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公開 | nobuカワシマ

日本最北端の駅、稚内駅の北へさらに線路が伸びていた!? 歴史を紐解く街歩き




日本国内で一番北にある駅は稚内駅。
駅の内外には、日本最北端の鉄路であることを示す記念碑などがいくつもあります。

でも、駅の北にも線路が!?
あれ、最北端は稚内駅じゃないの?

その答えを探るべく、稚内駅と近くにある「北防波堤ドーム」と「稚内市北方記念館」へ訪れてみました。

 

目次

・日本最北端の駅、稚内駅
・稚内駅の北へ、さらに線路が!?
・かつての終着駅は現在の北防波堤ドーム
・最北の鉄路の証を探る


 

日本最北端の駅、稚内駅

稚内駅はJR宗谷本線の終着駅。

普通列車のほか、札幌駅や旭川駅からの特急列車が発着します。

日本最北端の駅として知られていて、
ここへ降り立つ多くの観光客が最北端を示す案内板などで記念撮影をしています。

 
最北端の証の前で記念撮影するのはお約束!▲最北端の証の前で記念撮影するのはお約束!

 
駅ホームや改札周辺など、各所に日本最北であることを感じる案内表示があります▲駅ホームや改札周辺など、各所に日本最北であることを感じる案内表示があります


稚内駅に到着すると、ホーム上でサクサクッと最北端の証で記念写真を撮り、改札口へと向かいます。

 
改札口はホーム先端の扉の先。線路はここで途切れています▲改札口はホーム先端の扉の先。線路はここで途切れています


改札口を出て左手、ガラス越しに停車中の列車や線路とともに、
「最北端の線路」と記された大きな案内板があります。


 
改札外での記念撮影はここが定番!▲改札外での記念撮影はここが定番!


列車の発着待ちに手軽に記念撮影できるスポット。
多くの人たちが最北の地へ訪れた証に、ここでカメラを向けています。

 
ガラス越しにこのように撮れます▲ガラス越しにこのように撮れます

 

稚内駅の北へ、さらに線路が!?

床を見ると、線路があります。正確には線路を埋め込んだモニュメント。
ホームと反対側に目を向けると、線路のモニュメントが屋外へと続いています。

 
稚内駅の改札前ロビーのど真ん中を貫いています▲稚内駅の改札前ロビーのど真ん中を貫いています

 
屋外に出ると、線路のモニュメントは少し先で行き止まりになっていました▲屋外に出ると、線路のモニュメントは少し先で行き止まりになっていました


現在の稚内駅は、2011(平成23)年に誕生した比較的新しい駅舎。
翌2012年に全面開業した「キタカラ」という、
バスターミナルや道の駅もあわせた複合施設の一角にあります。

それ以前は現在の駅舎の東側と北側に複数の線路があり、この付近まで線路が伸びていました。

 
ここもちょっとした人気記念撮影スポット。順番待ちになることもあります▲ここもちょっとした人気記念撮影スポット。順番待ちになることもあります


ここで終わりかと思いきや、まだまだ続きます。
北へ目を向けると、線路が埋め込まれた遊歩道が続いています。

 
ベンチが並ぶ遊歩道。一見すると路面電車の線路みたい!?▲ベンチが並ぶ遊歩道。一見すると路面電車の線路みたい!?


遊歩道の先は駐車場となり途切れてしまい、ここで終了。

 
駐車場の先には、観光名所として知られる北防波堤ドームがあります▲駐車場の先には、観光名所として知られる北防波堤ドームがあります

 

かつての終着駅は現在の北防波堤ドーム

歴史を遡ると、昭和40年代まではさらに先まで線路跡があり、
終戦時までは旅客列車や貨物列車が走っていました。

かつての終着点は、現在の北防波堤ドームがある場所です。

 
古代ローマ建築物のような太い円柱とゆるやかな曲線を描く回廊が特徴▲古代ローマ建築物のような太い円柱とゆるやかな曲線を描く回廊が特徴


北防波堤ドームは、高波や風雪がかかるのを防ぐために作られた、ドーム型の防波堤。

1936(昭和11)年に竣工し、その後昭和時代中後期に改修され、現在の姿になりました。

 
防波堤の後ろは宗谷海峡▲防波堤の後ろは宗谷海峡


ここまで線路が伸びていた理由は、
鉄道と稚泊(ちはく)航路の乗り換えをしやすくするため。

稚泊航路とは、稚内と日本領だった樺太の大泊(現在のロシア、サハリン州コルサコフ市)とを結んでいた定期航路。

1923(大正12)年に航路が開設され、
1945(昭和20)年8月24日に稚内へ到着した便を最後に運航休止となりました。


ドーム型防波堤を新築中の稚内港。稚泊航路の船が停泊しています(写真提供:稚内市教育委員会)▲ドーム型防波堤を新築中の稚内港。稚泊航路の船が停泊しています(写真提供:稚内市教育委員会)


かつて樺太までの航路は小樽発でしたが、
時間がかかるうえ悪天候で欠航になることも多かったそうです。

そのため、1922(大正11)年に宗谷線(旧天北線)が稚内まで全通する機会に合わせ、
稚内発の航路が開設されました。

 
宗谷線開通当時の稚内市。現在の南稚内駅南方の丘から初代稚内駅(現在の南稚内駅)や稚内港を眺めた様子(写真提供:JR北海道旭川支社)▲宗谷線開通当時の稚内。現在の南稚内駅南方の丘から初代稚内駅(現在の南稚内駅)や稚内港を眺めた様子(写真提供:JR北海道旭川支社)


宗谷線開通当時の最北の駅、稚内駅は現在の稚内駅の南方、稚内市港3丁目にありました。

現在の稚内駅付近には稚泊航路利用者のための「稚内連絡船待合所」がありましたが、
当時の駅と連絡船待合所は約2kmも離れていたので、乗り換えにはちょっと不便…。


当時の稚内駅(写真提供:稚内市教育委員会、無断転載禁止)▲当時の稚内駅(写真提供:稚内市教育委員会、無断転載禁止)


そこで、鉄道を北へ延伸!

1928(昭和3)年に当時の稚内駅の南(現在の南稚内駅付近)から連絡船待合所付近まで臨港線を新設し、
稚内連絡船待合所を駅に昇格し稚内港駅として開業。

さらに、
1936(昭和11)年にドーム型の防波堤が竣工したことに合わせて稚内港駅から桟橋線を新設し、
1938(昭和13)年に防波堤の桟橋内に「稚内桟橋駅」ができました。

正確には、稚内桟橋駅は稚内港駅の一部のため「稚内港駅構内稚内桟橋」といいます。

ちなみにこの翌年、当時の稚内駅は南稚内駅に、稚内港駅は稚内駅へと改称されています。

 
北防波堤ドームの前にある広い道は、かつて線路があった場所▲北防波堤ドームの前にある広い道は、かつて線路があった場所


ドームの回廊内にはホームがあり、
階段で線路を越えて連絡船待合室へ行くことができたそうです。

 
広々とした現在の回廊。はるか昔、ここにホームがあったのですね~!▲広々とした現在の回廊。はるか昔、ここにホームがあったのですね~!


ただ、ここが連絡船の乗り換え駅として機能していたのは7年間だけ。
終戦にともなう稚泊航路の運航休止とともに、実質的に乗換駅としての役目を終えました。

1945(昭和20)年8月13日から24日までの12日間、
樺太からの疎開者であふれ返っていたそうです。

 

最北の鉄路の証を探る

稚泊航路が運航されていた当時の桟橋庁舎などは戦後しばらく残っていましたが、
1972(昭和47)年に取り壊されて現在のような広い道路ができました。

ホームの痕跡はなくなりましたが、ドームも綺麗に修築されました。


とはいえ、北防波堤にはかつてここに航路と鉄路があった証が2つ残されています。

1つ目は、稚泊航路記念碑。


 
航路の歴史と先人の労苦を刻む史跡として、この一帯が修築された時にできました▲航路の歴史と先人の労苦を刻む史跡として、この一帯が修築された時にできました


稚泊航路で活躍した宗谷丸の号鐘が吊るされています▲稚泊航路で活躍した宗谷丸の号鐘が吊るされています


もう一つは、C55型というSLの車輪。

C55型は戦中に稚泊航路との接続列車を、
戦後は急行「利尻」を牽引していた機関車です。

 
しばらく機関車ごと展示されていましたが、塩害による腐食が進んだため解体され、現在は車輪のみ展示されています▲しばらく機関車ごと展示されていましたが、塩害による腐食が進んだため解体され、現在は車輪のみ展示されています


より詳しいことを知りたいという人は、
稚内市北方記念館へ行ってみるのがおすすめ。


北防波堤ドームから背後の丘を見上げ、塔がそびえたっているところに稚内市北方記念館があります▲北防波堤ドームから背後の丘を見上げ、塔がそびえたっているところに稚内市北方記念館があります


ここには稚内市や樺太(サハリン)の昔の資料が山ほど展示されています。

稚内市北方記念館と併設している稚内市開基百年記念塔の上まで上がると、
稚内港などを一望!

 
現在の稚内駅から北防波堤ドームまで、このへんに線路があったのだな~、と想像しながら眺めてみては?▲現在の稚内駅から北防波堤ドームまで、このへんに線路があったのだな~、と想像しながら眺めてみては?


ここからは稚内港の全貌を眺められるだけではなく、
天候がいい時は宗谷岬をはじめ、利尻島や礼文島、
宗谷海峡の向こうのサハリンや、サハリン沖のモネロン島まで見えますよ。

なかなかの絶景!お時間ある方はぜひ。

 
礼文島(右)は見えたものの利尻島(左)は山頂部が雲隠れ…▲礼文島(右)は見えたものの利尻島(左)は山頂部が雲隠れ…

 
水平線上にサハリンの島影が見えました~!▲水平線上にサハリンの島影が見えました~!

 
ノシャップ岬の赤白灯台カワイイ♪海の向こうの島影はモネロン島です▲ノシャップ岬の赤白灯台カワイイ♪海の向こうの島影はモネロン島です


最北端の駅と最北の線路を探る旅。いかがでしたか?

今は線路がなくても、かつてはここにSLが走り、
たくさんの人たちが船に乗り換え海を渡っていたんだな~と、
当時に想いを馳せるのも楽しいものです。


稚内駅までやってきたら、最北端の証で記念撮影を撮るのは必須!
そのあと、みなさんならどこまでたどってみますか?


 

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