
室蘭夜景や地球岬などの絶景が有名な室蘭。
工場地帯がありながら大自然も広がり、都市景観と自然景観を楽しめるのがこの街の特徴。
絶景スポットが数多くあり、代表的な景勝地は「室蘭八景」と呼ばれています。みなさん、この中でいくつ行ったことがありますか?
目次
・室蘭八景って何?・どこから見る?「黒百合咲く大黒島」
・眺め爽快!「絵鞆岬の景観」
・街の近くに大自然!「マスイチ浜の外海展望」
・昼も夜もとにかく絶景!「測量山の展望」
・まあるい地球、見えるかな?「地球岬の絶景」
・金銀きらめく!?「金屏風・銀屏風の断崖絶壁」
・すごい絶壁!「トッカリショの奇勝」
・ゼッタイ見たい!撮りたい!「室蘭港の夜景」
室蘭八景って何?
室蘭市は温泉が有名な登別市の隣にあり、新千歳空港からは車で約80分、札幌市街からは約120分で行くことができる街。市内のビュースポットで代表的な場所8つを室蘭八景といいます。1970(昭和45)年に室蘭市民の投票をもとに選定されました。
その8つとは、「室蘭港の夜景」のほか、「黒百合咲く大黒島」「絵鞆(えとも)岬の景観」「マスイチ浜の外海展望」「測量山の展望」「地球岬の絶景」「金屏風・銀屏風の断崖絶壁」「トッカリショの奇勝」。
ただ、金屏風・銀屏風の断崖絶壁は別々の場所にある名所をあわせて1つにて紹介しているうえ、室蘭港の夜景を楽しめる場所は無数にあるので、八景とはいえスポット数だと多数あります。
ここでは、白鳥大橋を望む道の駅「みたら室蘭」を起点に巡ってみます。どんなところか、8つ順番に紹介します。
どこから見る?「黒百合咲く大黒島」
大黒島は、室蘭港に浮かぶ小さな島。島の周囲が約700mながら高さは約35mもあり、てっぺんに古い灯台があります。一般の人は上陸することができないので、ここはあくまで眺めるだけ。
江戸時代に島内へ大黒天を祭ったことから大黒島と呼ばれるようになったそうです。
また、かつて日本近海を探検していた英国船の水兵を葬って以来、島には黒百合が咲くようになったという伝説もあります。
大黒島は白鳥大橋の上など各所から見えますが、眺めやすい場所はこの次に紹介する絵鞆岬です。
眺め爽快!「絵鞆岬の景観」
地図を見ると、室蘭の街は海を突き刺すようなカギ型の半島になっています。ここを絵鞆半島といい、この先っちょにあるのが絵鞆岬。展望台があります。絵鞆岬展望台からは目の前に大黒島が見え、天気がよい日は海越しに有珠山や羊蹄山、函館方面へと続く海岸線が綺麗に見えます!

訪れた日がこんな青空で空気の澄んでいたなら、もう最高♪ なかなか壮大な風景です。
街の近くに大自然!「マスイチ浜の外海展望」
マスイチとは、アイヌ語のマシュイチセが語源で、ウミネコの家という意味。海鳥がたくさん巣をつくる場所だったそうです。海鳥が住みつくというだけあり、この一帯は奇岩や断崖が連なり迫力ある海岸線が続きます。絵鞆岬からマスイチ浜までは、車で測量山観光道路を進み約20分で到着。
道路沿いにマスイチ浜展望台があり、ここから見下ろすようにマスイチ浜の海岸線を眺められます。
市街地近くでこんな大自然の風景が残っているというのも不思議な気分!
近くにはローソク岩やカモメ岩など、変わった形をした岩もあるのであわせて見学を。
昼も夜もとにかく絶景!「測量山の展望」
測量山は地球岬とともに室蘭を代表する観光スポットの一つ。標高は約200mとさほど高くはないものの、山頂にある展望台からは360度視界が開け大パノラマが!
眼下には室蘭の街並や海を渡る白鳥大橋、その先には有珠山や羊蹄山などの山々の姿や、駒ケ岳や恵山岬など函館方面へと続く海岸線などを見渡せます。

測量山周辺は野鳥の宝庫であると同時に渡り鳥の中継地としても知られ、日中の展望台周辺ではごっつい望遠レンズを構えた野鳥愛好家の方々の姿をよく見かけます。
いっぽう、夕暮れ時になると今度は夜景狙いの方々がいっぱい集まります。

ちなみに、測量山というちょっと変わった名前の由来は、北海道開拓期にこの山の山頂から道路測量の見当をつけたことに由来します。
はじめは見当山と呼ばれ、その後測量山と改名されたそうです。
室蘭へ訪れたら、昼も夜もここはゼッタイ訪れたいです。
まあるい地球、見えるかな?「地球岬の絶景」
観光サイトやガイドブックで室蘭の紹介ページに必ずといっていいほど登場するのが地球岬。海に突き出た断崖絶壁の上にある岬です。観光バスも数多くやってくる、室蘭の代表的な景勝地。測量山展望台からは車にて約18分で行けます。
また、トイレもあるので、各所景観巡りをしていく間でキーになる見学&休憩スポットです。

地球岬という名称について、「この岬に立つと、大海原を見渡せ地球が丸いことを実感できるから地球岬というんです」な~んでいう噂がありますが、これはフェイクニュース!
この地はアイヌ語で「ポロ・チケップ(親である断崖)」といい、チケップがチケウエ→チキウ→チキュウと転じ、いつの間にか地球という当て字が使われたのだそうです。
でも、当て字を考えた人は地球の丸さを感じるほど視界いっぱいに広がる水平線を見て、語感も合うので地球という漢字にしたのかも!?
だとしたら、なかなかいいネーミングセンスだと思いませんか???
地球岬は初日の出の観賞スポットとしても有名。ここで新年の夜明けを迎えたことがあるという道民の方、けっこういるのでは?
観光で室蘭を訪れる人のうち、恐らくほとんどの人が足を運ぶ地球岬。室蘭観光スポットの筆頭というだけある、素晴らしい絶景を楽しめます。
金銀きらめく!?「金屏風・銀屏風の断崖絶壁」
金屏風と銀屏風はそれぞれ別の場所にあるビュースポットで、2つあわせて室蘭八景のうちの1つとしてラインナップ。金屏風は地球岬とこの後紹介するトッカリショの間にある景勝地。地球岬から車でわずか1、2分です。
約100mの直立した断崖が連なり、朝日が射すと金屏風のように見えることから名づけられたそうです。

いっぽう銀屏風は絵鞆岬とマスイチ浜の間にある海岸線の崖。こちらは夕陽が射すと銀色に輝くように見えるそうですよ。
ただ、どちらにも展望台がありますが、地上から眺めるよりも海上からのほうが綺麗。外海遊覧で船から絶景を楽しみましょう♪
すごい絶壁!「トッカリショの奇勝」
トッカリショは、緑の大地をザクザクッとたてに切り刻んだような、荒々しい断崖絶壁の海岸線が続くビュースポット。金屏風のすぐ近く、車にて1、2分で行けます。変わった名前ですが、由来はアイヌ語でアザラシの岩という意味。昔はこの岩場にアザラシがたくさんいたようですよ。

断崖の上は森ではなく笹薮なので、遠目で見るとまるで抹茶ケーキにザクっとフォークを刺したみたい!? なかなか見応えあるスポットですよ。
ゼッタイ見たい!撮りたい!「室蘭港の夜景」
室蘭八景の一番目玉は、室蘭港の夜景!測量山をはじめ、市内各地にビュースポットが点在しています。高い場所から見下ろすも夜景あれば、海辺近くの低いところから眺める夜景もあります。
視線の高さや角度と方角次第でさまざまな夜の港町の表情を楽しめるのがここの特徴です。



街あかり、工場の輝き、ライトアップされた白鳥大橋、みなさんはどれをメインに据えた夜景が好きですか?
夜景観賞スポットは多数あるので、詳しい場所が気になる人は室蘭観光協会のホームページの室蘭夜景を紹介しているページでご確認を。
室蘭八景、いかがでしたか?
駆け足で巡れば半日で全て見て回ることができますし、夜景スポットを数多く回るなどじっくり見るなら1日かけてたっぷり楽しめます。
都市景観と自然景観を楽しめる室蘭の絶景、室蘭八景を巡ってみませんか?
写真/nobuカワシマ、室蘭観光協会
取材・文/北海道Likersフォトライター nobuカワシマ
https://www.no-1-travel.com/
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