2018年04月02日 | 佐々木葉子

「函館千秋庵総本家」のお土産御三家は「どらやき」「元祖山親爺」「函館散歩」

1860年、開港で賑わう箱館(現函館)に創業した「函館千秋庵総本家」。
全国にファンを持つこの名店の品々は、
「どなたに差し上げても喜ばれる、間違いのないお土産」と評判です。
ロングセラーの「どらやき」「元祖山親爺」、ベストセラーの「函館散歩」の
お土産御三家を通して、老舗のものづくりの秘密を探ります。


alt、函館千秋庵総本家 宝来町本店は、京都の街中で見かける菓子店にも似た佇まい。看板の書は、正岡子規に師事した俳人・河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう)の作▲函館千秋庵総本家 宝来町本店は、京都の街中で見かける菓子店にも似た佇まい。看板の書は、正岡子規に師事した俳人・河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう)の作
 

3日かけて仕上げた粒あんと手焼きの皮「どらやき」

「どらやき」は、「函館千秋庵総本家」で一番のロングセラー。大正末期、4代目松田咲太郎が作り始め、90年以上たった今も当時の製法を受け継いでいます。


 alt、ふんわり、もっちりした皮の中には、スキッとした甘さの粒あんがたっぷり▲ふんわり、もっちりした皮の中には、スキッとした甘さの粒あんがたっぷり


粒あんには、道南産大納言小豆を使用。豆を洗って一晩水に漬け、翌日炊いて一晩寝かせ、3日目に仕上げと称してもう一度炊きます。そして4日目、味がなじんだ粒あんを、焼きたての皮につけていきます。

伝統の製法でつくる粒あんの特徴は、スキッとした甘さ。「あんを口に含むと確かな甘さを感じます。ただその甘さが尾を引くことなく、スーッと消えていきます」と、6代目でもある会長・松田俊司さんは表現します。

「この製法は、一般的な方法より手間がかかります。でも、千秋庵の職人は、手間を厭(いと)わない。おいしくするには、手間も時間もかかる。それは致し方ありません」。

3日かけて仕上げた粒あんは、職人が一枚一枚焼き上げた皮にはさまれます。皮の生地は、前日午後に仕込み、翌朝もう一度整える「宵ごね」で仕込んだもの。午前9時頃には、「どらやき」の第1便が宝来町本店に到着します。


 alt、▲「函館千秋庵総本家」の「どらやき」は、あんこ派と皮派がいるそう。1個(205円)から買い求められます▲「函館千秋庵総本家」の「どらやき」は、あんこファンと皮ファンがいるそう。1個(205円)から買い求められます
 

北海道らしく、函館らしい煎餅「元祖山親爺」

「どらやき」を生んだ4代目は、昭和初期に新たな菓子を世に出します。和洋折衷の煎餅「元祖山親爺」です。

北海道では、親しみをこめて熊を「山親爺」と呼びます。「元祖山親爺」は、背中に鮭を乗せ、スキーをはいた熊がモチーフ。「初代の山親爺はストックを持っていませんでした。東京生まれの4代目は、スキーをしたことがなかったのかもしれませんね」。松田さんはそう思いをはせます。


 alt、パッケージの山親爺はストックなしの初代の姿。中の煎餅は、初代とはポーズが異なる平成版山親爺にストックを持たせた型で焼いています。箱詰(5枚入324円ほか)と缶入り(10袋20枚入り1,512円ほか)があります▲パッケージの山親爺はストックなしの初代の姿。中の煎餅は、初代とはポーズが異なる平成版山親爺にストックを持たせた型で焼いています。箱詰(5枚入324円ほか)と缶入り(10袋20枚入り1,512円ほか)があります


原料は小麦粉と白玉粉、そして注目したいのが、水の代わりにバターと牛乳を用いて練り上げていること。洋風文化がいち早く伝わった函館らしさが感じとれます。

「元祖山親爺」の独特の歯触りと、口の中で溶けるような風合いは昔ながら。オールドファンには、この食感がたまりません。松田さんに聞くと、舌触りがなめらかになるように、焼き上がった一枚一枚を金網に載せ、こすって仕上げているそう。見えないところのひと手間に、老舗の心意気を感じます。
 

函館の名所を印したカステラ饅頭「函館散歩」


北海道新幹線が開業した2016年3月。長年の夢が叶ったことの祝いの印として、「函館千秋庵総本家」は、得意のあんと生地を組み合わせたカステラ饅頭「函館散歩」を発表しました。構想と開発に計5年、試作と検討を繰り返し、世に送り出した新作です。


 
alt、「函館散歩」の焼き型は、函館を代表するお散歩スポット「特別史跡 五稜郭跡」「金森赤レンガ倉庫群」「函館ハリストス正教会」の3種類。おみやげに、各1個入り(330円)のパッケージを買い求める人が多いそうです▲「函館散歩」の焼き型は、函館を代表するお散歩スポット「特別史跡 五稜郭跡」「金森赤レンガ倉庫群」「函館ハリストス正教会」の3種類。各1個を詰めた3個入り(330円)は、会社やサークルなどへのちょっとしたお土産にとくに重宝されています


「函館散歩」のあんはこしあんで、十勝地方・音更(おとふけ)産エリモ小豆を使用。「この小豆で作ったあんは紫がかった色が魅力です。職人の手で小豆を何度も丁寧に水にさらし、口溶けの良いさらりとした食感に仕上げています」。

「函館千秋庵総本家」では、この「函館散歩」で初めて道産小麦を使用しました。道産小麦がもたらす微妙な甘さに惹かれたのが、その理由です。レシピが完成するまでに2年。牛乳を加え、洋のテイストをしのばせる生地ができあがりました。
 
alt、「観光の方だけでなく、地元のあんこ好きな方にも人気です」と、宝来町本店の瀬戸さん▲「観光の方だけでなく、地元のあんこ好きな方にも人気です」と、宝来町本店の瀬戸さん
 

函館の歩みと輝きを伝える銘菓は他にも

函館開港150周年を迎えた2009年には、開港当時に影響を与えたフランスにちなんだ「函館フィナンシェ」を発売するなど、街の歴史とともに歩んできた「函館千秋庵総本家」。これからも、函館の歩みと輝きを物語る一品を届けてくれるはずです。


 alt、函館開港150周年を記念して誕生した「函館フィナンシェ」。開港当時の函館に影響を与えたフランスにちなんだ菓子を、北海道産バターとアーモンドを主原料に、日本人の口に合うよう軽やかに焼き上げています。1個165円から
▲北海道産バターとアーモンドを主原料に、日本人の口に合うよう軽やかに焼き上げた「函館フィナンシェ」。1個(165円)から販売


alt、函館千秋庵総本家 宝来町本店の店内では、サービスのお茶を飲みながらお菓子を味わうこともできます、▲函館千秋庵総本家 宝来町本店の店内では、サービスのお茶を飲みながらお菓子を味わうこともできます

宝来町本店、市内直営店のほか、函館空港、五稜郭タワーや函館山ロープウェイのショップでは「元祖山親爺」「函館散歩」を買い求めることができます。

観光やお散歩の途中で一口、お土産に一品。箱館で生まれ、函館に育った菓子舗の味をお試しください。


関連リンク

・函館千秋庵総本家

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