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公開 | さとうふみえ

職人技が光る、北海道産エンジュ(槐)木工製品「円舘工芸舎」

美幌町「円舘工芸舎」槐(エンジュ)の茶筒(小)


エンジュ(槐)の木は、寿命を延ばす「延寿」や良縁を授かる「縁授」と記して、縁起が良い木として親しまれています。

堅くて加工が難しいとされるエンジュですが、美幌(びほろ)町で「木地師(きじし)」と呼ばれる職人たちが、巧みな技でエンジュの木工製品を作っているのですが、どんな技なんでしょうか?

 

美幌町「円舘工芸舎」

昭和46年創業の美幌町「円舘(えんだて)工芸舎」。

父である円舘功さんをはじめ、親子で営む工芸舎です。

現在は、3男の円舘金さんが代表を務め、伝統を守りながら新しい商品開発にも挑戦しています。


美幌町「円舘工芸舎」の皆さん▲「円舘工芸舎」の皆さん


木工ろくろを回しながら木材を加工する「木地師」(木地屋とも言います)の円舘さん一家。

年々減少傾向にある「木地師」ですが、「円舘工芸舎」ではその技術が親から子へと受け継がれています。

 

「木地師」の仕事とは?

木工ろくろを回しながら木材を加工する…それはどんな作業風景でどんな技なんでしょうか?


美幌町「円舘工芸舎」木工ろくろ作業風景▲加工する木材を取り付けた木工ろくろを回転させながら、カンナ棒(刃物)で木材を削っていきます


木工ろくろを回しながらの作業は、加工する木材の内側が見えないので、手の感覚で削っていく職人の高い技術が欠かせません。
 
木工ろくろを使って、簡単なお皿やお盆を作れるようになるまで少なくとも2年ほど。

複雑な形状やフタ付の入れ物などを作るには、さらに熟練した技術が必要になります。


美幌町「円舘工芸舎」鍛冶作業▲自分で使うカンナ棒(刃物)を鍛冶(かじ)するのも自分(画像提供:円舘工芸舎)


「木地師」にとってカンナ棒(刃物)は大切な道具。

必要なカンナ棒(刃物)を1本1本、自分の使いやすいように調整しながら作ります。

 

「円舘工芸舎」自慢の「フタもの」木工製品

「円舘工芸舎」で作っているのは、主に「フタもの」と呼ばれる茶筒や茶がめ、なつめといった商品。

「フタもの」を作るには、「木地師」としての高い技術が必要とされます。

 
では、なぜ「フタもの」となると加工が難しくなるのでしょうか?

それは、木材が収縮するという特徴に関係があります。


美幌町「円舘工芸舎」槐の茶筒(小)▲中蓋もピッタリ閉まる「円舘工芸舎」の茶筒


「フタもの」木工製品は、数日、数ヶ月、数年経過すると、木材の収縮による歪みが原因で、フタが閉まらなくなったり、キツクなったりするような不具合が出てきます。

 
その不具合を出さないためには、木材をしっかり乾燥させることが必須条件。

そして、細やかな「木地師」の技で、狂いの少ない状態に仕上げることがとても重要なんです。


美幌町「円舘工芸舎」茶筒の工程▲荒取り(左)、荒堀り(中央)、仕上げ加工(右)


エンジュの丸太を1~2年自然乾燥させた後、荒取り→自然乾燥→荒堀り→自然乾燥→仕上げ加工→自然乾燥→塗装と、製品として出すまで何度も自然乾燥を重ねます。
 
「円舘工芸舎」では、仕上げ加工が済んだ後もさらに自然乾燥させ、歪みが出た部分を微調整。


美幌町「円舘工芸舎」茶筒と茶がめの断面▲茶筒(左)と茶がめ(右)の断面を見ると、フタ部分の精巧さが分かります


そういった時間と手間のかかる作業の結果、ピッタリとフタが閉まる「円舘工芸舎」自慢の「フタもの」木工製品が完成します。


美幌町「円舘工芸舎」槐の茶筒(中)▲フタを閉めると隠れてしまう部分と合わせて、上下の模様がそろいます


一本の木から作られる「円舘工芸舎」の「フタもの」。

茶筒本体にフタを閉めた時、上から下までの模様が微妙にズレるのが一本の木から作られているという証です。

 

エンジュの希少な部位「縞槐」とは?

エンジュには、丸太を切って初めて発見できる宝物のような部位が存在します。

 
美幌町「円舘工芸舎」エンジュの丸太▲木目に見える白い斑紋(はんもん)見えますか?(画像提供:円舘工芸舎)


白い斑紋が入っている部分は「縞槐(しまえんじゅ)」と呼ばれ、100本に1本あるかないか…というくらい希少な部位です。


美幌町「円舘工芸舎」茶筒▲「縞槐」を使った茶筒(左と右)、通常のエンジュを使った茶筒(中央)


「円舘工芸舎」では、「縞槐」を使った木工製品を「美圓(びえん)」という名でブランド化。

木目が荒く重厚な色合いのエンジュですが、白い斑紋が入ると少しやわらかい印象になりますね。


美幌町「円舘工芸舎」茶がめ▲茶筒と同じくお茶っ葉を入れる「茶がめ」


耐久性が高く保存性に優れているエンジュは、匂いも少ないので茶筒や茶がめなどに最適です。
 
「円舘工芸舎」で使うエンジュはすべて北海道産。

エンジュは全国各地に生育していますが、北海道産は堅く密度が高い木材に育つそうです。

 
一つひとつ丁寧に手作りされる美幌町「円舘工芸舎」のエンジュの木工製品。

縁起がよい「延寿」や「縁授」のラッキーアイテムとして、日常の生活に取り入れてみませんか?


「円舘工芸舎」の木工製品は、「美幌町物産館ぽっぽ屋」で店頭販売中。

通販希望の方は、「円舘工芸舎」公式HPよりお問い合わせください。

 

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