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公開 | 佐々木葉子

函館の老舗バー「舶来居酒屋 杉の子」が愛される理由

せっかくこの町へ来たのなら、あのバーへ行ってごらん。
函館のむかしのことやおもしろい話が聞けるから。
「舶来居酒屋 杉の子(以下杉の子)」は、そんな風に紹介されるバー。
駅前・大門地区に灯をともして60年。たくさんの物語がストックされています。


 alt、 ▲店名は、サトウハチローの童謡『お山の杉の子』から命名▲店名は、サトウハチローの童謡『お山の杉の子』から命名

 
alt、▲ソファ席、個室もありますが、一番人気はみんなでおしゃべりを楽しめるカウンター▲ソファ席、個室もありますが、一番人気はみんなでおしゃべりを楽しめるカウンター

 

コーヒーより安い、ラムハイボール

旅行者、転勤族、地元の学生からシニアまで、さまざまな人がその止まり木で休む「杉の子」。函館ファンの間では、よく話題にのぼる老舗の本格バーです。

「オープンは北洋漁業で沸いていた1958年。当時、市内随一の繁華街として賑わっていた通称・柳小路の一角に、亡き父が果物屋さんの大家さんからバナナの倉庫を借りて、中二階のある店を作ったんです」。

やわらかな語り口で説明してくれたのは、オーナーの青井元子さん。その建物も老朽化したことなどから、2015年に「函館ひかりの屋台 大門横丁」の向かいに移転しました。


 alt、▲少女のような笑顔が評判の元子さん。ご主人は青函連絡船の元航海士というのも函館らしいですね▲少女のような笑顔が評判の元子さん。ご主人は青函連絡船の元航海士というのも函館らしいですね


「杉の子」では、スコッチからスピリッツ、薬酒系や果実系のリキュール、ソフトドリンクまで、300種類以上の飲み物を用意。料金がリーズナブルなところも、新しい常連さんが次々生まれる理由でもあります。

開店当初から圧倒的な人気の飲み物が、下の写真のラムハイボール。いくらだと思いますか?なんと破格の250円。ノーチャージの「杉の子」では、コーヒーを飲むより安上がりになるんです。


alt、▲「ここのライムハイボールは、若くてお金がなかった頃の想い出の一杯」。そう懐かしむお客様も少なくないそうです▲「ここのラムハイボールは、若くてお金がなかった頃の想い出の一杯」。そう懐かしむ人も少なくないそうです

 

函館の文化やトピックをカクテルに

元子さんも亡き父同様、カウンターでシェーカーを振ります。そう、「杉の子」はカクテルがおいしいことでも知られています。せっかくですから、元子さんが考案した、函館にちなんだオリジナルカクテルをご紹介しましょう。


alt、▲映画化もされた、函館出身の作家・佐藤泰志の小説から名をとった「海炭市叙景」850円。作品のイメージをスモーキーブルーで表現した、元子さん発案の一杯。甘酸っぱい味わいが女性に人気のリキュール、ヒプノティックをベースに、ホワイトラム、イタリアの薬草酒・サンブーカ、レモン▲映画化もされた、函館出身の作家・佐藤泰志の小説から名をとった「海炭市叙景」850円。作品のイメージをスモーキーブルーで表現しています。甘酸っぱい味わいが女性に人気のリキュール・ヒプノティックをベースに、ホワイトラム、イタリアの薬草酒・サンブーカ、レモン


alt、▲鉄道ファンなら、この3色を見ただけで何をイメージしたカクテルか、わかりますね?北海道新幹線のE5系電車のボディカラーを再現した「はやぶさ」850円。北海道新幹線開業を祝って誕生しました。下からグリーンペパーミント、パルフェタムール、コアントロー▲鉄道ファンなら、この3色を見ただけで何をイメージしたカクテルか、わかりますね?北海道新幹線のE5系電車のボディカラーを再現した「はやぶさ」850円。北海道新幹線開業を祝って誕生しました。下からグリーンペパーミント、パルフェタムール、コアントロー


alt、▲木古内-五稜郭を結ぶ道南いさりび鉄道のアイコン的列車「ながまれ号」の車両デザインからヒントを得た「待宵藍(まつよいらん)」1,000円。ジンをベースに、ブルーキュラソー、パルフェタムール、レモン。車体に描かれた星を金箔で表現しています▲木古内-五稜郭を結ぶ道南いさりび鉄道のアイコン的列車「ながまれ号」の車両デザインからヒントを得た「待宵藍(まつよいらん)」950円。ジンをベースに、ブルーキュラソー、パルフェタムール、レモン。車体に描かれた星を金箔で表現しています


青函連絡船や北大練習船、函館で高校時代を過ごした作家・辻仁成の作品などをテーマにしたオリジナルカクテルも楽しめます。グラスを傾けながら、ここでしか聞けないディープなお話に耳を傾けるのもいいですね。

 

想い出を訪ねる夜、つくる夜

老舗の本格バーとはいえ、「杉の子」は肩肘張ったバーではありません。どちらかというと、お酒を理屈抜きで楽しく飲みたい、気の合う友達などとリラックスしたい、そんな夜におすすめの場所です。

2階には靴を脱いで、ゆっくりくつろげるソファーがあり、「大学生の卒業コンパなどに人気ですよ」と元子さん。「吹き抜けから1階を見下ろせる造りは、前の店を思い出させる」と懐かしがるオールドファンもいるそうです。


 alt、▲なごやかな会話や笑い声が吹き抜けを通して1階と2階を行き交います▲なごやかな会話や笑い声が吹き抜けを通して1階と2階を行き交います


 alt、 ▲2階からオーダーするときは、このトライアングルを鳴らすのが「杉の子」式▲2階からオーダーするときは、このトライアングルを鳴らすのが「杉の子」式


alt、▲前の店から引っ越してきた操舵輪の周りには、名刺がびっちり。店を気に入ったお客さんが勝手に貼っていくそうで、これも前の店からのお約束。元子さんも「いつ頃始まったのかは、私もわからないんです(笑)」▲前の店から引っ越してきた操舵輪の周りには、名刺がびっちり。店を気に入ったお客さんが勝手に貼っていくそうで、これも前の店からのお約束。元子さんも「いつ頃始まったのかは、私もわからないんです(笑)」


父から娘へ受け継がれ、お客さんがお客さんを招き、誘い、今年60年を迎えた「杉の子」。実は、歴史のリレーがもうひとつあります。それは、この店舗。最初は国鉄購買部倉庫として建てられ、その後、中華の名店として語り継がれてきた「汪(わん)さん」が長年にわたって営業していた建物です。

「ここで店を再開するにあたって、内装はずいぶん変えました。でも、「汪さん」の匂いをどこかに残したくて、譲り受けたのがこのランタンです」。元子さんがそう紹介してくれた形見は、お客さんからよく見えるカウンターの上に飾られています。


alt、外観とランタン

函館をもうちょっと深く知りたい、函館で知り合いをつくりたい。そんな時は、立ち寄ってみてはいかがですか?

 

関連リンク

・舶来居酒屋 杉の子
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