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公開 | 木村健太郎

雪国なら手軽にできます!札幌で生まれた「スノーホッケー」とはどんなスポーツ?

雪国のみなさん、札幌発祥のウインタースポーツ「スノーホッケー」を始めてみませんか?札幌市の教育委員会が中心となり昭和58(1983)年に誕生させた比較的新しい競技です。北海道全域や雪国なら子供から大人まで気軽に楽しめるスポーツですが、誕生から40年近い現在でもイマイチ認知度が低い気が…。そこで、スノーホッケーの魅力やルール、大会の様子まで一挙ご紹介します!
 
 
▲1月27日の(札幌市)東区大会小学6年生の部の試合のひとコマです
 
 

広場があれば簡単!小学生のために生まれたスポーツ 

スノーホッケーは、パッと見は雪上のアイスホッケーやグランドホッケーという印象です。雪を整地したコートで「レッツ」と呼ばれるミニスキーをシューズの上から履いてスティックでボールを動かし、得点を競うスポーツです。
 
昭和57(1982)年2月、当時の板垣武四郎札幌市長の提唱により開催された、北方都市会議での検討内容にヒントを得て、前述のアイスホッケー、グランドホッケー、サッカー等をモチーフに、市内の小学校7校、中学校2校に試作品の道具を配布し実地研究を行い、小学生の体格に合わせるように改良を重ねた末、翌58(1983)年10月に完成しました。
 
 
▲スノーホッケーで使う用具です手前から「レッツ」(45~48㎝)という専用スキー、スティック(95~98㎝)、ゴム製ボール(6~7㎝)です
 
 
使う道具はすべて競技用に開発されました。特徴的なのは「レッツ」です。北海道や雪国の40代以上の皆さん、写真をご覧になって、子供の頃遊んだミニスキーを思い出しませんか?それとプラスチック製ソリ(北海道ではボブスレーと呼んでます)をミックスしたような姿ですね。
 
 
▲レッツを履いた状態。足首までを覆い縛って固定します
 
 
ミニスキーよりエッジが弱く滑りやすいので、コントロールするには技術が必要です。
 
ボールは子供用のゴムボールを想像してください。ただ、冬場の気温ではかなり硬くなります。
 
スノーホッケー競技規則改訂版には「積雪地のグラウンドや広場で簡単に誰とでも取り組めるスポーツ。大変運動量があり、持久力、脚力、敏捷性、巧緻性の発達に効果があり、協調性、責任感の涵養に効果があります(抜粋)」と特徴が紹介されています。
 
 
▲雪の上なので転んでも痛くなさそう。子供たちもイキイキとプレーしています
 
 
北海道・札幌スノーホッケー協会の波多野陽事務局長は「小学生は初めてスティックを持つので、運動能力による競技力の差があまり出ません。体育や運動が苦手な子供にも優しいスポーツです」と付け加えてくれました。
 
また、実はスポーツを始めるのに大事なのですが、道具が安いということです。どんなスポーツでも道具やユニフォームを揃えるにはそれなりのお金が必要です。しかし、スノーホッケーはレッツとスティックで6,000円ほど。ユニフォームは特に規則はなく一般的な冬用ウェアでOK。敷居が低いスポーツだとわかると思います。
 
 

ゴールエリア周辺のプレーがカギ?スノーホッケーのルール

コートは横20~25m、縦30~35m、ゴールマウスは横2m、縦1m。競技選手は7人、中学生以上の一般の部は危険性軽減のため6人で編成されます。そのうち1人が専任のゴールキーパー(GK)となり、縦3m、横6mのゴールエリア内のみのプレーとなります。
 
 
▲コート造りやゴールネットの組み立ては大会前日に選手や大会役員が手作業で行います
 
 
アイスホッケーやフットサルのようなパワープレー(GKが攻撃に参加すること)はありません。また、サッカーのようなオフサイドルールもないためゴール前にフォワード(FW)を1人は張り付かせ、逆にディフェンスもゴール前に必ず1人は残すシステムに自然となります。
 
波多野陽事務局長は「競技の初期はオフサイドもありましたが、小学生には理解が難しいので無くしたようです。また、オフサイドなしの方が、運動が苦手な選手をゴール前に置いて、シュートを打たせてあげることもできます」と説明してくれました。
 
 
▲試合はセンターサークル内で審判が落下させたボールを取りあうフェイスオフから始まります。アイスホッケーと同じです
 
 
試合時間は前後半各15分でハーフタイムは1分。筆者が取材した東区大会は10分ハーフで行われていました。選手交代は自由で制限はありません。前後半にそれぞれ1回(1分間)ずつタイムアウトを取ることができます。
 
ボールがサイドラインやゴールラインを割った時は、サッカーと似ています。反則は相手をスティックで引っ掻けたり、叩いたり、意図的に相手を押したり、ボールを足で蹴ることも反則です。
 
 
▲一般男子ともなるとスピーディーな展開となり、コンタクトもハードになります
 
 
またスティックを腰から上へ振り上げた時も「ハイスティック」という反則になります。これらの反則は反則地点から相手ボールでプレー再開となります。
 
 
▲浮き球は手でコントロールしはたき落とすことが可能ですが、完全なキャッチは反則です
 
 
スノーホッケー独自のルールと思われるのはゴールエリア付近のプレーですね。攻撃プレーヤーが相手ゴールエリアに侵入してのシュートは認められず、スティックだけエリア内に入っても反則となります。
 
 
▲ゴールエリア周辺、内部でプレーヤーは繊細なプレーが求められます。
 
 
GKはゴールヒット(サッカーのゴールキックと同意)でゴールエリア内では5秒間は何度でもボールタッチが可能です。ですが、ゴールエリアを出たボールに触った場合(2度打ち)、ゴールマークヒット(サッカーでいうPK)を相手に与えてしまいます。
 
ゴールエリア周辺は審判も細心のジャッジを求められますね!
 
前後半で同点の場合、ゴールマークヒット合戦(PK戦)で勝負を決めます。
 
 
▲ロープがゴールエリアで赤いペイントはゴールマークで、ゴールマークヒット地点です
 
 
実際筆者が取材した試合でもゴールマークヒット合戦が行われました。かなりのスピードでシュートが飛んでくるので、GKはサッカー並みに難しいセービングとなります。
 
 
▲ゴールマークヒット合戦の光景です
 
 
▲ゴールマークヒットを決め勝利し、喜びを爆発させています
 
 

雪国や北海道の人にオススメ!のスポーツ

さて実際の競技はどうでしょう?筆者は札幌市東区の「さとらんど」で行われた「第36回東区大会」を取材しました。5年男子の部、6年男子の部が3チーム、6年女子の部が2チーム。一般男子が10チーム、一般女子が3チームでそれぞれ優勝が争われました。
 
 
やはり、熱気を帯びるのは一般男子の部。準決勝以上の試合はテクニック、スピード感、激しいコンタクトは手に汗握るプレーの連続。戦い方やディフェンスがしっかりするので攻撃側も簡単にはフリーでシュートが打てず、ロースコアの試合になりやすいようです。
 
 
▲一般男子のシュートシーンはさすがに迫力満点です!
 
 
一般の部になると相手のチャージが利かない浮き球がプレーの鍵を握ります。その浮き球の落ち際をダイレクトではたき、ゴール前のFWにパスするという高等プレーなどには場内からどよめきが起こりました。
 
決勝戦はともに優勝候補の山本歯科クリニックとブレイブナイツが対戦。
 
 
▲試合前に円陣を組み気合を入れるブレイブナイツの皆さん
 
 
優勝したのは山本歯科クリニック。お互い力の拮抗した戦いの末、前半に挙げた虎の子の1点を守り切って優勝しました!
 
 
▲決勝戦で先制ゴールを挙げ喜ぶ山本歯科クリニックの皆さん。これが決勝点に
 
 
山本歯科クリニックはスノーホッケー最大の大会「札幌市長杯」の前年度チャンピオンであり、今季は連覇を目指すことになります。
 
同チームの山本寛也主将はスノーホッケーの魅力を「すべてがうまくいかないところですね」と語ります。雪上だけにコートは凸凹でイレギュラーが多く、天候や積雪によりコート上の雪質やコンディションも常に変化し、レッツも横滑りしやすい。
 
確かに、これらの不確実性はほかのスポーツにはないもので、少しでもコントロールしたチームが勝利に近づくのかも!
 
取材しても楽しさや激しさが伝わり、老若男女が気軽に楽しめるスポーツということを実感しました。子供だけではなく、冬場は運動不足になる大人にもオススメできます。
 
しかし、一般的に浸透しているとは言い難く、実際に競技人口は特に子供が減ってきているとか。東区大会でも子供のチームは少なく、昔から続けている一般チームが多い状態です。
 
2月17日に札幌市円山競技場で行われる「札幌市長杯」の登録人数は536人。これが現状の競技人口のようです。札幌以外でチームがあるのは留萌市のみという現実は少々さびしい気もしますね。
 
原因は、少子化や小学生などの教育環境の変化にあるようです。教員でもある波多野事務局長は「私がこの競技に携わった頃はゆとり教育の時代で、放課後に楽しめる時間がありました。しかし今は週5回6時間授業になり、子供たちが外で遊ぶ時間が少なくなりました」と話します。
 
 
▲優勝した「山本デンタルクリニック」の皆さん。皆、小さなころからの経験者だそうです
 
 
優勝した山本歯科クリニックの山本主将も「教育委員会が小学生のために作ったスポーツですし、札幌の小学校で授業としてカリキュラム化してもらいたいですね」と普及を望んでいます。
 
確かに札幌だけで楽しむのはあまりに惜しいスポーツです!メディアがもっと取り上げたり、冬のイベントとタイアップして教室を開いたり、インバウンドの方向けに体験会を行ったりと方策はあると思います。
 
この記事をご覧になってちょっと体験してみたいな、チームを作ってみたいなと思った方は、まず北海道・札幌スノーホッケー協会札幌市スポーツ局スポーツ部企画事業課に問い合わせてみて下さい。

そして、まずはどんなスポーツなのか、実際に札幌市長杯を見学してみては?近くには大倉山ジャンプ競技場、北海道神宮や円山動物園もあり、観光しながらでも気軽に観戦してみて下さいね!
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