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公開 | わたなべひろみ

海から魚がいなくなる?! 海を守るため立ち上がる蝦夷新鮮組!

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北海道と言えば、美味しいもの! 
中でも新鮮で豊富な魚介類を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

ところが、今、北海道の海に異変が起きています。
獲れるはずの魚が少なくなり、今まで見かけたことのない魚の姿が見られることも。
そんな海の変化と、美味しく魚を食べ続けられる未来のために立ち上がった漁師たちがいます。

「一般社団法人蝦夷新鮮組(以下、蝦夷新鮮組)」は北海道の若手漁師を中心とした組織です。
 
蝦夷新鮮組が目指すことを、2019年3月8日に札幌で行われた発足式の模様を交えてお伝えします。

 

北海道から漁業維新を! カラフルな胴長の漁師が決意を

2019年3月8日、ススキノの一角のとある居酒屋。
30人あまりの人々が続々と集まってきます。


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出迎えるのは、赤、青、緑、黄色とカラフルな胴長を身に着けた男たちです。
彼らの職業は漁師。
普段は船に乗り、命がけで海と向き合っています。
 
これまで、流通の表舞台に出てくることがほとんどなかった彼らが、獲った魚やタコなどを携え、自分たちのこれまで、これからやっていきたいことを自分の言葉で語り始めました。
 
蝦夷新鮮組は八雲町落部(おとしべ)の舘岡勇樹さん、焼尻島の髙松亮輔さん、苫前町の小笠原宏一さん、森町砂原の吉岡奨悟さんの、29歳から30代の若手漁師、函館市の小西鮮魚店を営む小西一人さん、学者である大串伸吾さん、漁業プロデューサーの舘岡志保さん他8人のメンバーで構成されています。


入稿記事の△部をここに入れます▲左から、舘岡勇樹さん、髙松亮輔さん、小笠原宏一さん、吉岡奨悟さん
 

発足式では、これから掲げていく理念
 
「北海道から漁業維新を 海と魚と消費者に『義』を志す!」
 
の発表から始まり、メンバーがそれぞれの立場から、現在の漁業に対する思いと今後の展望を決意表明として発表していきます。


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発足式に続いて交流イベントに突入。この日の特別メニューが運ばれてきました。
 
舘岡さん、高松さん、小笠原さん、吉岡さんが自ら獲ってきた、ボタン海老、ソイ、タコ、ホッケ、ニシンなどを、プロの料理人が工夫を凝らして調理したものです。


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鮮度はもちろん抜群、さらに、火の通し方、調味料の加減、合わせる材料によって、甘みが増したり、絶妙の歯ごたえになったりと素材の良さを引き立てています。


入稿記事の△部をここに入れます▲舘岡さんのボタン海老。さっと炙ってあります。


入稿記事の△部をここに入れます▲噴火湾産の牡蠣はここ数年で育て始めたばかり。


入稿記事の△部をここに入れます▲高松さんの一本釣りのソイ。いずれも神経〆だが、水揚げしたのが数日前と前日のものとの2種。身の締まり具合が違う。真ん中は吉岡さんのニシンのレモン〆。


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入稿記事の△部をここに入れます▲目の前で仕上げられた小笠原さんのタコのタコ飯。


入稿記事の△部をここに入れます▲吉岡さんのホッケはレアで、出汁で風味づけされたポテトサラダの中に。

 
新しい料理が運ばれるたびに歓声の上がる各テーブルへ、メンバーが入れ代わり立ち代わり訪れ、魚についての説明、漁の方法、神経〆の加減についてなどに熱弁を奮い、専門的、学術的な話から、味の好みによって変わる魚の扱い方まで、話題が尽きません。


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3時間余りに渡った発足式、交流イベントは熱気が鎮まることなく、大盛況のうちにお開きとなりました。

 

変わっていく海を守るために

北海道の豊かな海の幸はずっと、遠い未来まであり続けるもの……そう思っている人は多いことでしょう。
 
しかし、実際のところ海は年々、変化し続けているのです。
 
乱獲や海水温の変化により、魚の量は年々減り、それまで見たことのないような、その地域よりも南方に生息する魚が獲れるようにもなってきているのだそうです。
 
休漁の時期以外は、毎日のように海と向き合っている漁師は、そのように海が激変していく様子を肌で感じています。
 
また、若手の漁師が減っていく中、これまでのようにただ水揚げをした魚を組合に納めればそれでおしまい……そんな仕事の仕方を続けていくだけで、本当に良いのだろうか。
 
自分たちが命をかけて獲ってきた魚の良さをもっと多くの人に伝えたい。
 
そんな思いを漁師たちはそれぞれの漁場で抱えていたのです。

 
蝦夷新鮮組を発足するに至ったきっかけは東京で行われた「出る杭漁師の会」でした。


入稿記事の△部をここに入れます▲緊張の中にも和やかな様子が

 
「漁師を応援しよう!意欲的な漁師になろう!」という考えを持って開かれたこの会には、持続可能な漁業を目指す漁師や水産関係者が全国から集まりました。

この会に北海道から参加した舘岡志保さん、髙松さんは思いを新たにし、「北海道出る杭漁師の会」を立ち上げます。その発足式で蝦夷新鮮組のメンバーは出会いました。
 
北海道各地から参加した彼らはお互い、それぞれの地域で同じような不安、悩みを持っていたことを知り、しがらみにとらわれず、消費者と漁業を繋げ既存の漁業をひっくり返そうという意思の元、蝦夷新鮮組を発足することを決めたそうです。そして、始めるにあたっての足場を固めるため、法人化することも決意したといいます。 

 

漁師と消費者を繋ぎたい

漁業プロデューサーとして、蝦夷新鮮組をまとめる舘岡志保さんはこう話します。


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「現在の海の変化は、待ったなしの状態です。このままいくと、海水温の上昇、乱獲、環境汚染などで2050年には海から、食べられる魚がいなくなってしまうとも言われています。
 
では、漁業、漁師と聞いてどんなことを思いつきますか?

消費者の皆さんはお店で魚を買ったり、居酒屋で魚料理を食べたりして、『この魚を海から獲ってきた漁師はどんな人だろう?』と、想像することはほとんどないのではないかと思います。そして、漁師のイメージと言えば『無口でごつくて怖い』といったものではないでしょうか?(笑)。
 
一方、漁師の側も、海で魚を獲ることだけをひたすらやってきたという方が多く、流通業界や実際に魚を食べる消費者と直に接するということはほとんどなかった。
 
でも、今の海の変化に対する危機感や、地域の漁業が衰退していく不安を、若手の漁師ほどひしひしと感じています。ただ、それを解決していくために具体的にどうしていったらいいのかがわからず、もがいているような状況が多いのです。
 
そこで、蝦夷新鮮組では、まずは漁師が変わること、そして、漁師が変わることによって、消費者の漁師や漁業に対する見方を変えてもらい、共にこの先も豊かな海を守り続けていくことを目指します。
 

まずは自分たちの獲ってきた魚を大切にすること。自分たちの海を豊かなまま保つためにはどうしたらよいか、研究者と連携して考え、対策していくことも進めていきます。
 
安心安全な魚を一番良い状態で消費者の元に届けられるよう、神経〆のやり方の工夫や、オリジナルの製品として加工することなども行います。
 
また、今回の発足式のような消費者との交流イベントを積極的に行い、消費者の方たちと漁師とが、直接出会える場を作っていきたいです。
 
もっと魚や海のことを知ってもらう、どんな漁師が、どんな風にその魚を獲っているのかがわかるような関係を築いていきたいですね。
 
農産物では、『農家さんの顔の見える野菜』というのは、今や当たり前になっているではないですか。それの漁師版をやりたいのです。『漁師の顔が見える魚』を消費者の皆さんと共有していきたいです。
 
今回の発足にあたり、魚を売る側の鮮魚店さん、研究者の方にもご賛同いただき、スタートしましたが、もっと、志を共にする漁師の方々や流通業者さんなど、たくさんの仲間を増やしていきたいと思っています。
もちろん、消費者の皆さんも仲間です!」


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初めて伺った海の現状は、かなりショックでした。
 
でも、それをそのまま見過ごすのではなく、今すぐに行動を起こしていくことで、この先も北海道の豊かな海、美味しい海の幸を守ることができるでしょう。
 
蝦夷新鮮組の活動は始まったばかりです。今後に期待するとともに、私たちも、魚の消費者として、学び、未来の海のために自分たちができることを考えていきたいものです。

 

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一般社団法人蝦夷新鮮組
 
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