豊富町の放牧牛の牛乳でつくったジェラート。「工房レティエ」

稚内市の南に位置する豊富町。その町の5件の農家が共同出資し、牛乳の生産から加工・製造・販売までを一貫して手がけるというシステムで、2000年から活動をしているのが「工房レティエ」です。





代表で自らも酪農を営む久世薫嗣さんに話を伺いました。
「私は兵庫県で長年牛乳関係の仕事に携わっていました。放牧して飼育する牛の牛乳にずっとこだわっていたのですが、放牧牛がだんだん少なくなってきた頃から『自分でやりたい!』と思いはじめ、平成元年に北海道に移り住んだのが始まりです」。

「久世牧場」では、広大な草地で牛が自由気ままに草を食んでいます。
久世さんによると「豊富町はサロベツ原野と宗谷丘陵をかかえる壮大な酪農地帯で、大規模な草地で牛を放牧しています。放牧牛とそうでない牛とでは、牛乳の味が全く違うんですよ。豊富の牛乳は甘ったるくなく、さらっとしているのが特徴です」とのこと。

その放牧牛の牛乳を使い、「工房レティエ」では、チーズとジェラートをつくっています。今回ご紹介するのは、ジェラート。





子供が安心して食べることができる本当のアイスクリームをつくりたいという思いから始めたそうです。「赤ちゃんが最初に食べるアイスが、うちのアイスなら嬉しい。最初の味は、一生覚えているものですから」と久世さん。

「工房レティエ」のジェラートは、豊富産の牛乳、そこからつくった生クリーム、そしてビート糖を極力少な目にし、平飼いの有精卵の卵の黄身だけでつくります。取材時は、6種類の味がありました(季節で変わることがあります)。








シンプルなミルク味を一口食べると、ストレートな牛乳の味と香り。そして、なめらかに、すーっと喉を通ります。こんなにも素直な牛乳味のジェラートは、食べたことがありません!そして、たいていソフトクリームやアイスクリームを食べると、後から喉が渇くことが多いのですが、素材がサラリとしているからか、食べても喉が渇きません。





「うちのお客さんは、口コミやリピーターさんが多いですね。2010年からカフェもオープンし、チーズの食べ方なども提案しています。ちょっとわかりづらいところですが、わざわざここまで来て食べて欲しいのには、『この風景もセット』という意味もあるんですよ」(久世さん談)。





看板を見落とすと行き過ぎてしまいそうな、小さな小さな工房です。しかし、地元の酪農家たちが、自分たちで育てた牛、自分たちでしぼった牛乳で、丁寧に、手間暇かけてつくっているチーズやジェラートは、ここならでは!ぜひ、現地まで足を運んで、一度は食べてもらいたい逸品です。

今回はジェラートを紹介しましたが、ラクレットやモッツァレラなど様々なチーズもつくっているので、HPものぞいてみてくださいね。