夕張の歴史を静かに語る。「滝の上発電所」

滝の上発電所は、1925年(大正14年)、北海道炭礦汽船㈱が炭鉱の自家発電設備として建設したものです。レンガ造りの重厚感のあるたたずまいは、2001(平成13)年に北海道遺産「空知の炭鉱関連施設と生活文化」の一部に選定されました。 
 
 

 
1994(平成6)年に、北海道企業局に譲渡され、2010(平成22)年まで、水力発電所として稼働していました。約480世帯が1年間使えるくらいの発電量があったそうです。現在は、平成27年の運用再開(予定)に向けて改修工事中です。
 
「水力発電は、一度つくると、きちんとメンテナンスをすれば長く使うことができます。ここは、その良い事例ですね」と話してくれたのは、北海道企業局夕張川発電管理事務所の泉山さん。 

 

 
今回は、撮影のため特別に建物の中まで入れてもらいましたが、一般の方は外からの見学になります。それでも、80年以上の歴史を刻んだ堂々たる風格を感じることはできます。 
 
建物正面の大きな窓の上側にある星のマークは、北炭の社章です。赤いステンドグラスに、夕張を支えた企業の誇りが現れているようです。 

 

 
ところで、外壁のレンガがところどころ、黒くなっているのがわかりますか?墨か、それこそ石炭で塗りつぶした跡のような…。 
 
「戦時中、米軍の飛行機からカモフラージュするために、レンガを真っ黒に塗りつぶしたと聞いています」(泉山さん談)。

 

 
大正、昭和、平成と、時代と共に移り変わる夕張の姿を、静かに見続けてきた滝の上発電所。紅葉で有名な「滝の上公園」の園内にあるので、これからの季節は、紅葉の錦とレンガの見事な調和が楽しめます。