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公開 | チバタカコ

北海道出身、お笑いコンビ「アップダウン」の竹森巧さんは、魂の北海道人だった

アップダウン竹森巧

 
NHKみんなのうたの「ぬか漬けのうた」、岩崎宏美さんの「絆」(2017年「揖保乃糸」イメージソング)、そして北海道命名150年の2018年に「北海道」という歌をつくり、全国150本ライブを実施中の竹森巧さんに会ってきました。
 
 

目次

・北海道出身お笑いコンビ「アップダウン」の竹森巧
・竹森巧の音楽活動のきっかけは、罰ゲーム!?
・北海道150年記念ソング「北海道」と150本ライブ
・竹森巧と松浦武四郎
・北海道人、竹森巧

 
 

北海道出身お笑いコンビ「アップダウン」の竹森巧

ある時、北海道Likersに1本のメールが届きました。
 
「北海道出身で道内でも様々な場面で活躍しているよしもとの芸人アップダウンの竹森巧は、お笑い芸人として活躍する傍らで、音楽活動を続け2017年にメジャーデビューを果たしました。
 
お笑いも音楽活動も、全ては北海道を盛り上げる、活発にすることを目標として取り組んでいます」と。
 
北海道を盛り上げるための活動と聞いて、志を同じくする北海道Likers編集部としてはだまっていられません。
 

アップダウン。竹森巧さん(左)と阿部浩貴さん▲アップダウン。竹森巧さん(左)と阿部浩貴さん
※写真提供:吉本興業

 
よしもとの芸人アップダウンは、1996年に結成した、北海道出身の竹森巧さんと阿部浩貴さんのお笑いコンビ。札幌の高校の同級生コンビで、舞台や道内ラジオなどで活躍しています。
 
テレビ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で、「いらっしゃいませ」が「エアロスミス」に聞こえるコンビニの店員をやったコンビ…といえば、わかる人も多いかも。
 
そのアップタウンの竹森さんがいま、北海道をもり盛り上げるために活動中というので、さっそく会いにいきました。
 
 

竹森巧の音楽活動のきっかけは、罰ゲーム!?

竹森さんと待ち合わせたのは、先日、北海道Likersでも紹介した札幌の地酒「千歳鶴」の酒ミュージアム

 偶然、竹森さんと同時刻に到着したのですが、普通に歩いて、フラリとやってきた姿を見て、思わず聞いてしまいました。
 
「何で…来たのですか?」
 
「はい、地下鉄です」
 
札幌で小中高校時代を過ごした竹森さん、さすが地元です!一気に距離感が近く感じました。
 
お笑い芸人が、なんで音楽活動を?とは、誰もが思うはず。そのきっかけは2004年、お笑いライブの企画でギターを覚えて、「ぬか漬け」というお題で歌をつくるという罰ゲームを与えられたから。

 
アップダウン竹森巧2▲歌としてはいいものができたので、自分でNHKに送ったら、後日プロデューサーから連絡がきて「採用したい」と言われたそう。送られてきた歌がみんなのうたになったのは、NHK史上初だとか
 

「お笑いのイベントなので、おもしろい歌をつくらないとダメなんですけど、思い浮かばなくて。家族の愛を見守る、朝の食卓のぬか漬け目線の歌をつくったんですよ」と竹森さん。
 
それが後にNHKみんなのうたに採用される「ぬか漬けのうた」です。
 
ぬか漬けたちが、食べることのよろこびや、家族揃って食卓を囲む幸せを願う「ぬか漬けのうた」を竹森さんは、「自分の家族と真逆の、理想の家族像」だと言います。
 
その頃、「モンスターペアレンツ」や「子どもの育て方がわからない親」といった報道をひんぱんに見聞きした竹森さんは、「もしかしたら、自分と同じような感覚の子どもたちがいるのでは」と思い、幼稚園訪問を思いつきます。
 

アップダウン竹森巧3
 

「最初はやめろと言われました。でも、子どもたちと接して、感じることがいっぱいあった。ものにあふれた豊かないまの時代、自分で自発的に考えて何かをするということをしなくなってきているような気がするんです」。
 
「給食も与えられたものを食べるだけで、何を食べているのか答えられない。でも、これは何?と質問をすると、ニンジンと答える。そういうコミュニケーションを取ることの大切さを感じました」。
 
これは続けなければならないと思った竹森さんは、相方である阿部さんにも手伝ってもらい、ぬか漬けマンというヒーローに扮して、食べることの大切さなどを伝えるこの食育活動を、以来、今日も続けています。
 
 

北海道150年記念ソング「北海道」と150本ライブ

周りからは「ミュージシャンみたいに格好つけてなにやってんの?」とバカにされ、会社からもあまりかまってもらえなかったという竹森さんは、自ら動きながら細々と音楽活動を続けていました。
 
やがて岩崎宏美さんに曲を提供したことで、ようやくミュージシャンとして認められ、2017年にメジャーデビューを果たします。
 

アップダウン竹森巧4
 

「来年は100ヶ所ライブをやろう」と考えていた矢先、ライブを見に来てくれた人から「来年(2018年)は北海道150年」と聞き、その「150年」が深くひっかかり、100本ではなく150本やらないとダメだと思ったそうです。
 
そして、周りから「150年で150本やるなら北海道の歌をつくってみては?」と言われたものの、「そんな歌つくれないよ…」と当初は思っていました。
 
しかし年末も押し迫った頃、「150年前の北海道のひとは、どういう気持ちだったのかな」と考えながら歩いていたら、ストン、と歌詞とメロディーが一緒に降りてきたそうです。
 
竹森さんの歌、「北海道」の出だしのワンフレーズです。
 
誰もがみんな ここに夢を抱いて来たわけじゃないだろう
(竹森巧「北海道」より)
 
それは、まさに自分の中に眠っていた想いでもありました。
 
竹森さんの歌う「北海道」は、いろいろなものを抱えながら北海道を拓き、育ててきた先人たちへ想いを馳せ、今を生きる私たちが真っ直ぐ、しなやかに北海道を受け継いでいこうと語りかけます。
 
北の大空に流れる雲
吹きすさぶ風さえも心地よく
ここに生まれて 永遠に輝けと
名付けられた北海道(北加伊道)

(竹森巧「北海道」より)
  
自分自身の中から湧き出るかのように生まれた「北海道」を、2018年1月6日、初めて人前で歌った時に、「今まで感じたことのない、背筋がゾクゾクと上に抜ける感覚があった」と竹森さんは話してくれました。
 
これが、2018年全国150本ライブの1本目でした。


竹森巧Live※写真提供:竹森巧Live事務局

 
2018年12月1日、札幌で144本目のライブを予定しています。そこからまた、川崎、横浜、福岡と続き、ファイナルの150本目は、12月16日、ふるさと北海道、札幌のファクトリーホールです。
 
ファイナルライブの構成は、すでに考えているそうです。
 
「ふるさとを思ってつくった歌が多いので、北海道の歴史を盛り込みながら、ファイナルを締めくくりたい」。
 
「余談ですけど、ファイナルライブは会場費などいろいろお金がかかるんですけど、それが…150万円、なんです。本当に」。
 
さすがお笑い芸人、きっちり落としてくれました。でもオチでもなんでもなく、実話です。
 
 

竹森巧と松浦武四郎

「北海道」という歌をつくったことがきっかけで、北海道の名付け親、松浦武四郎のことを知った竹森さんは、松浦武四郎の物語を劇でやりたいと考えました。
 
竹森さんが作詞作曲した「北海道」という歌をテーマにした音楽劇は、自分でやるよりちゃんとした作家にお願いした方が良いと考え、十勝バスのミュージカル「KACHI BUS」などを手掛けた脚本家、まきりかさんに依頼。
 

アップダウン音楽劇カイ▲「カイ」は松浦武四郎(竹森巧)とアイヌの長アエトモ(阿部浩貴)との友情を描いた物語。「この劇を教育の現場に持っていきたかった」と竹森さん
 

竹森さん自身が、何度かミュージカルの舞台に立ったことがあり、その経験から「ミュージカルはお金がかかるので続かない。継続してやるためには、コスト面も考えなければならない」と、演出も、映像も、音楽も自分たちでつくる、相方の阿部さんとの二人芝居にこだわりました。
 
そうしてできたのが音楽劇「カイ」です。
 
「カイ」は、アイヌ語で「この地に生まれた者」という意味。それが所以で、松浦武四郎は「北加伊道(ほっかいどう)」と名付けたと言われています。
 
6月に東京、7月に札幌で公演すると、道内のテレビ局が特集を組んでくれました。2018年10月には天塩中学校の芸術鑑賞会で、11月には佐呂間町町民センターでの公演も決定しました。
 
この天塩で、竹森さんは不思議な体験をします。
 
「天塩に行って初めて気づいたのですが、『北海道』という名前は天塩川流域でついたんですよね。一回目の教育の現場での公演が、本当に北海道と付いた場所でできたということ、そして年表を見たら、その時の武四郎が40歳、僕と同い年でした。なんでしょうね、これ」。
 

天塩にある北海道命名の地の碑▲天塩にある北海道命名の地の碑。北海道Likersでも紹介しているので、詳しくはこちら
 

竹森さんが道内で活動する時、ホテルには泊まらず、知り合ったその土地その土地のひとの家に泊めてもらうことがあるそうです。
 
「調べたら、武四郎さんもそうだった」と竹森さん。
 
今年、北海道博物館で開催された松浦武四郎展の取材で、学芸員が「武四郎はかなりプライドが高く、その態度は上から目線。でもやることをやっているので、すごい人と言われていた」と教えてくれたことを竹森さんに伝えると、「僕も武四郎と似ているかも。上から目線ではないですけど、従わないですから (笑)」と。
 

アップダウン竹森巧5
 

「いい作品ができたので、これからも全道、全国で公演していこうと思っています」。
 
さらに、「150年だからやっているわけではないです。北海道はこれからも続きます。北海道のひとたちに、北海道のアイデンティティというもの持ってもらいたいし、先人のひとたちの想いは知っておかないといけないと思うんです」と語ってくれました。

 

北海道人、竹森巧

竹森さんは「僕は、ずっと自分の中に劣等感が存在している」と言います。
 
「どこからくる劣等感なんだろうと思って生きてきた。『北海道』の出だしの『誰もがみんな夢を抱いてきたわけじゃないだろう』、これは、順風満帆に内地で過ごしているひとが、北海道に移り住むはずがない。何かしら仲間外れだったり、能力が高くてつまはじきにされたり、その土地では暮らせなくなったというひとじゃないか、と」。
 
 
酒ミュージアムで試飲する竹森巧▲せっかく酒ミュージアムに来たので、試飲を楽しんでもらいました
 

「自分の劣等感は、そういうところからくるんじゃないか?って思うんです。でも、その劣等感は悪いものではなく、よし、だったらやってやるぞ!というエネルギーに変わるものだと思う」。
 
食育や音楽活動を「なにやってんの?」と白い目で見られていた竹森さんが、いま、こうして北海道を盛り上げるために活動ができるのは、このエネルギーがあるからなのかもしれません。
 

アップダウン竹森巧6
 

2018年は、まずファイナルの150本目のライブを成功させ、来年は、お世話になったひとたちやいろんなところに「ありがとうまわり」のライブをしていきたいという竹森さん。
 
最後に、北海道への想いを語ってくれました。
 
「北海道は、自然と人間社会との共存がまだ色濃く残っている場所だと思います。それはずっと守っていきたい。北海道は、いろんな人たちの心の故郷になりえる場所です。優しい気持ちで、皆さん、北海道に来てください」。
 
竹森さんの活動情報などは、facebookTwitterで発信しています。


 

竹森巧ファイナルLIVE

2018年12月16日(日)
時間:開場16:00/開演17:00
会場:サッポロファクトリーホール(札幌市中央区2条東3丁目)
チケット:前売り3,000円、当日3,500円
※詳細は、竹森巧Live公式サイトをご覧ください。

※取材協力
日本清酒(酒ミュージアム)
 
 

関連リンク

竹森巧Live 公式サイト
竹森巧Twitter
日本清酒
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