北海道リゾート発祥の地!?大沼国定公園じゅんさい沼

大沼国定公園の見どころは、やはり秀峰「駒ヶ岳」(こまがたけ)。
写真は大沼から見る駒ヶ岳です。キレイですね。

 

 
大沼と駒ヶ岳は、先日世界文化遺産に登録された静岡県の「三保の松原」、大分県の「耶馬溪」とともに、新日本三景のひとつに選ばれています。
 
大沼国定公園周辺は、明治37(1904)年に道立公園として整備され、この頃に大沼と小沼の間を通る鉄道も敷かれたことで名勝地として発展してきました。
 
 

 
現在では大沼公園駅周辺を中心としてにぎわいを見せていますが、鉄道が敷かれる前は「じゅんさい沼」の方が名勝地として知られていたそうです。
 
それではここから、じゅんさい沼の歴史と魅力を探っていきましょう!
 
国道5号線を車で走ると、じゅんさい沼の入口看板が見えてきました。
車を数台停めることのできる駐車場もあります。
すぐ目に入ってくるのが「明治天皇行幸碑」と「明治天皇蓴菜沼小休所」の看板。

 

 
看板の説明によると、明治5(1872)年にじゅんさい沼湖畔を通る札幌本道(今の国道5号線)が完成。この場所に「八王子千人同心」として七飯村に入植した宮崎重兵衛という人が旅館を建てたことを発端に、名勝地として知られるようになり、外国人の遊来などでにぎわいを見せたそうです。
 
函館港の開港が安政2(1855)年。函館から約20㎞ほどの大沼国定公園付近は、外国人の遊歩地区に指定されていたようです。
「北海道リゾート発祥の地」と言われる所以は、函館港開港にあったのですね。
 
イギリスの紀行作家イザベラ・バードが書いた『日本奥地紀行』にも、じゅんさい沼の様子が記されています。明治11(1878)年頃、彼女も宮崎旅館に宿泊したと考えられています。
 
また、明治14(1881)年の明治天皇北海道巡幸の際にはじゅんさい沼が小休所となり、「重兵衛は沼のコイやジュンサイを天覧に供した」とあります。
天皇の巡幸には何百人もの供奉者が付き、さぞかし壮観だったことでしょう。
ちなみに、宮崎旅館はすでにありませんが、この看板と石碑の裏側に建てられていたそうです。
 
じゅんさい沼の歴史を見知できたところで、湖畔に向かいます。
うららかな夏の1日。静かでのんびりとした気分になります。
天気の良い日には、じゅんさい沼からも駒ヶ岳を見ることができます。
 
 

 
先に進むと東屋が見えてきました。
湧き水「御前水」です。明治天皇が森から函館に向かう途中の小休所としてこの水を飲んだことから名づけられ、今でもその水源を残しているそうです(現在は水を飲むことはできません!!)。

 
 

 
東屋の下にある水源です。よーく見ると底の方で砂が揺れ動いており、こんこんと湧き出しているのが分かります。
この水は数十メートル先のじゅんさい沼に流れています。
 
じゅんさい沼は、良質な「じゅんさい」が採れることからその名が付けられたそうです。
若芽は日本料理に使われる大変貴重な食材です。
7月は漁のシーズンですが、残念ながら漁風景を見ることはできません。
大沼公園駅付近の土産店にはビン詰めのじゅんさいが販売されていますので、ぜひお土産にどうぞ。

 
(写真提供:七飯大沼国際観光コンベンション協会)

 
神秘的でのどかなじゅんさい沼は「明鏡止水」(曇りの無い鏡のような澄んだ水面、澄み切って落ち着いた雰囲気)とも呼ばれています。
また、函館開港以降にぎわいを見せたという歴史を感じさせてくれる場所でもあります。
静寂な時間を過ごしたい方、北海道の歴史に興味のある方は、じゅんさい沼まで足を運んでみてはいかがでしょうか。