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公開 | 立花実咲

植物のちからを届けます。下川町一の橋地区の手作りクラフトコスメ「SORRY KOUBOU」

旭川から北へ車を走らせて約2時間。森を抜けると、一の橋という小さな集落にたどり着きます。上川地域にある下川町の一の橋地区は、かつては人口2,000人を誇った街でしたが、主産業だった炭鉱業が下火になってから、たくさんの人が出て行ってしまいました。





ですが、木質バイオマスボイラを活用したエネルギー施策などが功を奏し、急激な人口減少はストップ。近年は、集落全体の高齢化率が40パーセントから20パーセントに下がるなど、人々の暮らしがふたたび広がりつつあります。




 
その中でも最近は、ものづくりをする作り手たちが、創作に没頭できる環境を求めて、少しずつ一の橋に集まりつつあります。クラフトコスメを作る「SORRY KOUBOU(ソーリーコウボウ)」も、一の橋の環境に惚れ込み、根をおろした女性二人組です。
 
 

植物のちからを濃縮した「SORRY KOUBOU」のハーブチンキ

「SORRY KOUBOU」は、東北から地域おこし協力隊として移住してきました。福島県出身の山田香織さんと、岩手県出身の小松佐知子さんが、自分たちの畑でハーブを育て、化粧水や石鹸を手作りしています。


▲小松佐知子さん(左)、山田香織さん(右)


メインのハーブはカモミール。夏になると一斉に白い花を風にゆらす畑の風景は、まるで絵本の一ページのようです。



 
 
この一の橋の畑でたくましく育ったハーブたちは、石鹸やスキンオイル、そしてハーブチンキの原料になります。チンキとは、ハーブの効能をぎゅっと濃縮したエキスのこと。手作り化粧水やクリームの材料、うがい薬として使うなど、ハーブの効能に合わせてさまざまな使い方があるのが特徴です。

マイナス30度にもなる冬の寒さを乗り越えた植物を、一つずつ摘みとり、手作業でハーブチンキをつくります。



 
 
現在の「SORRY KOUBOU」のチンキのバリエーションは、全部で8種類。カモミールとオレンジのカレンデュラ、ヨモギやミント、最近はマローという新しいピンクの花のハーブがラインナップに加わりました。
 
 

「SORRY KOUBOU」らしい商品の届け方

「SORRY KOUBOU」の商品は、オンラインで買うことができます。また、イベントやポップアップショップに出店することもしばしば。そうした対面販売の場は「SORRRY KOUBOU」らしさが発揮される、大切な機会だといいます。




 
「ハーブチンキは、そのまま販売しても活用の仕方が分からないというお客様も多くいらっしゃいます。ですが、対面で“こうやって使うんですよ”とお見せして、香りも感じていただくと、多くのお客様が気に入って買っていってくださるんです。

ハーブに詳しい方も“わたしはこんな使い方をしているよ”と教えていただくこともありますし、こちらが勉強させていただいています」(小松さん)





自分たちが本当にお客様に届けたいのは、売りやすいものではなく、植物のちから。そのため、実演販売のような形で、お客様とコミュニケーションをとりながらハーブチンキの良さをよりていねいに届けるようになったといいます。




 
「私たちのお客様は、リピーターの方がとっても多いんです。あと、お客様がお友達に紹介してくださるケースも多い。すべて手作業なので、一気にたくさん作ることはできないんですが、そういうやりとりで少しずついろんな方に知っていただく方が、私たちらしいなと思うんです。
 
アンケートも、よく取らせていただくのですが、そこでいただいたご意見も、なるべく早く反映するようにしています。私は手紙を書くのが好きなので、お客様に季節のお手紙を書いたり、いただいたお手紙のお返事を出したりします」(山田さん)

 

すべての肌の悩みを解決できるわけではないけれど 

小さいころから、アトピーに悩まされていた山田さん。ふだんからご自身で石鹸を手作りしており、移住する前も化粧品の会社で働いていました。
 
けれど、2011年の震災をきっかけに「消費者から生産者になりたい」という思いを強くし、友人だった小松さんに相談。すると、小松さんが化粧品製造販売責任者となれる資格を持っていたことが分かり、早速事業をスタートする準備にとりかかりました。




 
下川町を知ったのは、事業を始める地域を探していたときのこと。地域おこし協力隊という制度を知らなかったお二人に、下川町の方から協力隊の制度を活用する提案や、化粧品事業への後押しがあったといいます。
 
「以前は機械を使って内勤で働いていたのですが、自然の中で働くのが一番自分らしいんじゃないかなと、漠然と感じていました。そんな時、東日本大震災があって。1ヶ月、電気がなくて食べ物もお店からなくなった経験があったから、下川町や一の橋の木質バイオマスボイラの取り組みに、すごく共感したんです。

バイオマスエネルギーの資源は木片ですが、それで熱エネルギーが作れるということは、木が周りにたくさんある環境って実はすごく豊かなんじゃないかと思いました。下川の方も、応援してくださる方が多くて、畑仕事を手伝っていただいたこともあります。本当に周りの方に助けていただいて、ここまでやってこれたと思っています」(小松さん)
 
山田さんと小松さんは、2017年の春に3年間の任期を終え、地域おこし協力隊を卒業。そのまま二人で会社をおこし、現在は創業2年目を迎えます。




 
「私自身、カモミールが自分の肌にとても合って、植物の恩恵を受けてアトピーが良くなったという経験があるので、もっと植物のことを研究したいなって思っています。肌荒れが良くなるだけではなくて、暮らしが豊かになるような化粧品や、食にまつわる物にもチャレジしたいなと思っているんです。
 
薬や他のものに頼るのではなく、自己免疫力を高めていけるような知識や商品を作っていきたいですね」(山田さん)

「私は最初、『私が作った商品で、肌が弱い人を救いたい』という壮大なテーマを掲げていたんですけれど、最近、それってすごくおこがましいなって気がついて。私ができることって、本当にわずかだから、シンプルに植物のちからをお届けできる商品作りをして、それが誰かの助けになったらいいなって、思っています」(小松さん)





▲下川町内のバス停のサイズに合わせて手作りされた看板が目印


2018年6月には「cosotto, hut(コソットハット)」というお店もオープンしました。日曜日と月曜日のみオープンしており、一の橋の畑や自然に囲まれ、ちょこん、と立っている小さなお店です。今後は「cosotto, hut」も活用して、お客様との時間も紡いでいきたいとのこと。




 
「ごめんなさい、分からないから教えてください」という謙虚な心を忘れないように、という思いで名付けられた「SORRY KOUBOU」。
 
お二人のものづくりに対する真摯な気持ちと、そして「SORRY KOUBOU」が信じる植物のちからは、手作りされた商品を手に取ればきっと実感できるはずです。




 

関連リンク

SORRY KOUBOU 公式サイト

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Writer

立花実咲

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