
北海道南西部の離島「奥尻(おくしり)島」では、毎年5月1日に海開きならぬ「しまびらき」があります。このイベントが開催されると離島の観光シーズンがスタート。自然景観や温泉、アワビなど海の幸に恵まれた奥尻島を訪れてみませんか?
奥尻島は5月1日に「しまびらき」、観光シーズンスタート
奥尻島は日本海に浮かぶ離島。島の中西部にある奥尻地区にフェリーターミナルが、南部にある青苗地区に空港があります。島をぐるりと一周するように道路があり、レンタカーなどで各所巡ることができます。
冬の半年弱はフェリーの本数も少なくなり、観光として訪れる人が少ない時期です。でも、春から秋にかけてはフェリーの便数も増え、島観光にピッタリな時期。島内の宿泊施設や飲食店や土産店、レンタカー会社もこの時期に合わせて営業準備をしているところが多いです。
「準備ができました」という島の人の合図とともに、「島を楽しんでくださいね」という歓迎の気持ちをこめて、毎年5月1日、午後のフェリーが到着する時間に合わせ14:30からイベントが開かれます。

▲フェリーターミナルでは島の皆さんが横断幕を掲げてお迎えしてくれます(写真:奥尻島観光協会提供)
会場はフェリーターミナルからすぐ近くの奥尻町海洋研修センター。奥尻島発祥の郷土料理「三平汁(さんぺいじる)」や旬の焼き物セットなどが無料でふるまわれるほか、アワビなどが格安で販売されます。さらに、江差追分全国大会で優勝したKAZUMIさんのライブをはじめ、ステージショーやビンゴ大会なども開かれます。イベントの最後には、地元の中学生による餅まきもあります。

▲昨年のもちまきの様子(写真:奥尻島観光協会提供)
上陸してさてこれから観光、という前に小腹も満たされ、この後泊まる宿のご飯食べられるカナ…と一瞬不安になりますが、せっかくの機会なので島ならではの味を楽しみましょう。島を出る時には体重が1、2キロ増えているカモ…!?
島の味覚を楽しめるのとともに、島の人たちのおもてなしの気持ちと心遣いを感じるイベント。5月1日に島を訪れるという皆さんはラッキーですヨ。
もちろん5月2日以降に訪れても、とっても魅力的。綺麗な景観と美味しい食と素敵な島の人が待っています。
Q:奥尻島ってどんなところ? A:独特な自然景観や温泉を楽しめます
奥尻島の魅力の1つは自然景観。海岸線沿いに広がる奇岩怪石など、島の各地で特異な風景を眺めることができます。
島の東側では、海から突き出た岩山の上に建つ弁天宮が見えます。宮津弁天宮といいます。なんでこんな場所に弁天宮!?と思うような立地ですが、お参りに行くこともできます。でも、ながーい階段が待ち構えているので覚悟して…!?

▲海から突き出た岩山の上に建つ「宮津弁天宮」
島の北端には稲穂岬があり、「賽の河原」という霊場になっています。海辺には石積みがずらっと広がり、かなり特異な光景です。さいはて感いっぱいのスポットです。

▲稲穂岬にある賽の河原公園。6月下旬に法要祭「賽の河原祭」が開かれます。漁師の奥さんが切り盛りする飲食店兼お土産店もあります
島の西側は車窓に奇岩や小さい無人島がいくつも現れる、絶好のシーサイドドライブルート。さらに、島唯一の温泉地もあります。日帰り入浴専用の公共浴場が1軒、団体宿泊も可能な温泉ホテルが1軒あり、ともに茶褐色のお湯で源泉かけ流し。お肌をパックするかのように保湿感とポカポカ感が長持ちする、いい湯ですヨ。

▲島唯一の温泉ホテル、湯ノ浜温泉ホテル緑館の露天風呂
Q:奥尻島の食事は海の幸? A:もちろん!でも食べるだけではありません!
離島に来たからには、海の幸は外せません。ウニやアワビなど高級食材も手頃な値段で気軽にたっぷり味わえます。ほかにもイカ、ホッケ、ソイなど時期により新鮮な素材を美味しく食べられます。

▲奥尻地区にある「叶寿司(きょうずし)」のホッケのしゃぶしゃぶ(時期・水揚げ状況による)
お店で食べるだけではなく、海で獲ったアワビをその場で食べることも!
島の南部、青苗地区ではアワビ狩り体験(要予約 奥尻島観光協会01397-2-3456)を楽しめます。船に乗り自分で獲ったばかりのアワビをパクっと、頂きます。他ではなかなか堪能できない、究極の新鮮さを楽しめます。そして、何よりも地元の漁師さんと触れあえることが何とも貴重な経験。きっといい想い出になるはずです。

▲「ん~めぇぞ~」と言いながら、島のお母さんがさばいてくれました
今年も島観光の季節がやってきました。皆さん、奥尻島を訪ねてみませんか?美しい自然と美味しい食と素敵な方々が待っていますヨ!

▲奥尻島のゆるキャラ「うにまる」もフェリーターミナルでお出迎え
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写真・文/北海道Likersフォトライター nobuカワシマ
http://www.no-1-travel.com/
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