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公開 | 村上 紗希

「すごいししゃもだしらーめん」のすごさに迫る! ~北海道胆振東部地震 復興支援シリーズ(2)

道内有数のサーフスポット“浜厚真”からすぐ。
国道235号線沿いに店舗を構えているのが厚真町の水産加工販売店「めぐみ水産」です。





震災後は断水によりしばらく魚を扱うことはできなかったものの、停電は奇跡的な早さで解消し、冷凍庫の中身も無事。そのため「今できることをしよう」と翌日からはおにぎりやお弁当を作り、店舗前で販売を行いました。

半月ほど経ち断水も解消されたことで、9月下旬からは営業を再開。店内には、代表の佐々木さんが確かな目利きで仕入れて加工した魚介や、思わず「お酒を下さい!」と言いたくなってしまう手作りの肴たちが並んでいます。

実は、この「めぐみ水産」でしか食べられないラーメンがあるんです
その名もズバリ「すごいししゃもだしらーめん」。ししゃもの美味しさをギュギュッと濃縮したこの1杯にはファンも多く、電話予約をした上でわざわざ札幌から足を運ぶ人もいるのだそう。

なぜか最後まで喉が渇かない不思議なラーメンは、女性でもスープを飲み干してしまうほどの奥深い味わい。そのすごさについて探ってきました!

 

「めぐみ水産」はこんなお店

厚真ICを降り、国道235号線をむかわ方面に向けて走っていくと、左手に「野原公園」と書かれた大きな看板と広い駐車場が見えてきます。ちなみに「のはら」ではなく「やげん」と読みます。知っているとちょっと自慢できる…かも。

目的地の「めぐみ水産」はこの公園のすぐ横にあります。車から降りるとまず目を引かれるのは、3匹のタコが描かれた手作りの顔出し看板。ぜひ記念撮影をしてから中に入りましょう。
 
店内にある冷蔵ケースには、旬の魚介やお手製の肴がぎっしりと並んでいます。窓側には飲食スペースとして大きめのテーブルが1卓と小さめのテーブルが2卓あり、合わせて10~15名ほどが食事できるようになっています。


▲奥の壁にはサインがたくさん! 隣の「たこを茹でて三十年 この味は真似できない」という文字も気になります。食べてみたい…!▲奥の壁にはサインがたくさん! 隣の「たこを茹でて三十年 この味は真似できない」という文字も気になります。食べてみたい…!


▲こちらは年配の方に人気の「焼きししゃも味醂(みりん)」。この日はもう残っていませんでしたが、若い方には「ムール貝とオリーブの燻油漬け」が人気!▲こちらは年配の方にオススメの「焼きししゃも味醂(みりん)」。この日はもう残っていませんでしたが、若い方には「ムール貝とオリーブの燻油漬け」が人気!


▲ふと視線を感じて振り返ると、エイリアンならぬ、「えいリアン」を発見! いい表情してます。値札にこっそり「食べません」と書いてはありますが、実は煮付にすると美味しいんだそうです▲ふと視線を感じて振り返ると、エイリアンならぬ、「えいリアン」を発見! いい表情してます。値札にこっそり「食べません」と書いてはありますが、実は煮付にすると美味しいんだそうです


▲めぐみ水産代表の佐々木さんは、海の恵みを生かして美味しいものを次から次へと生み出していく達人▲めぐみ水産代表の佐々木さんは、海の恵みを生かして美味しいものを次から次へと生み出していく達人

 

ラーメンの命! スープはこうして作られる

そもそも、なぜししゃもで出汁をとろうと思ったのでしょう。
きっかけは、めぐみ水産オリジナルの珍味「からからししゃも」を食べたお客さんの、何気ない言葉でした。

「これを粉末にしたらいい出汁がとれるんじゃない?」

若い頃から「ラーメンを作りたい」という思いがあった佐々木さんは、この一言を聞いてピンと来たのだそう。水産加工会社だからこそ材料は自分で調達できる、という強みを生かして試行錯誤を重ね、ついには昨年10月に「すごいししゃもだしらーめん」が誕生しました。

出汁として使うししゃもは焼いて食べるのとは違い、獲れた時期を見極める必要があります。少しでも時期がずれてしまうと、内臓の生臭さがスープに溶け出して全てが台無しに。そのため澄んだ味わいにたどり着くまではかなり苦労したのだそうです。


▲そのままでも良し、炙ってなお良し。酒の肴にピッタリの「からからししゃも」は15本で1080円。安い! そして旨い!▲そのままでも良し、炙ってなお良し。酒の肴にピッタリの「からからししゃも」は、1パック1080円。安い! そして旨い!


▲煮干しではありません、ししゃもです。約6時間かけてじっくりと出汁をとっていきます▲煮干しではありません、ししゃもです。約6時間かけてじっくりと出汁をとっていきます


そうして完成したししゃも出汁と合わせるのは、これまた丁寧に仕込んでいた道産若鶏の出汁。相性のよい両者をブレンドすることで「すごいししゃもだしらーめん」に欠かせない、めぐみ水産オリジナルのスープのベースが完成します。

一方、旨みを出しきったししゃもは鍋から取り出し、何度も焙煎と粉砕を繰り返していきます。作っているのは「ししゃも魚粉」。実はこれも大切な具になるんです。


▲香ばしくてとってもいい香り! お客さんから「これを売ってほしい」とせがまれることもあるそうです。その気持ち、すごくわかります▲香ばしくてとってもいい香り! お客さんから「これを売ってほしい」とせがまれることもあるそうです。その気持ち、すごくわかります

 

「すごいししゃもだしらーめん」 いざ実食!

丁寧に丁寧に作られているのがわかったら、やっぱり味が気になりますよね。
提供しているのは醤油味のみ。運ばれてくると、湯気とともにいい香りがしてきます。
それでは両手を合わせて…いただきます!


▲「すごいししゃもだしらーめん」700円。大盛りは800円▲「すごいししゃもだしらーめん」700円。大盛りは800円


まずはスープをいただきました。
飲むと口いっぱいに鶏の旨みが広がり、1拍置いてからししゃもの上品な香りが追いかけてきます。余計なものが一切入っていないからこそ感じられる、食材がもつ本当の美味しさ。出汁の澄んだ味わいと醤油のまろやかさで、ラーメンスープでありながらも朝からすんなり飲めてしまいそうです。

ですがこれで終わりではありません。
味の決め手となるのは、手間暇かけて作られたあの「ししゃも魚粉」! 女性的で柔らかい印象を受けるスープにこの魚粉をかけると、香ばしさとパンチが加わって、一気に男性的な力強い味わいへと変化するんです。

出汁と魚粉、元は同じししゃものはずなんですが…とにかくこの味変の振り幅がすごい。


▲スープに混ざっている粉末が「ししゃも魚粉」。自分で好きなだけかけることができるので、好みに合わせて▲スープに混ざっている粉末が「ししゃも魚粉」。自分で好きなだけかけることができるので、好みに合わせて調節を


続いては麺をいただこうと箸を持ち上げたのですが、そこから伝わってきたのは道民が食べ慣れている中太ちぢれ麺とは明らかに違う重量感。ずしりとした手ごたえに驚かされます。


▲細めのうどんぐらいはありそう▲細めのうどんぐらいはありそう


現れたのは北海道ではあまり馴染みのない極太麺。札幌の某ラーメン屋さんにお願いして作ってもらっているという特注品で、もっちもちの食感が実はこのスープと本当によく合うんです。量が少なく見えるかもしれませんが、食べ応え抜群。

そしてトッピングは、絶妙な半熟加減のゆで卵、ししゃもの風味を邪魔せず食感も楽しめる水菜、2枚並んだ分厚い鶏チャーシューの3種類。

中でも一際目を引くこのチャーシューは佐々木家秘伝のレシピで仕込まれたものなのだそう。口に入れると、スープを含んだ肉が優しくホロホロと崩れていきます。単品でも出してほしい…という声が上がるのも納得の美味しさでした。


▲見て下さいこの照り! 運が良ければ裏メニューとしてミニチャーシュー丼が登場することも▲見て下さいこの照り! 運が良ければ裏メニューとしてミニチャーシュー丼が登場することも


▲〆にはぜひ、プラス100円で頼める追い飯をドボン。嬉しいことにししゃも魚粉は無料で追加できちゃいます▲プラス100円で頼める追い飯 inスープは悪魔的な美味しさ。嬉しいことにししゃも魚粉を無料で追加できちゃいます


このご飯系がまた美味しくて、お腹いっぱいなのについ頼んでしまうという人も多いのだそう。なお、追い飯を注文する方はスープをきちんと残しておいてくださいね。


▲ちなみに卵が小さめの日はこんなこともあります。ちょっとお得な気分♪▲ちなみに卵が小さめの日はこんなこともあります。ちょっとお得な気分♪

 

他にもこんなこだわりが!

「作る過程でなるべくゴミが出ないように工夫したんです。出るのは卵の殻とかチャーシューを作る時に縛る紐ぐらいかな? エコなラーメンだよね」

と笑う佐々木さん。確かに言われてみれば、出汁をとったあとのししゃもは魚粉に、鶏肉はチャーシューとして美味しく生まれ変わっていました。

「最後まで飲み干せる1杯を目指した」というこだわりが詰まったこのラーメンは、1日10杯限定! 確実に食べたい方は事前の電話予約がオススメです。
また、ししゃもの在庫が限られているため、店にストックが無くなり次第一旦終了となります。泣いても笑っても、新物のししゃもが入ってくる次の11月まではお預けです。

厚真町の「めぐみ水産」でしか食べられない、ししゃもを使ったプレミアムなラーメン。
ぜひ食べに、足を運んでみてくださいね!
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村上 紗希

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