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公開 | 村上 紗希

脂が甘い!冷めても柔らかい!もたれない!厚真町のブランド豚“米愛豚”を味わうなら「食空間ゆるり」へ ~北海道胆振東部地震 復興支援シリーズ(5)

自宅と店舗、いつもなら車で5分もかからない距離でした。
ところが北海道胆振東部地震によって発生した土砂崩れや地割れにより、主要道路が寸断されてしまいます。

厚真町中心部にある飲食店「食空間ゆるり」の店主、三上さんは、目の前の惨状に呆然となりながらも必死で情報を集め、安全に通れる道を探しました。

その結果、店舗に辿り着くには目的地と真逆の方向にある隣町、安平町に1度出るしかないことがわかります。
 

なんとか無事だった細い道を通り、余震と混乱が続く隣町を抜け、大きく迂回し、店舗に到着したときには既に半日が経過していました。しかし幸いにも被害は食器類のみ。最小限で済んだことに胸を撫でおろしたそうです。




 
停電と断水は続いていましたが調理器具が無事だったことから、震災から3日目には店舗横の駐車場で、冷蔵品を使った炊き出しを行いました。

メニューはカレーや豚汁など、その数なんと10種類! あたたかく優しい味で多くの人が元気をもらったに違いありません。
そして9月20日には、限定メニューのみではありますが無事営業を再開しました。
 
この「食空間ゆるり」では、“米愛豚(まいらぶた)”という貴重な豚を使った料理を提供しています。知らない方が多いかもしれませんが、それもそのはず。

実は一般向けには滅多に出回らない、いわば幻の豚なんです!
その美味しさに惚れ込んでいるという三上さん。店で扱うことにしたきっかけや、オススメのメニューなどについて伺いました。

 

“米愛豚”の店をオープンさせたきっかけとは

2016年にオープンした「食空間ゆるり」。
店主の三上さんは元々厚真町出身で、高校を卒業したあとは調理師専門学校を経て札幌の居酒屋に就職しました。

そこでは調理はもちろん、仕入れやメニュー開発、経理関係といった様々な業務を担当。店舗経営に関する経験を積んでいく中で、いつか自分の店を持ちたい、という昔からの夢が膨らんでいきました。

独立開業のきっかけはお子さんを授かったこと。これまでと生活が変わっていくことがわかったとき、家族のことも自分の夢も全部背負うならこのタイミングしかない!と心が決まったのだそうです。さらに地元の厚真町でちょうど良い空き物件が見つかったことも後押しになりました。


 


▲店舗があるのはこのビルの1階、入ってすぐ左側。手書きの看板が目を引きます▲店舗があるのはこのビルの1階、入ってすぐ左側。手書きの看板が目を引きます
 

店名には「ゆるりとくつろいでほしい」という想いが込められています。
この日訪れたのは開店直後の11:00過ぎ。寒い外から店内に入ると、木のあたたかいぬくもりと三上夫妻の笑顔が迎えてくれました。
 

▲4~6人座れるテーブルが4卓、カウンター4席のほか、奥には8人ほど入れる掘りごたつ式の個室も1部屋あります▲4~6人座れるテーブルが4卓、カウンター4席のほか、奥には8人ほど入れる掘りごたつ式の個室も1部屋あります
 
 
店の看板食材である“米愛豚”は、同じ厚真町内にある株式会社エフティ―ファームが生産しています。
実はこの豚、なんと出荷の60日前から最高ランクの特A米である町内産の“ななつぼし”を与えられているんです!

米を食べさせることで肉質が柔らかくなり旨み成分も増加、さらに甘くさらっとした脂になるのだそう。ホクレン主催の北海道枝肉共励会では、2009年度と2016年度の2度にわたって最優秀賞を受賞しており、その美味しさは折り紙付きです。
 
「幻のブランド豚」とも呼ばれ一般には流通していないだけに、自分の店で出せるとは考えてもみなかったという三上さん。しかし父親がこの株式会社エフティ―ファームの関連会社である厚真ファームに勤務していたことがきっかけとなり、縁が繋がっていきました。
 
食べてもらった料理人仲間から「本当に全然臭みがない」「豚肉とは思えない」と大絶賛されたという“米愛豚”。三上さん自身、冷めてもほぼ変わらない肉質の柔らかさと脂身の美味しさに感動し、看板食材として扱うことを決めたのだそうです。

 

どんな味? 実際にいただきました!

「1番こだわっているのは火入れですね。米愛豚の大きな特徴である柔らかさを引き出すには、このタイミングの見極めが本当に重要なんです。料理によってもちろん肉の部位も厚さも違いますし、少しでも火を通しすぎると全てが台無しになってしまいますから。常に最善の状態でお出しできるよう気を付けています」
 
と話してくださった三上さん。
この日は、震災の影響で期間限定メニューとして提供されていた“ロースカツ定食”をいただきました。
 

▲ご飯はもちろん厚真町産の特Aランク“ななつぼし”。米愛豚もこんな美味しい米を食べて育ったんですね! 定食は他にお味噌汁、小鉢つき。お腹いっぱい食べたい人にはご飯大盛り無料の嬉しいサービスがあります▲ご飯はもちろん厚真町産の特Aランク“ななつぼし”。米愛豚もこんな美味しい米を食べて育ったんですね! 定食は他にお味噌汁、小鉢つき。お腹いっぱい食べたい人にはご飯大盛り無料の嬉しいサービスがあります
 

▲綺麗な桜色がサクサクのキツネ色に包まれています! 赤身の柔らかさ、ふんわり感が伝わるでしょうか?▲綺麗な桜色がサクサクのキツネ色に包まれています! 赤身の柔らかさ、ふんわり感が伝わるでしょうか?
 
 
実は、撮影している間にかなり冷めてしまったロースカツ。“米愛豚”の美味しさや特徴についていろいろとお話を伺った後ではあったのですが、正直なところ「さすがに少しは硬くなっちゃったかな…」と残念に思っていました。

ところが口に運んで本当に驚きました! 熱々のときと変わらず柔らかいまま、しかも噛みしめる度に肉汁がジュワッとあふれ出してくるんです。思わず「これはすごい…」と口に出してしまったほど。
 
脂のほのかな甘みがまったりと口の中に広がり、ソースはちょっとつけるだけで十分。肉の味がよりわかりやすくなるよう醤油や塩でも試してみましたが、豚肉特有の臭みが全く感じられず、最後の1口まで美味しくいただくことができました!
 
このロースカツ定食ですが、現在は“厚切りロースカツ定食”にパワーアップしています。分厚くなってもなお、肉としての噛み応えは残しつつ、ジューシーな柔らかさはキープ。写真からも三上さんの火入れに対するこだわりが伝わってきますね。
 

▲厚切りロースカツ定食1,100円。この美しい断面はもはや芸術▲厚切りロースカツ定食1,100円。この美しい断面はもはや芸術(写真提供:食空間ゆるり)
 

▲こちらはトンカツ定食900円。脂の甘さを味わえる肩ロースと、赤身の柔らかさがわかるヒレの2種類を楽しめちゃいます。これはお得!▲こちらはトンカツ定食900円。脂の甘さを味わえる肩ロースと、赤身の柔らかさがわかるヒレの2種類を楽しめちゃいます。これはお得!(写真提供:食空間ゆるり)

 
そして写真はありませんが、“米愛豚”が持つ美味しさをストレートに味わいたいのであれば、ぜひ“トンテキ定食”を頼んでみてください。

絶妙な焼き加減の肩ロースをニンニク醤油と山わさびでいただく一品。とてもシンプルですが、だからこそ、より感じられる脂の甘さや臭みの無さに誰もが驚くはずです。
 

▲震災の影響で減らしていたランチメニューの品数も、現在はかなり戻ってきました! 米愛豚を中心としたお肉系メニューのほか、お蕎麦もありますよ▲震災の影響で減らしていたランチメニューの品数も、現在はかなり戻ってきました! ”米愛豚”を中心としたお肉系メニューのほか、お蕎麦もあります

 

夜もやってます。テイクアウトもあります

夜の時間帯は食事処、兼居酒屋として営業しています。宴会の場合は、料理内容や品数、予算、ドリンク飲み放題の有無など、お客さんの要望にできる限り応じてくださるとのこと。こういう心遣いが嬉しいですよね。

なお、”米愛豚”は炙りベーコンや串焼き、しゃぶしゃぶなどでいただくことができます。居酒屋メニューなので、脂の旨さと塩気のコンビネーションがお酒とまぁ相性の良いこと…! ランチでは食べられないものが多いので、ぜひこちらも味わってみてください。

 
▲テイクアウトOKなカツサンドは600円。冷めても硬くならない米愛豚のすごさがわかりますよ!「ハスカップジャム入り♪」というのも厚真町っぽくて素敵▲テイクアウトOKなカツサンドは600円。冷めても硬くならない”米愛豚”のすごさがわかりますよ!「ハスカップジャム入り♪」というのも厚真町っぽくて素敵
 
 
店内掲示


▲オードブルやお弁当も承ります。詳しくは店舗まで問い合わせを▲オードブルやお弁当もあります。詳しくは店舗まで問い合わせを
 
 

「厚真町まではなかなか行けない…」そんなあなたは

2018年12月時点で”米愛豚”を扱っているお店は、厚真町にあるこの「食空間ゆるり」、愛知県名古屋市の「豚かっぽうまいら 栄店」、そして今年10月に札幌市平岸にオープンしたとんかつ店「和食みかみ」、ほか数店のみとなっています。
 
「豚かっぽうまいら 栄店」は株式会社エフティファーム・アルファが、「和食みかみ」は和食料理人である三上さんの弟さんが経営。どちらも厚真町と繋がりが深いお店なので、特A米“ななつぼし”や野菜など他の町産食材もいただけるとのことです。

厚真町まで足を運ぶのが難しいという方は、こちらの店舗へぜひ。
 
もしかしたらあなたの中で豚肉の概念が変わる…かもしれませんよ!
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村上 紗希

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