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公開 | 大宮 あゆみ

ハマりそう!生まれたてのチーズを自分好みに育てる?

旭川市江丹別地区にある旭川あらかわ牧場。ここには、少し変わったチーズがあります。チーズになる前のチーズ。それを、手に入れて自分好みのチーズに育てるのだといいます。一体、どういう事なのでしょう⁉
 

 ▲農家民泊や搾乳体験、乳加工体験などでも人気の旭川あらかわ牧場▲農家民泊や搾乳体験、乳加工体験などでも人気の旭川あらかわ牧場


▲可愛すぎる子牛に癒されます▲可愛すぎる子牛に癒されます

 

目次

・就農前に修行したチーズ工房で運命の出会い
・これなら家庭の冷蔵庫でも失敗なく熟成できる!
・グリーンチーズの存在を知ってもらおう
・料理や好みに合わせた4種類のグリーンチーズが誕生
・旭川でしか手に入らないからこそ旭川土産になる


 

就農前に修行したチーズ工房で運命の出会い

30数年前に江丹別に入植し、酪農を始めた荒川忠基さん。牛は寒さに強いからこの江丹別の寒い冬にも耐える。ストレスのない環境で飼育し高品質の牛乳を作ろう、そんな父の姿を見て育った荒川求さんが、今回の主役です。




 
2代目の求さんは、物心ついたころから「将来は牛飼いになる」と漠然と思っていたそう。

酪農学園大学を卒業後は、家で両親が自家用に取り組んでいたチーズ作りを極めようと、道内の有名チーズ工房、蔵王など他県のチーズ工房で修行の日々を送ります。そんな時、蔵王での修行時代に出会ったのが「ワックスタイプ」のチーズでした。

 

これなら家庭の冷蔵庫でも安心して熟成させられる!

ワックスタイプとは、チーズを一つずつワックス(食品用のロウ)でコーティングしたもの。ワックスには目に見えない小さな無数の穴があるので空気は通しますが、かびや雑菌は通しません。

それによって、不要なかびや雑菌が繁殖しにくく、チーズは自然に呼吸をしながら一般家庭でも安全に熟成させることができるのだといいます。


▲表面はチーズの種類を判別するために食用の色素を使用したワックスで色付けする。食べるときはワックスを剥がす▲表面はチーズの種類を判別するために食用の色素を使用したワックスで色付けする。食べるときはワックスを剥がす

 

グリーンチーズの存在を知ってもらおう

一方、一般的にナチュラルチーズとは生乳に菌を加えて水を抜き、塩水に漬けるなどして乾燥・熟成させたものを指します。熟成過程でそれぞれ個性的なチーズの味や香りが出てきたら商品として世に出る、というのがほとんどです。

この、ナチュラルチーズの熟成前の段階、つまりチーズの形になったばかりの生まれたての状態のものを『グリーンチーズ』と呼びます。
 

▲旭川あらかわ牧場のグリーンチーズは4種類▲旭川あらかわ牧場のグリーンチーズは4種類


求さんは、ワックスタイプを応用することで、ミルクは好きだけどチーズが苦手という人にもチーズを食べてもらえるのでは?と考えます。

ワックスタイプにすれば、まだミルクの風味のほうが強い熟成前のチーズを味わってもらえる。チーズが好きな人は、好みの味に変化するまで家庭の冷蔵庫で熟成させて楽しんでもらえばいい。

自慢の牛乳を使い、ワックスタイプのグリーンチーズを作ろう。


▲牧場の敷地内に建てた小さなチーズ工房 ▲牧場の敷地内に建てた小さなチーズ工房


修行を終え旭川に戻ってきた求さんは、2013年に敷地内に小さなチーズ工房を作りました。試行錯誤を重ねてたどり着いたのがワックス5層仕立てのグリーンチーズです。

旭川あらかわ牧場では、生まれたてのチーズにワックスを重ね塗ること計5回。後半の2回は色のついたワックスにして、一目見てチーズの種類がわかるように工夫しました。


 

 

料理や好みに合わせた4種類のグリーンチーズが誕生






【コクの赤】熟成していくほどにコクが出てくるタイプ。料理の味に深みを出してくれます。サラダや肉・魚料理に!

【ミルク風味の白】熟成中期までは溶かすとミルクの風味を楽しめ、加熱するとトロっと糸を引くように溶けます。ピザやフォンデュがおすすめです。

【マイルドの橙】まろやかでチーズらしい酸味が特徴。比較的熟成が早く進むのがこちら。サンドイッチやハンバーガーに!

【香薫の茶(スモーク)】特殊な方法で熱と時間をかけずにスモークに!チーズとスモークが馴染みながら熟成がすすみます。おつまみに最高です!

 

旭川でしか手に入らないからこそ旭川土産になる

旭川あらかわ牧場のグリーンチーズは、残念ながら全国の主要駅や主要空港の土産店では販売していません。札幌中心部の大型土産店にもありません。ネット通販もしていません。

年に数回道外で開催される北海道物産展に出店する以外は道外で購入する術はなく、常設店舗は旭川市内の「道の駅あさひかわ」、JAあさひかわ農産物直売所「あさがお」、JR旭川駅中の土産店の3店舗だけです。




 
「お客さんに、どこでも買える土産物ではなくて旭川にしかないものを旭川土産として贈りたい、って言われたんです。だから基本的には旭川以外で販売するのはやめようと。実際、僕一人で作ってるようなものなので、量産も無理なんですけどね」と求さん。


▲パッケージに貼るシールにはおすすめの調理法のアドバイスも▲パッケージに貼るシールにはおすすめの調理法のアドバイスも


仕上がったチーズには、1週間から24ヶ月までどのように熟成が進んでいくのか説明したパンフレットが入っています。これを見ながら、好みの熟成期間を決めて冷蔵庫で寝かせるもよし、少しずつ味わって味の変化を見るもよし。

カットした後の保存方法や粉チーズとして使いたい場合の処理の仕方なども記載されています。季節によってもミルクの味が異なるのでチーズの味も違います。これはもう、クセになりそうなチーズなのです。
 
旭川に行ったら買うしかない!
というより
これを買いに、旭川へ行くしかないですね!
 

取材・文/北海道Likersライター大宮あゆみ
撮影/吉田公貴
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