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公開 | 小西 由稀

乾燥ナマコの新ブランド「檜山海参」は、漁師がつくる地域の宝

今回は少々マニアックな話ですが、地域を明るく照らす希望の食材「ナマコ」の話におつき合いください。


檜山産のナマコ
 

ナマコといえば、居酒屋の定番メニュー「ナマコ酢」のコリコリした食感を思い出す方が多いかもしれませんが、今回の主役は「乾燥ナマコ」。
 
地元漁師の危機感をきっかけに、さまざまな協力の輪の中から誕生した乾燥ナマコで、ブランド名を「檜山海参(ひやまはいしぇん)」といいます。


檜山海参、上が乙部産の乾燥ナマコ、下は江差産のフリーズドライ▲“海参”は中国語でナマコの意味


中国料理界のトップシェフのひとり、東京・赤坂の「トゥーランドット臥龍居(がりゅうきょ)」の脇屋友詞シェフも一目を置く逸品です。
 

檜山海参を調理する脇屋シェフ

 

評価の高いナマコを自ら加工し、統一のブランドに

“海の黒いダイヤ”と例えられるように、手間暇をかけて丁寧に干した乾燥ナマコには付加価値が生まれ、特に中国料理での需要が高い高級食材です。
 
日本でのナマコの漁獲量は、北海道がトップ。日本海側を中心に北海道各地で漁がありますが、生食以外は加工の専門業者が買い付け、産地別ではなく大きく“北海道産”の乾燥ナマコとして中国に輸出しています。


檜山産のナマコ、乾燥ナマコの製造途中

 
そんな中、北海道の南西部に位置する檜山エリアの漁師が立ち上がりました。
 

檜山地方の地図▲檜山エリアはココ!

 
こちらの田中利明さん(ひやま漁協江差支所 ナマコ協議会販売促進部長)は、スーツ姿が格好いい腕利きの漁師さんです。
 

檜山海参をブランド化するひやま漁協の田中さん

 
「最近の檜山地方は、漁の主力のイカ、スケトウダラがなかなか獲れず、浜はあっぷあっぷの状態。唯一獲れているナマコを漁業者の手で付加価値を高め、ブランド化をしようと思い立ったんです」。
 
ひやま漁協のナマコは潜水漁が主流。潜水して手で採ることで傷が付きにくく、写真のように“いぼ立ち”(突起の部分の形)の良さと肉厚なのが特徴。道産品の中でも高値で取引されています。
 

檜山産のナマコ
 

そのナマコを「北海道・檜山の手採りナマコ」と呼び、江差町では日本初のフリーズドライ化に、隣町の乙部町では乾燥ナマコの生産にそれぞれ着手。
そして、「檜山海参」の統一のブランド名で販売を始めました。
 
「製法が違うのに、自分たちの町の名前ではなく、エリア名である“檜山”を打ち出したのは、一緒に地域を盛り上げたかったから。地域に誇れるものが1つでもあれば、地域の元気につながる。若い世代の自信にもなる。“乾燥ナマコといえば檜山産”といわれるよう、このブランドを大事に育てていきたい」と、話します。
 

檜山海参の商品▲上が乙部町の乾燥ナマコ、下が江差町のフリーズドライ。パッケージは函館のデザイナーが担当

 

完成まで一ヶ月以上。手間暇が価値を生む

 乙部町で乾燥ナマコの製造工程を見せてもらいました。
 

乾燥ナマコの製造工程
 

ものすごく簡単に説明すると、ナマコをゆで、汚れや余分なものを手作業で除去し、乾燥させる。これを何度か繰り返し、完成まで実に一ヶ月もかかります。大きなサイズだと40日以上かかるものも。その間、形良く仕上がるように神経を遣い、工夫を重ねています。
 
「短時間で仕上げようとすると、良いものにならない。妥協をしないコツコツとした手間暇が、価値につながります」と、加工の責任者・日沼賢澄さん(ひやま漁協乙部支所 乙部ナマコ協議会 加工部門長)は説明します。


檜山海参、乙部の乾燥ナマコの製造責任者の日沼さん
 

この日は、檜山海参の応援団でもある脇屋友詞シェフが、産地見学に訪れていました。
製造途中のナマコのゆで汁を飲んだ脇屋シェフは、「おっ、いい味が出ているね。この煮汁で調味料をつくると面白いなぁ」など、いろんなアイデアが出ていました。
これまで廃棄していたゆで汁から、また新たな地域の宝が生まれるかもしれません。
 

現地を視察する脇屋シェフ

 

脇屋シェフが応援する「檜山海参」の魅力とは?

 脇屋シェフに乾燥ナマコの価値、檜山海参の魅力について、うかがいました。
 

脇屋シェフ▲脇屋友詞シェフは札幌市出身。「トゥーランドット臥龍居」など東京、横浜に4店舗を展開中。自身のお店でも檜山海参を特別メニューで提供している。このたび「檜山のナマコ大使」に任命された

 
「乾燥ナマコは戻すには約1週間かかります。使う方も時間と技術を要する食材です。中国では貨幣に匹敵する価値を持つもの“乾貨の旨味” 、あるいは“海の高麗人参”と呼ばれています」。
 

戻した檜山海参
 

「今回、産地で丁寧なつくり方を実際に見て、その価値の高さをあらためて実感しました。檜山海参は、戻したときの形が美しい。肉厚で食感がすばらしい。いろんな乾燥ナマコを使ってきましたが、檜山海参はレベルが違います」。
 

檜山海参について語る脇屋シェフ
 

1箱80gで5万円近く、200gで10万円もの値が付く高級食材「檜山海参」。”気軽にお試しを”…とはいきませんが、漁業者と地域の想いをのせた檜山海参の今後に、ぜひご注目ください!
 
そうそう、檜山海参ブランドのスピンオフ商品も企画進行中。

こちらは販売が始まった檜山海参の石けん。檜山海参から抽出したコラーゲン豊富なエキスで手作りした無添加の石けんで、税別1500円と手の届きそうなお値段!
しかも、水仕事の多い浜のお母さんたちにすでに人気と聞くと、使ってみたくなりますね。見かけたら、ぜひチェックを。


檜山海参のコラーゲンでつくった石けん▲江差ぷらっと、木古内、七飯の道の駅と、函館朝市カネニ藤田、新千歳空港ぎょれんショップなどで発売。※2018年5月16日からの「どさんこプラザ札幌店」の「檜山フェア」でも取り扱う予定

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Writer

小西 由稀

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