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公開 | 小西 由稀

「農」の価値とカタチ②5代目純農Boyグランプリ・水野弘樹さん500da714 faab 40a3 988a 49088cf2d731

純農boyグランプリの水野弘樹さん


仕事以外の世界を持つこと。
どの職業においても大切とされることですが、もちろん、農業にも同じことがいえます。
 
視野を広げ、学んだこと、気づいたことを栽培に、そして農業経営にフィードバックしたい。
そんな思いでさまざまな活動に取り組む、若き生産者がいます。

 

20代のうちにさまざまな経験を
純農Boyコンテストへの挑戦 

熱い思いを持つ農業青年のコンテスト「純農Boy」。

某誌の男性コンテストにヒントを得たもので、グランプリ受賞者は北海道の農業青年を代表し、農業の魅力をPRする役割を担っています。
 
その5代目グランプリに輝いたのが、23歳の水野弘樹さん。
トマトの生産量北海道一誇る平取町で、トマトと米を生産する農業後継者です。
 

純農boyグランプリの水野弘樹さん▲5代目グランプリとして、北海道農業をPRするポスター
 
 
―純農Boyに挑戦したきっかけを教えてください。
 
水野さん(以下、水野):純農Boyとして活動している先輩農業者を見て、「いつか自分もなれたら…」と憧れていました。
 
実はボク、口下手でして…。そういう自分を変えたいと思って、純農Boyに挑戦しました。

 
純農boyグランプリの水野弘樹さん▲パフォーマンスタイムでは高校時代、吹奏楽部だった経験からフルートの演奏を披露。写真提供/水野さん
 

まだ純農Boyの活動を始めて4ヵ月ほどですが、いろんな取材を受ける中で、農業に対する自分の考えをまとめる良い機会をもらっていますし、それ以上に発言をする難しさも感じています。
 
20代のうちにいろんな経験をしたいと思っています。

 
純農boyグランプリの水野弘樹さん
 
 
―農業を継ごうと思ったのはいつ頃からですか。
 
水野:高校に入ってからなんです。その前までは、あまり考えていなくて。農家の息子だから、進学も何となく農業高校へ、という感じでした。
 
平取がトマトのすごい産地だということも、高校に入ってから意識し始めました。
 
知れば知るほどに、平取がトマト栽培に適した産地だとわかり、先代が築き上げた産地を守っていけたら…という思いが強くなりました。
 
さらに勉強するために農業専門の短大に進学。ここには全国から農業後継者が学びに来ていて、この出会いが刺激になりました。

 
純農boyグランプリの水野弘樹さん▲収穫を待つトマト。平取町では大玉の品種「桃太郎」を使用
 
 

ワーキングホリデイにヒッチハイク
就農前にさまざまな価値観にふれる 

―短大卒業後、すぐに就農せず、ワーキングホリディでニュージーランドに渡っていますが、これはなぜでしょう?
 
水野:農業は家族経営が多く、家族以外と関わることが少ない職種です。
 
就農前にいろんなことを見てみたいと思い、ニュージーランドに約9ヵ月滞在しました。
 

純農boyグランプリの水野弘樹さん

 
いろんな職種のアルバイトを体験。英語が話せないので、羊の尻尾を切る仕事、スーパーのカートを集める仕事など、簡単なものが多かったですね。
 
貧乏生活だったので、海に落ちている貝を食べてお腹を壊したり(笑)と、日本、北海道にいてはできない経験をいろいろしてきました。
 
食べたいものを楽しめるって、とても大切なことだと実感。
生活の源である食を提供する農業という仕事の大切さも、あらためて思いました。

 
純農boyグランプリの水野弘樹さん▲ワーキングホリデイの仲間たちと。写真提供/水野さん
 
 
―その後、すぐに北海道に戻らずに、ヒッチハイクの旅に出たのですね?!
 
水野:はい。日本語を話したくて、東京~熊本を2週間かけてヒッチハイクで縦断。
 
見ず知らずのボクを車に乗せてくれる人が多くて、驚きました。知らない人にやさしくできるって、すばらしいなって。

 
純農boyグランプリの水野弘樹さん


宿泊は、短大の同級生たちの家にお世話になりました。
北海道とはまた異なる農業の現場を見せてもらったり、話を聞いたり。
 
特別な目的があった旅ではありませんでしたが、いろんな価値観にふれることができたのが、自分にとってプラスになったと思います。
 
 

農業以外の時間を持つ大切さを実感
そこから学び、吸収していきたい 

―水野さんは、JA青年部(JAに集う若手農業者の組織)や4Hクラブ(農業青年クラブ)などの活動にも積極的ですが、活動を始めるきっかけを教えてください。
 
水野:就農して1年目は覚えることも多く、仕事ばかりであっという間でした。
このままだとつまらないし、視野が狭くなってしまうとあせりました。
 

純農boyグランプリの水野弘樹さん
 

親よりも良い経営をしたい。これは農業後継者なら誰もが思うことです。
 
その時代、時代で、農業経営の方法も選択肢も変わると思うんです。
具体的な目標はまだ見えていませんが、少なくとも親と同じやり方では、親を越えることはできない。
 
家の外に出て、自分で何かに気づく機会を得たいと、先輩から誘われたJA青年部や4Hクラブでの活動に参加。
20代のメンバーが集まる「びらとり4HCクラブ」では、会長を務めています。
 
 
―びらとり4Hクラブではどんな活動をしているんですか?
 
水野:主に地域活動に取り組んでいます。     
 
道沿いに花を植えるなどのボランティア活動。
農業は地域の理解が必要なので、農業の魅力を子どもたちに伝える食育活動。
そして、農業の知識や技術につながる勉強会です。

 
純農boyグランプリの水野弘樹さん▲びらとり4Hクラブの食育活動の様子。写真提供/水野さん
 
 
健康ブームで人気の雑穀に着目。
びらとり4Hクラブとして休耕地を借りて、いなきびを栽培し、商品化しました。
 
平取はアイヌ文化が根付いたまち。いなきびは昔から親しまれていた食材だったこともあって、あっという間に60kgが完売。

 
純農boyグランプリの水野弘樹さん

 
今後もこういう商品化に取り組み、レシピをつくるなど、食べ方の提案もしていきたいです。
 
 
―食べ方といえば、野菜ソムリエの資格を持っているそうですね?
 
水野:はい。農家で野菜ソムリエを持っているのは珍しいですよね。
 
消費者の方に直接販売する機会も多いんです。
野菜のつくり方は知っていても、栄養面などの質問には答えられなくて。それがきっかけで資格を取りました。
 
流通が複雑なので、生産者の声が直接、消費者に届きにくい。
ボクら若手には、農家の声を届ける役割があると思っているので、そういう機会を大事にしたいです。

 
純農boyグランプリの水野弘樹さん
 
 

常識や当たり前を変えていきたい
柔軟な発想で新しい農業を 

―さまざまな活動を通して、農業にどんな未来を考えていますか?
 
水野:「農家だから○○は当たり前」というのをなくしていきたい。
 
例えば、休みもなく朝から晩まで働いてキツイなど、3Kというイメージ。
仕事の仕方を見直し、効率化することで、農繁期でも週に1回の休みをつくることは可能だと思っています。
 
昔と違って家族が少ないので、家族経営では労働力が先細りになる。
人材確保のために、働きやすい労働環境や住居などの諸条件を整えていくことも大切だと考えています。
 

純農boyグランプリの水野弘樹さん

 
ゆくゆくは農業を、サラリーマン並みの休みが取れる職種にしていきたい。
そこで新たに生まれた時間を有効に使えれば、自分にとっても仕事にとってもプラスになるはず。
 
農家としても質と量、より上を目指せる技術を身につけたい。
 
そのためにも、いろんな意見や情報を得て、良い部分は取り入れて試していきたい。
 
農家の常識とされることを、良い意味で変えていけたら…と思っています。

 

関連サイト 

・北海道農協青年部協議会
・北海道4Hクラブ連絡協議会
・JAグループ北海道

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