ここにしかない、北海道ガーデンをつくるひと。上野ファームの「上野砂由紀」

旭川の農家に生まれ、イギリスでイングリッシュガーデンを知り、今、北海道にしかない、北海道でしかできない庭づくりをしているひと。それが、上野ファームの上野砂由紀さんです。

 
北海道Likersで紹介した上野ファームはこちらから↓
北海道でしか見られないものが、ここにある。「上野ファーム」
 
 
 
「札幌の大学を卒業して、そのまま札幌で仕事をしていたのですが、ある時地下鉄でイギリスのガーデン研修プログラムの広告を見て、2000年にイギリスに渡ったがすべての始まりでした」と上野さん。
 
イギリスで本場のイングリッシュガーデンを見て、上野さんは大きな衝撃を受けたそうです。
 
「花の名前も、何も知らないという状況でしたが、『このイギリスの庭を北海道につくりたい!』という強い想いだけで、のめり込んでいきました」(上野さん談)。
 
 
 
 
帰国後、本格的にイングリッシュガーデンを始めたところ、口コミで広がり、毎年5万人以上もの人が訪れるようになりました。
 
ここまで来るまでは、いろいろ試行錯誤もあったのでは?
 
「イギリス風とうたっていましたが、5~6年経った頃、私は本場を見て知っているだけに、どれだけつくり込んでもイギリスと同じにはならないことに気づきました。気候は似ているけど、イギリスと北海道では歴史や文化・風土が全く違う。では、自分のつくっている庭は何だろう?と考えるようになったきっかけは、道外のお客様の声だったんです」(上野さん談)。
 
 
 
※写真提供:上野ファーム
 
 
道外では、梅、桜、チューリップと、順番に開花しますが、北海道は雪解けから一斉に芽吹き、開花します。
また、同じ花でも、北海道のように冷涼な気候を持つ地域と、温度や湿度が高い地域では育ち方が異なるものがあるとか。
 
「きっかけはルピナス。東京のルピナスより、ずっと大きくて、ずっときれい!と言われて、自分が当たり前だと思っていた庭は、実は当たり前じゃなくて、他の地域では真似ができないんだ!と気づきました。イギリスみたいな庭!って、背伸びして力が入っていたんでしょうね。そこからストンとツキが落ちたみたいで、以来、北海道の気候風土が育てる庭、北国でしか見せられない庭でいいじゃない、と思うようになりました」。
 
 
※写真提供:上野ファーム
 
バラとアジサイが同時に咲いているのは、道産子の私たちには見慣れた風景ですが、道外から来た人にはとても不思議に映るそうです。
 
また、北海道ならではの寒暖の差が、発色を良くし、より鮮やかな色の花になるそう。
デルフィニュームのような耐暑性のない花は、温度や湿度が高い地域では溶けてしまう(びっくり!)らしく、そういうところではイングリッシュガーデンの再現が難しいそうです。
 
 
 
 
最後に上野さんは言いました。
 
「道外の人の声のおかげで、ここにしかない、ここでしかできない『北海道ガーデン』を見つけられました。これからも、北国の庭の良さを発信していきたい。そして庭は、花を見せるだけではなく、人と人を結ぶ役割もあると思うんです。花をきかっけに、地元の農産物を売る場を設けたり、庭をステージにコンサートを開いたり、いろいろなことができます。そういうことを、ここ北海道からどんどん発信していきたいです!」。
 


 
「草花は人間の思い通りにはならない。植物との付き合いは、もどかしくて、大変!凹むこともあるけれど、たくさんの人に見られるプレッシャーをあえて意識したい」という上野さんの庭は、まさにこれからが見ごろ。
 
「日本は北と南で気候が大きく異なり、それによって、そこで育つ植物や、同じ花でも開花期が違います。それぞれが、それぞれの地域の特徴になっているのだと思います」(上野さん談)。
 
北海道の気候風土に根ざし、季節ごとに異なる姿を見せる上野さんの「北海道ガーデン」を、ぜひ、本場で楽しみませんか?