北海道情報サイト「北海道ライカーズ」北海道情報サイト「北海道ライカーズ」

what likers

Icon search探す

公開 | みふねたまき

北海道の木の色と質感を活かす。千歳・小西木材3代目が目指すものづくり

千歳市 小西木材 木工 クラフト キーホルダー


「524(コニシ)」と刻印された8本の木製キーホルダー、上から順にエンジュ、ミズナラ、サクラ、イチイ、ブラックウォルナット、イタヤカエデ、タモ、キハダ。それぞれ違う木でつくられています。こうして並ぶと木の色の多彩さに驚きます。

こちらのキーホルダー、製作したのは千歳の小西木材3代目・小西康裕さんです。

祖父の代から続く木材の販売加工の会社を継ぐために、大学卒業後に就職した会社を辞めて地元にUターン。家業を受け継ぎながら、「木を活かして何か新しいことを」と、道産木材を使用した家具や小物の製作をスタート。木工教室やワークショップ等にも取り組んでいます。

キーホルダーのほかにも木目や木地を活かしたきれいなデザインのアクセサリーやボウル、木べらやバターナイフ等々、さまざまな木工品を製作されているということで、さっそく千歳の工房を訪ねました。

 

サラリーマンから転身。木材会社の3代目に


千歳 小西木材 木工 クラフト 3代目 小西康裕さん▲小西木材3代目・小西康裕さん


まずはつくり手・小西康裕さんのご紹介から。

千歳に戻る前は大手インテリアチェーンで家具の販売をしていた小西さん。転勤で千葉や埼玉、神奈川、大阪と移り住み、8年ほど勤めて戻ってきたわけですが、
「祖父の代から続く仕事といっても、木材についての知識はほとんどなかったので、木について学ぶために旭川高等技術専門学院に入学しました」。

ここで2年間、小西さんは家具づくりを学びます。

「うちで扱っている道産トドマツで家具がつくれたら…という思いもありました。実習でいろいろ試してみたのですが、トドマツは柔らかくてキズがつきやすいので、建材として使う分には問題ないのですが、テーブルやイスなどの家具には向いていませんでした。木の特性に合わせて適した使い方をしなければ、その木の良さが活きない。適材適所なんですね」。

千歳に戻った小西さんは、木材の販売加工の仕事と並行して、木を素材に木べらやトレイ、アクセサリーなどの木工製作をスタートします。

「最初は当然ですが知名度ゼロなので注文もありません。父を手伝いながら空いた時間に手作業で仕上げられるアクセサリーなどの小物づくりから始めました」

そうして、作品を仕上げていくなかで、小西さんらしい木の色を活かした寄木の作品が生まれたのです。


千歳 小西木材 木工 クラフト 作業風景▲紙やすりで丁寧に磨きをかける。細かな作業の積み重ね

 

木の色を活かして、世の中にないデザインを

色の異なる木を組み合わせて、シンプルな形のなかで美しい模様を描き出す小西さんのクラフト作品。製作にあたって小西さんが大切にしているのは、「世の中にないデザイン」の木工作品をつくること。

デザインソースはさまざまで、たとえば古着のニットの柄からアクセサリーの模様をデザインしたり、裏地にインパクトのあるジャケットをヒントに表と裏で模様を変えたり。天然の木の色を活かした作品は、どれもシンプルな形と寄木の配色バランスが見事です。

聞けば小西さん、会社員時代に小田原に住んでいたことがあり、箱根の寄木細工店によく通っていたそうです。「技術を学んでいたわけではなく、単純に好きで見に行っていただけですが、影響は受けていると思います。といっても、技術的には遠く及びませんけど」と小西さん。

実際にどんな作品をつくっているのか、さっそくご覧ください!


千歳市 小西木材 木工 クラフト ブローチ▲ヘアゴムとブローチ


小西さんが木工品を作るようになって、一番最初に商品化したのがブローチでした。シンプルな形にコントラストのきれいな配色が、クッキーのようにも見えておいしそうなブローチとヘアゴムは、ひとつとして同じものはなく、作るごとに進化しているそうです。


千歳 小西木材 木工 クラフト 寄木 イヤリング▲イヤリング


表裏で樹種を変えたり、年輪や節をいれたり、天然の木そのままの表情を活かしてデザインされたイヤリング。どれにしようか迷います。


千歳 小西木材 木工 クラフト ネクタイピン バングル▲ネクタイピンとバングル


小西さんが作品づくりに使う木は、冒頭で紹介したエンジュ、ミズナラ、サクラ、イチイ、ブラックウォルナット、イタヤカエデ、タモ、キハダのほかに、ハルニレ、シラカバ、カツラを加えた11種類。ブラックウォルナット以外は全て北海道の木です。寄木の魅力は木そのものの色を活かすこと。製作時には余計な着色はせず、作品の用途に合わせてアマニ油などで仕上げています。


千歳 小西木材 木工 クラフト キーホルダー▲キーホルダー


独特なねじりの形がおもしろいキーホルダーは、金具に無垢の真鍮を使っているのも小西さんのこだわり。手にした時のフィット感など、使い心地の良さも考えられています。


千歳 小西木材 木工 クラフト エアプランツホルダー▲エアプランツホルダー


ありそうでなかったエアプランツ専用ホルダー。「部屋におしゃれな観葉植物を飾りたい、でも水やりは面倒」そんな人にピッタリ!贈り物にも喜ばれそうです。


千歳 小西木材 木工 クラフト 名刺ホルダー▲名刺ホルダー


デスクの上に置いておくと、来客時にスッとスマートに名刺を取り出せる名刺専用ホルダー。ショップカード用にもいいですね。

 

使う人の声に耳を傾け、より良いものを


もっときれいなデザインで、もっと使い心地よく。小西さんは自身が手がける木工品を、製作するごとにより良いものへと改良を重ねています。

「いきなり自分ひとりで始めてしまったので、最初の何年かは失敗ばかりでした。木べらやバターナイフがいい例ですが、家族や友人に使ってもらうことで、使いにくいところを聞きながら改良を重ねてきました」


千歳 小西木材 木工 クラフト ターナー 炒めべら▲木べらは利き手に合わせて右手用と左手用を用意


なかでも木べらは何度も改良を重ねて完成させた自信作。持ち手やへら部分の形や大きさ、炒めやすさはもちろん、炒めたものをお皿に移すときの使いやすさなど、細かなところまで工夫が施されています。
そのかいあって、最近では一番のヒット商品となっているそうです。


千歳 小西木材 木工 クラフト バターナイフ▲バターナイフ


木べらと同様にバターナイフも苦心作です。
バターの塗る方向が人によって違うこと、刃の厚みも塗り心地を左右すること、使った人の意見を聞くことで、どういうものが求められているのかがわかり、製品の改良につながっていったそうです。

「バターナイフは扱っている樹種のなかで最も硬いイタヤカエデを使っています。去年、宇都宮のイベントで購入してくださった方が、今年のイベントにも来てくれて、欠けたり割れたりしなくて丈夫だったから、予備のために3本欲しいと注文してくれたんです。自信がなくて作るのをやめていた時期だったので、すごくうれしかったですね」

日常の道具として定番化していくことが、つくり手にとっては何よりも励みになると小西さん。


千歳 小西木材 木工 クラフト 器 寄木のボウル▲木の組み方と削り方で緩やかなカーブを表現した寄木のボウル

 

異素材とのコラボやイベント企画も積極的に


千歳市 小西木材 木工 クラフト 藍染アクセサリー▲伊達市で栽培される藍で染めたアクセサリー


千歳 小西木材 木工 クラフト 恵庭ものづくりフェス▲恵庭ものづくりフェス2018 会場風景


ものづくりを通じて人とのつながりも生まれ、それをきっかけにコラボ商品も製作しています。

藍の産地・伊達市で唯一の木の器の藍染め職人から技術を学び、藍染のアクセサリーを製作したり、滝川市の革職人とのコラボレーションで、木に革を組み合わせたキャンドルホルダーやフォトフレームを製作したり、新たな作品づくりにも積極的です。

全国各地で開催されるイベントへの出店に加え、自らイベントを主催。北海道のものづくりを盛り上げようと「恵庭ものづくりフェス」を立ち上げ、実行委員長としてイベントの企画運営を手がけるなど活動の場を広げています。

ものづくりを始めて5年。木工ワークショップの開催依頼やイベントに招かれる回数も増え、「父の仕事を手伝えないくらい忙しくなっています。ありがたいことなのですが、一人では製作が追い付かなくなってきているので、少し体制を整えなければと考えているところです」。

進化し続ける小西さんのものづくり。直接触れてみたい方は、千歳の工房へお出かけください。小西さんがにこにこの笑顔で迎えてくれますよ。

 

関連リンク

「小西木材」公式サイト
この記事をSNSでシェアしよう!
  • 北海道の木の色と質感を活かす。千歳・小西木材3代目が目指すものづくり
  • Google+
Title
Close