謎の暗号「10。5、3、2」とは!?「加藤ラーメン」

旭川市の住宅街。一見普通の民家に見える建物の地下に一歩足を踏み込むと、プーンと小麦粉の匂いが漂ってきました。ここは、旭川ラーメンの元祖、「加藤ラーメン」。
1947(昭和22)年の創業から守り続けている製法で麺をつくっている会社です。
 
 

 
その、こだわりの麺づくりについて、代表取締役社長 加藤紀人さんに話をうかがいました。
 
 

 
「元来、麺は小麦粉を練り上げてつくる単純なもので、保存料などは入っていなかったと思います。しかし、時代と共に麺も進化します。その過程で、さまざまな添加物が加えられてきました。ただ、うちの麺は違う。『進化しても余分なものは入れない』という教えを頑なに守ってきました」。
 
とは言いながらも、よりおいしい麺を追究する上で、改善は加えられています。
 
小麦粉と合わせる水には、ただの水ではなく、道産ホタテの貝殻由来の水溶液(貝殻焼成カルシウム)を使用。
大量に廃棄されゴミになっていた貝殻の有効利用です。
 
この水溶液には、優れた除菌・抗菌効果があり、強いアルカリ性のため麺の日持ちが向上。
さらに麺にコシが出るというメリットがあるそうです。
 
 

 
加藤ラーメンの大きな特徴は、「加水率」。
麺をつくる時は、小麦粉に水を加えて伸ばしますが、その加水率が驚くほど低く、実際に触ってみたところ、どこに水分があるんだろうと思うくらい粉がパッサパサ。
 
こんなんで、本当に麺生地が伸びるんですか?と尋ねたところ、
 
「それが、創業以来守り続けてきた技術であり、職人の技です」
 
と加藤さん。
 

 
 

 
案内された製麺工場は入った瞬間小麦粉の匂いがプ~ン。
その工場は地下にあるのですが、それには理由がありました。
 
「地上は温度差が激しい。地下は温度が一定で、安定している。小麦粉と水を混ぜる時には、朝、昼、夕方で加水率を微妙に変えている。それくらい麺づくりは繊細なんですよ」(加藤さん談)。
 
 
 

 
「小麦粉+水、そこに添加物などいろいろ加えたら、当然麺はどんどん伸びます。が、麺本来の風味がなくなってしまう。ほら、この麺、ちょっと匂いを嗅いでみて」
 
と加藤さんに渡された麺を嗅いでみると、びっくりするくらい小麦粉の香り!
 
 

 
余分なものが入っていないので、麺がスープをよく吸うそうです。
そうすることで、スープと麺が一体化し、各ラーメン店のスープをより引き立てるとか。
 
 
 

 


取材中、近所の方が麺を買いに来ました。
それはまるで、豆腐屋に豆腐を買いにきているみたいな感じ。
 
そこで交わされた謎の会話が、「10。5、3、2」。
これは、「麺10個。スープの素が醤油5、味噌3、塩2」という意味。
 
「うちの麺は、10個入1袋で売っています。スープも3種類あり、醤油、味噌、塩の順番でオーダーするというのが加藤流。
だから、10、2、2、6とか、20、10、5、5とか、数字でお客さんの欲しいものがわかるんですよ」と加藤さんが教えてくれました。
 
 

 
道内のラーメン店は、製麺所から「のれん」を贈られることが多く、のれんの店名の端に「●●製麺」等、その店が使っている製麺所の名前が入っています。
 
北海道でラーメン屋を探す時、のれんに「加藤ラーメン」の名前を見つけたら、これはもうイチオシですよ!