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公開 | 植村慎吾

北海道の冬を支える除雪車 徹底解説!




札幌は、世界でも稀な豪雪地帯にある大都市です。
札幌市の平均年間降雪量はなんと597cm!(気象庁ホームページより)
これほど多くの雪が降る場所で都市が成り立つのは、発達した除雪技術のおかげです。
 
世界的にも珍しい豪雪大都市の冬の生活を支える除雪作業を紹介します。

 

目次

・除雪車の種類と役割
・除雪のスケジュール
・除雪作業
・おわりに


 

除雪車の種類と役割 

除雪には、道路上に降り積もった雪を路肩によせる、路肩の雪山を崩して雪堆積場に運ぶ、などいくつかの過程があります。
 
それぞれの過程で活躍するいろいろな種類の除雪車を紹介します。


除雪グレーダ 全長 975cm 重量 21t






除雪グレーダは、車体中央についているブレードで道路の雪をよせたり、凸凹になっている雪を削って路肩によせたりします。
ブレードは出動するたびにすり減ってしまい、2、3回出動するごとに新しいブレードに交換しなくてはいけません。
 
ちなみに、除雪車は多くが左ハンドルになっていて、路肩側を確認しやすいようになっています。


タイヤショベル 全長 800cm 重量 12.6t




車体前面のプラウを使い、グレーダの後ろを走りながら、グレーダが寄せきれない雪を路肩によせたり、雪が交差点や出入り口を塞がないように雪山に押し付けたりします。
また、幅の狭い道路の雪を路肩によせます。


大型ロータリー 全長 750cm 重量 14t




車体前面のロータリー装置を使い、車道の路肩にある雪を雪山に積み上げて車道を広くする作業や、雪山を掻き込んでダンプトラックに積み込む作業で使用されます。
コンクリートブロックくらいなら砕いてしまうほどの力があるそうです。


小型ロータリー 全長 600cm 重量 6.2t




主に歩道の除雪に使用され、歩道の雪を雪山に積み上げます。


バックホウ 全長 760cm 重量 14.8t




大型ロータリーに先行して雪山を崩したり、直接ダンプトラックに雪を積み込んだりします。


ダンプトラック 全長 835cm 重量 10t




大型ロータリーやパワーショベルから雪を積み込み、雪堆積場に運搬します。


凍結防止剤散布車 全長 800cm 重量 12.6t




凍結防止剤の散布に使用されます。





車体の後ろにある散布口を回転させて、凍結防止剤を散布します。
 

流雪溝

▲手前の溝蓋の下に流雪溝があります


除雪車ではありませんが、流雪溝は雪を処理するうえで重要な役割を担うものです。
排雪された多くの雪はダンプトラックにより雪堆積場に運ばれますが、雪を解かすエネルギーとして利用できる水がある場所では、流雪溝が活躍します。
投げ込まれた雪は、流雪溝の中を流れる下水処理水などによって解け、河川へと放流されます。
                                             
 

除雪のスケジュール

幹線道路や生活道路の除雪作業は、交通量の少ない深夜から早朝にかけて行われます。
 
実際の除雪作業を、札幌市北区南地区除雪センターで見学しました!
 
除雪作業がある日には、19時30分になると作業員の方々が除雪センターに集合します。
機械の点検や雪かきの後、機械の暖機運転をはじめます。





20時から21時の間にミーティングがあり、当日の除雪内容とルートの確認をします。





安全対策などについての注意喚起を行った後、「それでは今日も、ご安全に」の挨拶で、それぞれ除雪コースに移動し、除雪作業がはじまります。
除雪作業は朝の6時頃まで続きます。



除雪作業

まとまった雪が降り、降雪量が10cmを超えると、新雪除雪が行われます。




大きな幹線道路では、除雪グレーダとタイヤショベルが3台4台と前後斜めに連なり、前のグレーダが路肩方向によけた雪を後続のグレーダがさらに路肩方向によけ、最後にタイヤショベルが残りの雪をよせたり、交差点や出入り口の雪を移動したりと、連続して新雪の除雪を進めていきます。

比較的道幅の狭い幹線道路では、グレーダとタイヤショベルが1台ずつ連なります。





グレーダがよけた雪をショベルが雪山に押し付けながら進んでいきます。
 
道幅の狭い生活道路では、タイヤショベル1台だけで除雪を進めます。





タイヤショベルの車体前面のプラウは、中央を凹ませて雪を集めたり、中央を突き出して雪を押しのけたりと、状況に応じてかたちを変えることができます。
 
降った雪をできるだけ早く道路上から取り除く必要がある新雪除雪では、北区南地区の場合、一晩の走行距離が幹線道路では90km、生活道路では140kmにも達するそうです。

ちなみに、新雪除雪の出動回数は年間20回程度なので、見られればラッキー!
 
歩道の除雪には、小型ロータリーが活躍します。





誘導員がロータリーの前で安全を確認しながら進んで行きます。小型ロータリーは、歩道の雪を掻き込んで車道との境に積み上げます。
また、小型ロータリーや大型ロータリーは車道側から雪を積み上げ、車道を広くする拡幅除雪を行います。

▲小型ロータリーによる歩道の除雪の前後
 

雪山が大きくなると、雪山を崩してダンプトラックに積み込み、雪堆積場に運搬する運搬排雪が始まります。
札幌市では毎年年明けからこの作業が始まり、小学生の冬休みが終わる1月20日頃までに通学路などを優先して運搬排雪を行います。


電柱の周りや大きな雪山などではバックホウが活躍し、雪山を切り崩して大型ロータリーが作業をしやすいようにします。
大型ロータリーの後ろには何台もダンプトラックが待機していて、順次ロータリーと並走して荷台に雪を積み込みます。





大型ロータリーが通過すると一気に雪山がなくなり、道が広くなって爽快感があります。
 
雪を満載したダンプトラックは、雪堆積場に向かい、雪を下ろします。





札幌市内の雪堆積場は約70ヶ所。
そのなかでひときわ大規模なのが新琴似8横雪堆積場です。
 
新琴似8横雪堆積場は、札幌市内で最大の雪堆積場です。


▲新琴似8横雪堆積場(札幌市雪対策室提供)
 

搬入量は最大で約250万㎥!
10tのダンプトラック(排雪積載量12㎥)で約20万8千杯分!
気が遠くなる量ですね。
 
雪堆積場の雪は、降雪シーズンが終わってからもしばらく残っていますが、だんだんと解けて6月中にはなくなります。


▲6月初旬、滑り止めの砂などを含んだ雪が黒く帯状に残っています(札幌市雪対策室提供)

 

おわりに 

降雪の多い場所で都市機能を維持するためには多大な労力がかけられているのですね。
 
もしも、雪国の暮らしに除雪作業がなかったらと思うとぞっとします。
 
除雪作業も人手不足で、除雪に必要な人数を確保することが難しくなっているそうです。
現在、多くの除雪機械は安全確保のために2人乗りや誘導員が先導して運用されていますが、新しい機械では車載カメラなどの力を借りて1人でも運転ができるようになりつつあります。
GPSを利用した運行管理や自動運転車の導入なども考えられているそうです。
 
今後も、除雪作業や除雪車の進歩から目が離せません!


北海道Likers フォトライター 植村慎吾
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植村慎吾

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