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公開 | 佐々木葉子

札幌のハイセンスエリア・円山で、市場感覚のお買い物はいかが?(2)

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定番スポット巡りもいいけれど、そこに暮らしているような感覚で街を歩いてみたい。
そんな時は、札幌の人気エリア・円山で、個人商店を訪ねましょう。
パート2では、鮮魚店、精肉店、大福屋さんをご紹介します。

 

鋭い目利きと正直な商売。プロも頼る「ハラホン円山水産」

パート1でご紹介したように、円山地区には2010年まで、プロと市民の台所「まるやまいちば」がありました。そこに4軒あった鮮魚店のひとつ、原水産本店で25年働いたお二人が独立し、開業したお店が「ハラホン円山水産」です。

「僕らが勤めていた水産会社は、市場でもお客さんからも、ハラホンさんと親しまれていてさ。独立するにあたって、社長にお願いしてハラホンの呼び名をいただいたの」。

こう語るのは、社長の伊藤好次さん。伊藤さんの横で、「そうだ、そうだ」と、ニコニコしながらうなずいているのが、専務の門田益彦さんです。

 
alt、▲伊藤さん(右)は刺身や干物、門田さん(左)は鮮魚を担当。店を切り盛りするお二人のあ・うんの呼吸は、見ていても気持ちがいい▲伊藤さん(右)は刺身や干物、門田さん(左)は鮮魚を担当。店を切り盛りするお二人のあ・うんの呼吸は、見ていても気持ちがいい


店の売場には、ベテラン二人が吟味した魚介が所狭しと並んでいます。尾頭付きの鮮魚も、店でさばいた切り身も、一皿3、4本(枚)でいくら、の値段で売られています。

「こんなにたくさんは…」と言うと、「必要なだけ持ってって。サンマ1本、切り身1枚でもいいんだ」と門田さん。こうした融通がきくところが、対面販売のいいところ。切り身なら、頭の方がいいか、腹のあたりがいいかも選べます。
 

alt、▲なじみ客にプロの料理人が多いこともあり、希少な釣りキンキや、大型の秋鮭が並ぶことも珍しくありません。円山地区は本州から転勤してきたお客さんも多く、「魚種の違いや豊富さに驚く人もいるよ」と門田さん▲なじみ客にプロの料理人が多いこともあり、希少な釣りキンキや、大型の秋鮭が並ぶことも珍しくありません。円山地区は本州から転勤してきたお客さんも多く、「魚種の違いや豊富さに驚く人もいるよ」と門田さん

 

その日の魚に合った食べ方、それに合わせた切り方

「魚は頭やおなかは取る?三枚におろすかい? 料理に合うように切るから、なんでも言って」。包丁を持つ手はもちろん、お客さんへの目配り、声掛けも休みない門田さん。

「この魚はまだ脂はないけど、フライにするとうまいよ」という声も聞こえてきました。

脂がないものはないと言うよ。うちは、正直な商売をやってるから、包み隠さず本当のことを言う。そもそも、何でもかんでも脂がのってればいいってわけじゃないから、本当のことを言っても問題ないでしょ」。長年魚を扱ってきたプライドがちらりとのぞきます。


「これを食べたら、他の店のものは食べられない」と、絶大な信頼を寄せるファンが多いのが、この「刺し身盛り合わせ」2,100円。


alt、▲ネタはその日によって変わりますが、赤身、白身、貝類など6、7種類を楽しめます▲ネタはその日によって変わりますが、赤身、白身、貝類など6、7種類を楽しめます


その日の仕入れを見ながら、伊藤さんが切るもので、お客さんのおもてなしやちょっと豪華な食事にと、買い求める人が多いそうです。

これからの季節、北海道は魚種が増え、魚が益々おいしい時期。「おすすめといえば、やっぱり、鮭だよね。そしてイクラ」と伊藤さん。「毛ガニがほしい時は注文してくれたら、いいのを取っておくよ」と門田さん。

一見さんでも、引き戸を開ければ、「まいどさん」と声がかかる「ハラホン円山水産」。地方発送もOKです。イキのいい魚、きっぷのいい商いを確かめに、立ち寄ってみませんか?


 alt、ハラホン円山水産外観

 

おいしいと自信を持てる肉だけを扱う「高橋精肉店」

「高橋精肉店」が店を構えるのは、「ミニまるやまいちば」。「まるやまいちば」で軒を並べていた数店が集まり、開いた、小ぶりの市場です。

「この店は昭和20年に父が創業し、私が小学生だった頃に「まるやまいちば」に移転しました。「まるやまいちば」は本当に大きな市場で、活気がありました」。代表の高橋修さんは、往時をこう語ります。

 
alt、▲「私なんか撮らなくていいから、その代わりに他のお店も紹介してください」と高橋さん。その穏やかで誠実な人柄を慕うお客さんが多く、ショーケース越しに献立の相談にのることも日常茶飯事▲「私なんか撮らなくていいから、その代わりに他のお店も紹介してください」と高橋さん。その穏やかで誠実な人柄を慕うお客さんが多く、ショーケース越しに献立の相談にのることも日常茶飯事


父の背中を見て育った二代目の高橋さんは、どんなお肉を吟味し、取り扱っているのでしょうか。

おいしいと自信を持って言えるものだけをおすすめしています。豚肉は、エサに抗生物質を含ませていない知床ポークを、毎日半頭分ずつ仕入れています。鶏肉も、エサの安全性を考えて、知床どりを選んでいます。雑味がないのが魅力です。牛肉は、ふらの和牛、白老牛がメインです」。

さらっと口にした、ふらの和牛と白老牛。この二つは、北海道に数あるブランド牛のトップクラス。それをそれぞれ月に1、2回塊で仕入れ、お客さんのお好きな量を目の前で測り、切り分けて販売しています。

お客さんに品物を見せ、目の前で測って売る。だから、お客さんも安心して買うことができる。こうした買い物ができる機会もずいぶん減りました。
 

alt、▲こちら、白老牛のサーロインで目方は約3.5kg。サシがきれいに入っていますね!ちなみに、この日のお値段は、100g1,380円。かなりおトクです♪▲こちら、白老牛のサーロインで目方は約3.5kg。サシがきれいに入っていますね!ちなみに、この日のお値段は、100g1,380円。かなりおトクです♪


この他、父の代から同じ味付けの味噌で漬けた「豚みそ漬(1枚200円)」をはじめ、地元大手メーカーが作った生ハムやロースハム、音更町の有名店「宝永」のぎょうざなど、おかずやお弁当にぴったりな加工品もいっぱいです。

 

市場のメンバーと話し合い、市場全体の品揃えを整える

お肉屋さんでありながら、冷蔵ケースには豆腐、揚げ、白滝、こんにゃくが…。高橋さん、これは、どういうことでしょう?
 

alt、▲ガラスがぴかぴかに磨かれたショーケースの中にはお肉が、その向こうの冷蔵ケースには日配品や調味料などが並んでいます▲ガラスがぴかぴかに磨かれたショーケースの中にはお肉が、その向こうの冷蔵ケースには日配品や調味料などが並んでいます


「ここ、「ミニまるやまいちば」には、八百屋、魚屋、酒屋、惣菜屋、花屋がありますが、日配品がないねと。だったら、各店で日配品を振り分けて扱おうということになりまして。うちは豆腐の担当になり、「まるやまいちば」の近所にあるお豆腐屋さんとあまり競合しない品を、ここからちょっと離れた場所で個人でやっているお豆腐屋さんからとって、置いているんです」
 
お客さんの買い物がこの市場の中で完結できるように、そして、市場のメンバーとは共存共栄できるようにと、みなさんで話し合い、考えながら、商いをしているそうです。

「市場の買い物に慣れていない方が増えてきましたから、レジはどこですか?と聞かれることもあってね」と苦笑する高橋さん。それでも、地元の市場を歩きたいと訪れる日本人観光客も多いそうです。

クリスマスには、自家製ローストビーフが登場しますが、「地方発送ができないので、あまり大きく宣伝しないでくださいね」と高橋さん。そう言われると、ますます食べたくなってきました。時期がきたら、こっそりのぞいてみましょう。
 

alt、ミニまるやまいちば

 

クチコミで広がり、連日売り切れの「ささや大福」。

2015年にこの地にオープンした「ささや大福」。以来、そのおいしさがじわじわとクチコミで広がり、いまでは3時のおやつの時間を待たずに完売になる店として知られています。オーナーで大福職人の中村敦俊さんは、元ススキノのバーのマスター。なぜ、転身したのでしょうか?
 

alt、▲中村敦俊さん(右)と職人のお二人。早朝4時から仕込みを始め、開店の9時までに、三人で300個、多い時は400個もの大福、おはぎを作りあげています▲中村敦俊さん(右)と職人のお二人。早朝4時から仕込みを始め、開店の9時までに、三人で300個、多い時は400個もの大福、おはぎを作りあげています


「私の実家は旭川の銀座商店街で、大福や和菓子を作っていました。家業には興味がなく、ススキノで25年ほど働いていたんですが、子どもができてから、食育に興味を持つようになりまして。ふと考えたとき、父が作っているような添加物も使っていない、アレルギー源も含んでいない、からだに優しい大福を作ってみようと思ったんです」。

心を決めれば、あとは行動あるのみ。中村さんは、札幌市内の店が作る大福を食べ歩き、「おやじの大福はうまい。札幌でも受け入れられるはずだ」と確信を得ます。その後ススキノの店を売却し、父に大福の作り方を習いました。

作り方がわかったところで、次は材料の調達です。まず、小豆をどうするか。中村さんが飲みに行ったバーで知り合った方が十勝の業者さんとの仲をとりもってくれ、十勝産「きたろまん」を手に入れる算段がつきました。

そして、豆。「豆大福をメインにしたい」と考えていた中村さんは、北竜町の「黒千石」と出会い、使うならこれしかないと、同級生の伝手をたどって、生産地の農業団体の理事長に直談判。

熱意を買ってくれた理事長は、北竜町産もち米「風の子もち」も紹介してくれ、そのクオリティの高さに、中村さんは「風の子もち」を使うことを即決しました。


人と会うたび、糸がほどけるように、良質な材料の確保がかなっていきました。
 

alt、▲北竜町産、幻の大豆とも呼ばれる極小黒大豆「黒千石」を使った「塩豆大福」180円。「ささや大福」の商品はすべて、防腐剤、保存料一切不使用です▲北竜町産、幻の大豆とも呼ばれる極小黒大豆「黒千石」を使った「塩豆大福」180円。「ささや大福」の商品はすべて、防腐剤、保存料一切不使用です

 

子ども世代のためにも、父から受け継いだ味を。

「ささや大福」では、「塩豆大福」を看板に、黒糖あんの「きなこ大福」、よもぎの香りが色濃く広がる「よもぎ大福」、そして、粒あん、こしあん、きなこやごまのおはぎなど、季節ごとに約8種類を手作りしています。

「勝負どころのあんは、最後の練り込みの時に、強火で一気に仕上げるのが鉄則。塩はちょっと多めに入れ、甘さを引き立てるようにしています」と中村さん。つぶあんの仕込みは、トータルで8時間ほどかかるそうです。
 

alt、▲ひとつひとつ、ていねいに手で丸められているのがわかる顔立ち。あれもこれもと、つい手が伸びてしまいます▲ひとつひとつ、ていねいに手で丸められているのがわかる顔立ち。あれもこれもと、つい手が伸びてしまいます


開店と同時に、地元の人がお財布片手に訪れる「ささや大福」。中村さんがご自身の子どもと子どもたち世代のことを想い、父から受け継いだ大福は、世代を超えて人気を集めています。

「父はもういないんですが、一回食べたかな、僕の作った大福を。特に何も感想は言わなかったけれど、まあいいんじゃないかと、思ってくれたんじゃないですかね」と中村さん。店の名前は、先代の「笹屋菓子店」からいただいたものでもあるそうです。
 

alt、ささや大福外観

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