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公開 | みふねたまき

思い出の場所を残すため、バトンをつなぎパンを焼く。ニセコ町の『さいとう製パン』

ニセコ さいとう製パン 焼き立て 食パン


みなさん、パンは好きですか?
ふわふわの食パンを、そのままぱくり。こんがりトーストしてバターにハチミツ……考えただけで、ゴックン……のどがなります。

今回ご紹介するのは、「ニセコでパンといえば、ココでしょ」と、町の人から愛されるパン屋さん、「さいとう製パン」です。「食パンがおいしい」「あんぱんが好き」「揚げパンがおすすめ」などの声を聞くたびに、期待はふくらむばかり。

札幌から車を走らせること約2時間。ニセコ町の中心部、駐在所の近くにあるお店を訪ねました。

 

この場所を守り、のこすために

ニセコ さいとう製パン▲「さいとう製パン」の2階に住み込みパンを焼く四釜明拓さん


「さいとう製パン」の創業は1953年(昭和28年)、今から65年前。

最盛期には学校給食も手がけていたと言いますから、ニセコ町の人はここのパンを食べて大きくなったといってもいいくらい、生活に深く根付いたお店です。
90歳近いおじいちゃんおばあちゃんが、夫婦で営むお店としても有名でした。

そんな「さいとう製パン」で、現在パンを焼いているのは四釜明拓さん。パン職人を夢見て福島から北海道にやってきた、写真のとおり笑顔が優しい好青年です。

パンづくりの仕事を求め、5年前に北海道へやってきた四釜さん。札幌のベーグル・ドーナツ専門店に職を見つけ働いていましたが、2年前のある日、「ニセコのパン屋さんで人を探してる。やってみない?」と、誘われます。

「声をかけてくれたのは、ニセコのベーグル屋さんSEEDの平野さんでした」と四釜さん。平野さんとは北海道へ来たばかりの頃、ニセコのスキー場でアルバイトをしている時に知り合いました。


ニセコ さいとう製パン 斉藤タキ子さん▲斉藤タキ子さん、御年91歳(撮影/SEED平野さん)


「さいとう製パン」では数年前にご主人が他界されてから、妻のタキ子さんが一人でパンをつくり続けていました。

このときタキ子さんは90歳。焼くのは不定期で、食パン10本だけとはいえ、やはり限界があります。

一方で、大切に使ってきたオーブンなどの機械はまだまだ現役。続けてくれる人がいるなら託したいと、顔見知りだった平野さんに相談し、四釜さんへとつながったのです。

「平野さんの話を聞いて、おばあちゃんに会って、この場所をずっとのこせるように、ここでパンを焼きたいと思いました」と四釜さん。
65年という歴史が物語るように、お店で使われているパンづくりの機械はひと昔前のものばかり。以前勤めていたお店で使っていたものとは違います。

「オーブンが45年前、ミキサーが50年前と、今ではほとんど見ることのない機械ばかりで、慣れるまでは操作にちょっと手間取ったりしましたが、どれも不具合なく動きます。きちんと手入れされていて、大切に使われてきたことがわかりました」


ニセコ さいとう製パン オーブン▲1970年代に導入された業務用オーブン。ハンドルを操作して庫内の温度を調節


ニセコ さいとう製パン 年代物の機械▲スライサーや成型機も50年選手。レジも昔懐かしいボタン式


ニセコ さいとう製パン 石炭ストーブ発酵▲発酵室の熱源はなんと!石炭ストーブ。割高になってしまう燃料代が目下の悩み

 

よい素材を選んで、シンプルに

現在、四釜さんは「さいとう製パン」の2階を間借りし、住み込みでパンを焼いています。
店頭に並ぶのは食パン、あんぱん、クリームパン、揚げパン、メロンパン、チョココルネなど10種類ほど。どれも「さいとう製パン」で、昔から変わらず愛され続ける定番です。

「基本的にはおじいちゃんが遺してくれたレシピをもとに、マーガリンをバターにしたり、脱脂粉乳を牛乳にしたり、材料の一部を変えて作っています。おばあちゃんは今も現役で山食パンを焼いているので、僕が作る食パンはレシピもカタチも変えています。

なかでも白い食パンは、卵や牛乳を使わずに、道産小麦と羊蹄山の水など素材にこだわって、シンプルなレシピで焼いています」

出来上がったパンも、もちろん気になりますが、ここからはパン作りの様子をご紹介!


ニセコ さいとう製パン パンづくり 成型


ニセコ さいとう製パン パンづくり生地成形▲生地をのばしてまるめて、ビスケット生地をかぶせて、チョコチップメロンパンを整形中


ニセコ さいとう製パン 発酵室▲発酵室でゆっくりねかされ、ふっくら大きくなったメロンパン


ニセコ さいとう製パン オーブン メロンパン▲発酵後はオーブンに。あとは焼き上がりを待つだけ


ニセコ さいとう製パン オーブン内▲焼き加減はどんな感じ?庫内の様子をチェック

 

これが人気の焼き立てパン!

パンづくりの様子をご紹介したところで、お待ちかね!ここからは四釜さんが焼く「さいとう製パン」オールスターズ!この日焼き上がった評判のパンたちをご覧いただきましょう。


ニセコ さいとう製パン 焼き立てパン▲焼き上がったばかりのパンはカウンター横の棚でひと休み。オーブンから出された直後のアツアツ焼き立てが買えるのも嬉しい


ニセコ さいとう製パン 食パンいろいろ▲上段左からブドウパン(1本1,200円、1/3サイズ400円)、全粒粉食パン(1本900円、1/3サイズ300円)、白い食パン(1本720円、1/3サイズ240円)


ニセコ さいとう製パン 食パン トースト▲四釜さんの白い食パン。焼き立てを店内のトースターで、こんがりトーストしていただきました♪


ニセコ さいとう製パン あんぱん▲みんな大好き!「あんぱん(1個160円)」にはニセコの小豆で炊いた自家製のあんこがたっぷり


ニセコ さいとう製パン コッペパン▲こちらも自家製カスタードたっぷりの「クリームパン(1個160円)」


ニセコ さいとう製パン チーズパン▲溶けたチーズが香ばしい「チーズパン(1個150円)」


ニセコ さいとう製パン あんドーナツ▲前の職場がドーナツ専門店だった四釜さん。揚げるのはお得意!「揚げあんぱん(1個180円)」も美味しそう


ニセコ さいとう製パン 揚げパン▲揚げあんぱんは粉砂糖でお化粧してから渡します

ニセコ さいとう製パン コッペパンラスク▲おみやげにおすすめ「コッペパンラスク(1箱600円)」。ニセコの道の駅でも好評販売中


もちろん、これがすべてではありません。
ほかにも学校給食で提供されていたコッペパン、メロンパンやチョココルネ(1個180円)、SEED平野家のカレーから生まれた絶品カレーパン(1個220円)などなど、年齢を問わず幅広く愛される安心&定番のパンたちがそろっています。

「お母さんが妊婦さんの頃からここのパンを食べていて、生まれた子もここのパンを食べて育って、そういうつながりのなかで、ずっと変わらずに愛されてきたパンなんです。それを今度は自分が作り手として任されたわけですから責任重大です」。

そういいながらも、自分で手をかけて作ったものを、「お客さんの顔を見ながら、直接手渡せるのが嬉しい」と四釜さん。

 

もっともっと、つながりを大切に

ニセコ さいとう製パン 店舗前▲白いのれんをかけて、木製パンのオブジェを飾ったら開店準備完了


ニセコ さいとう製パン ショーケース カウンター▲10時にお店が開店すると、パンを焼きながら接客まで、一人でフル回転


以前は店内にテーブル席があり、簡単な軽食も出していたといいます。

「子どもたちが学校帰りに寄ったり、仕事中にお昼を買いに来たり、町の人の暮らしに密着していたのだと思います。町の人に安心して食べてもらえるように、昔から愛されているここのパンを守りながら、少し新しいものもプラスして、この場所をずっと残していくために、パンを焼き続けたいと思っています」

店頭で販売するほかに、ペンションやカフェにもパンを提供。町の人はもちろん、長期滞在客向けにパンの宅配も準備中とのこと。
「ニセコはこれからも人やお店が増えていくと思います。ここのパンがあるから、このメニューが作れると思ってもらえるような、地域の人に必要とされるパンづくりをしたいですね」

四釜さんが「さいとう製パン」に来てからもうじき2年。
近隣のペンションやカフェに加え、イベントへの出店などもあり、「時間に追われてバタバタしてしまうことが多くて…。本当はお客さんにゆっくりしてもらえるように、珈琲を出したりできるといいんですけど」と苦笑い。

一方、四釜さんに仕事を託し、今は注文のパンを焼く以外は悠々自適のタキ子おばあちゃん。朝早くから起き出して、一人黙々パンを焼く四釜さんの仕事ぶりを、ニコニコ嬉しそうに見守っていました。


ニセコ さいとう製パン 店舗入り口 四釜さん▲最後にお店の前でパチリ。町の人の思い出がつまった「さいとう製パン」を守り、パンを焼く四釜さん

 

イベント情報

大丸札幌店地下食品フロアで、9月5日(水)~11日(火)まで開催される「ほっぺタウンのほっぺパンまつり」に出店決定!
「さいとう製パン」の出店は、9月5日(水)~7日(金)の3日間です。どのパンが並ぶかは当日のお楽しみです♪

 

関連リンク

四釜さんが焼く「さいとう製パン」のパンは、こちらでも買えます。
道の駅ニセコビュープラザ(instagram)

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