アイヌ研究など、北大ならではの研究は、日々変わり進化していますので、旬の研究を入れ替えながら展示していきたいと考えています。
北大は観光地としても人気なので、道内外からたくさんの人に訪れてもらいたいです。特に中・高校生やその保護者の皆さんには、北大を知ってもらうためにも、ぜひ足を運んでほしいと思います。そして、博物館で見たり、触ったりしたのがきっかけで、自分も北大で学びたい!と思ってもらえたら、とてもうれしいですね」。

 

北大12学部を、知る、見る、触る、そして学ぶ

ではさっそく、リニューアルした北大総合博物館を回ってみましょう。今回のリニューアルを担当した北大総合博物館准教授で理学博士の山本順司さんに案内をしてもらいました。
 

北大博物館准教授で理学博士の山本順司▲北大総合博物館准教授で理学博士の山本順司さん
 

北大総合博物館は1階~3階のフロアがあり、エレベーターや多目的トイレなども設置し、リニューアルにともない、ほぼバリアフリー化を実現しています。
 

北海道大学総合博物館の授乳室▲大学施設ですが、授乳室もしっかり完備

 
1階入口をくぐると、左側から順路がスタートです。クラーク博士らから受け継がれている札幌農学校の精神、2010年にノーベル化学賞を受賞した北海道大学名誉教授鈴木章さんの受賞記念展示など、まずは北大の歴史が紹介されています。
 

北海道大学総合博物館 クラーク博士らから受け継がれている札幌農学校の精神の展示

北海道大学総合博物館 クラーク博士らから受け継がれている札幌農学校の精神の展示

北海道大学総合博物館ノーベル化学賞を受賞した鈴木先生の記念展示コーナー▲ノーベル化学賞を受賞した鈴木章先生の記念展示コーナー
 

北海道大学総合博物館ノーベル化学賞を受賞した鈴木先生の記念展示コーナー▲鈴木章先生の研究室を再現。実はここに、ノーベル賞のメダルを自分が持っているかのように映る不思議なモニターがあります。ぜひ行って、確かめてみてください
 

「知の交流」コーナーには、80席ほどのホールがあります。ここでは市民セミナーやミニコンサートなどが行われているそうです。「宇宙ロケットの打ち上げ中継を、ここで見ることもあります」(山本さん談)。
 

北海道大学総合博物館「知の交流」コーナーのホール▲「知の交流」コーナーのホール。椅子がバラバラなのは大学施設ならではのご愛嬌
 

北海道大学総合博物館2004年の台風で倒れた北大のポプラでつくられたチェンバロ▲2004年の台風で倒れた北大構内のポプラでつくられたチェンバロ。このコンサートもホールで行われるそうです


北大の歴史を知った後は、「北大のいま」を紹介するコーナーです。ここでは、「挑戦する北大」として、まさに旬の研究内容や推進中のプロジェクトなどが紹介されています。「進行中の研究なので、まだまだ展示や情報が少ないのですが、これから更新しながら増やしていく予定です」と山本さん。

 
北大の今を伝える、北極域研究センターのコーナー▲「北大のいま」を伝える、北極域研究センターのコーナー
 

北大の今を紹介する、フード&メディカルイノベーション推進本部のコーナー▲「北大のいま」を紹介する、フード&メディカルイノベーション推進本部のコーナー。中央のパネルをタッチすると…
 

北大の今を紹介する、フード&メディカルイノベーション推進本部のコーナー▲クイズ形式になっていて、子どもたちに大人気!


そして、ここから先に北大12学部を紹介するコーナーが続きます。パネルや資料、模型の展示だけではなく、実際に触ったり、動かしたりできるものが多く、各学部の特徴や何を学べるのか、どんな研究をしているのかなど、かなり興味深く楽しめます。
 

北海道大学総合博物館医学部コーナー▲医学部にあった、内視鏡外科手術体験コーナー。実際に使っているものと同じもので、大人でも夢中になります
 

北海道大学総合博物館歯学部コーナー▲歯学部の顎模型を触る子どもたち
 

北海道大学総合博物館理学部のコーナー▲理学部のコーナー
 

北海道大学総合博物館農学部のコーナー▲農学部のコーナー
 

北海道大学総合博物館水産学部のコーナー▲水産学部のコーナー
 
 
北海道大学総合博物館産学・地域協働推進機構のコーナー▲産学・地域協働推進機構のコーナー。赤平市にある植松電機と北大で、CAMUI型ハイブリッドロケットを製作しています。まるでリアル下町ロケット!北大がこういう取組みをしていることを、博物館では知ることができます
 

北大総合博物館▲感じる展示室のコーナー。ここにはさまざまな鉱石などが展示してあり、鉱石は触って体感することができます。棚の引き出しを開けると、そこには…これは行ってからのお楽しみ♪


北大総合博物館の実物大マンモス▲迫力満点のマンモスの標本は原寸大です


ケースに入っているものもありますが、どの学部も意外なほど無造作に展示されているのに驚きます。「資料によっては保存を重視していますが、展示物によっては保存だけではなく『使う』ということを重視しています。なので、どんどん触ってもらって、使ってもらう、そういう博物館を目指しています」と山本先生は話してくれました。

 

「都ぞ弥生」に誘われて、ニッポノサウルスに会いに行こう

「都ぞ弥生」とは、有名な北大恵迪寮の寮歌で、歌は知らなくても北大=都ぞ弥生を関連付けて覚えている人は結構いるはず。博物館内を進んでいくと、その「都ぞ弥生」が足元に…。卒業生なら、歌いながら歩いてしまうかも。
 

北海道大学総合博物館都ぞ弥生▲1階から2階展示室へ向かう廊下や壁に、言葉が散らばっています
 

北海道大学総合博物館都ぞ弥生▲散らばった言葉は、都ぞ弥生の歌詞
 

1階、2階で北大の歴史、北大のいま、旬のイチオシ研究を見学したら、最後のフロア3階へ。階段が辛い人は、エレベーターで楽々3階まで行けます。
 

北海道大学総合博物館 ヒグマの剥製▲エレベーター前や階段手摺に、ぬいぐるみではなく、クマやリスの本物の剥製が…。ちなみにこのヒグマは「マリリン」と呼ばれているそうです。めんこい顔しています

 
3階は「収蔵標本の世界」というテーマで、考古遺物、医学標本、生物標本、古生物標本などが展示されています。展示室に収まりきらない鉱石や化石などは、廊下にも並べられています。「多分、北大総合博物館を真剣にじっくり見て回ったら、3時間はかかると思いますよ」と山本先生。
 

北海道大学総合博物館古生物標本のコーナー▲古生物標本のコーナー
 

北海道大学総合博物館1934年、北海道帝国大学(現北大)の長尾教授がサハリンで発掘したニッポノサウルス▲1934年、サハリンで発見され、北海道帝国大学(現北大)の長尾巧教授によって名付けられたニッポノサウルス
 

北海道大学総合博物館白亜紀に生息していた巨大ワニ、デイノスクス▲白亜紀に生息していた巨大ワニ、デイノスクス。子どもと比べたら、その大きさがよくわかります
 

取り扱っているものが大学の研究対象なだけに、実はかなりマニアック。しかし見ていると、学術資料としての訴求力がじわじわ伝わってきます。それが、大学にある博物館の醍醐味なのかもしれません。
順路を巡り、1階にたどり着くとにミュージアムラボという部屋があります。実はここは、博物館を案内してくれた山本先生が実際に隕石の分析をしている部屋。山本先生が不在の時は入れませんが、在室の時は中に入って見学することができます。
 

北海道大学総合博物館宇宙科学ラボ▲山本先生の「宇宙科学ラボ」。研究室の前室では、ラボを紹介する映像が流れています
 

北海道大学総合博物館宇宙科学ラボ▲この装置で隕石の分析をしているそうです
 

博物館活動のバックヤードが見られるミュージアムラボは、この他に考古学ラボ、化石ラボなどもあります。タイミングよく見学することができたら、かなりラッキー!

 

1日に700個売れたソフトクリームが大人気

博物館をぐるっと回ると、意外なほど時間が経っていることに驚きます。それだけ見応えがあるということかもしれません。一通り見学したら、くつろぎスペースがあるのでちょっと休憩しましょう。 


北海道大学総合博物館カフェスペース▲カフェスペースでブレイクタイム。1日に700個も売れたというソフトクリームが人気だとか
 

北海道大学総合博物館ミュージアムショップ▲カフェの向かいにはミュージアムショップがあるので、記念にお土産探しはいかが?
 

北大総合博物館では、常設展示の他、企画展示やイベント、セミナーなども行っています。HPに予定がアップされていますので、興味のある人はチェックしてみてください。
 いやー、それにしても、北大総合博物館はなまらおもしろい。一回りしたら、なんだか北大生になれたような気分になったのは、私だけ?

 

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