天国を作った男 三島和夫 ~ 三島さんの芝ざくら庭園

倶知安(くっちゃん)町の駅の裏に、世界中から人が集まる場所がある。それは三島和夫さんの家の庭だ。
 
 
 
 
ここは5月下旬から6月中旬にかけて、あまりに見事な芝ざくらに覆われる。
 
三島さんが1人で地道に地道に苗を育て、ここまで増やしたのだ。苗は一切買わず、全て自分で育てたものを新たに植えて。そして、それはなおも増え続けている。
 
三島さん「命落とすまで植え続けます」
 
 
 
 
 
 
三島さんはもともと細々と野菜などを作っていた農家だった。
約10年前に完全に仕事を引退したのを機に、畑が荒れるのを防ぐために芝ざくらを植え始めた。
 
「ある日ふと思いついたんです。小さな山を作って、芝桜を植えて・・・。なんていうか天国というか、そんなイメージが湧いて。こんなに人が来るならもっと計画立てて作れば良かったです」
 
観光客が来始めたのは、作り出して約3年後。新聞に紹介されたのがきっかけだった。それからはマスコミなどの取材が増えたことや、口コミの影響で毎年右肩上がりで増え続けている。観光バスも来るようになり、現在は倶知安町役場が観光客の窓口になっている。
 
「たまに、芝ざくらに見とれて、それこそ天国の世界にじ~っとひたっている人がいるんです。そういう人を見ると自分も幸せになれるんです」
 
 
 
 
この庭は、あくまで無料で一般開放している。最近は自宅のトイレまで無料開放するようになった。相当な数の車が自宅の周りをうろうろすることになるが、三島さんは気にしない。
 
「無料なんだからクレームが来ることもないし、皆さんマナーも守ってくれます。僕は一人旅によく出るんです。そして、旅先で色んな人と話すのが大好きなんです。だから、全国からここを訪れる人とお話しするのが最高の楽しみなんです」
 
 

 
ある日「ここで結婚式の写真を撮りたい」というカップルが来たことがあった。
 
「ウェディングドレスなどは持ってきていたけど、ブーケットを持っていなかったので、庭に咲いていた花で急遽ブーケットを作ってプレゼントしてあげました」
 
その時のカップルがどれだけ喜んだことだろうか。
 
あくまで無料で開放することにこだわり、旅人を歓迎し、自宅のトイレを開放し、駐車場を作り、新郎新婦には幸せをプレゼントする。
 
もしも、本当に天国があるのなら、きっとこういう場所なのだろう。