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公開 | 大宮 あゆみ

タマネギを「品種」で選ぶ時代を作った 栗山町のタマネギ博士を知っていますか?

植物育種研究所代表取締役 岡本大作さん▲(株)植物育種研究所代表取締役 岡本大作さん


岡本さんが開発した「食べたら健康になる」タマネギ『さらさらレッド』▲岡本さんが開発した「食べたら健康になる」タマネギ『さらさらレッド』


鮮やかな赤紫色の皮に包まれたタマネギ『さらさらレッド』。細胞の酸化を抑え生活習慣病や高血圧の予防にもなる「ケルセチン」を多く含んだタマネギです。

2006年に誕生し、タマネギ品種買いのブームを作った草分け的存在。この『さらさらレッド』を生み出したのが栗山町にある植物育種研究所代表の岡本大作さんです。


北海道大学発認定ベンチャー企業にも認定され、自信は農学博士でもある岡本さん▲北海道大学発認定ベンチャー企業にも認定され、自信は農学博士でもある岡本さん


広島県で生まれ、化学的な視点から農業を見つめてみたいと北海道大学農学部農芸化学科に入学。

国内外の恵まれた環境で最先端の培養技術を学び、品種改良の研究に明け暮れた学生時代を過ごした岡本さん。

大手種苗メーカーに就職し、野菜の品種改良や新品種の育成に携わる日々を送っていました。


しかし、病気に強いとか生産性が優れているとか日持ちがよく流通面で効率が良いなど、どちらかというと生産や流通、販売側の都合による命題が多く、消費者目線での品種改良がおこなわれることはほとんどないことに疑問をいだき始めました。

なんとか消費者が喜んでくれるような野菜を作りたいと一念発起。

安定した大手メーカーでの研究職を辞し、2000年、たった一人で植物育種研究所を立ち上げました。


岡本さんが開発した「食べたら健康になる」タマネギ『さらさらレッド』


最初にタマネギに注目したのは、その市場規模の大きさと、タマネギはほかの野菜と比べて品種改良が困難な品目で、あえてそこに手を付ける人がいなかった未知の分野だったこと。

「食べたら健康になる」というコンセプトのタマネギがあったらみんな喜んで買ってくれるんじゃないか?との思いで研究が始まりました。

世界中から300種類以上のタマネギを集めて分析し、「ケルセチン」の含有量が多い品種と北海道でよく育つ品種を何十パターン、何年もかけて交配を続け生まれたのが『さらさらレッド』でした。

デビューは衝撃的で、札幌市内の青果店や飲食業界、料理研究家などの間で一気に知れ渡り、各業界で絶賛。

いつしか人々は岡本さんのことを「タマネギ博士」と呼ぶようになっていました。

 

ブランド力を保つための秘策とは

ブランド力を持った品種の開発に成功したタマネギ博士、次なる課題は生産者をどうやって増やすかということでした。

一般的に生産者は、売れるかどうか不透明な新品種の作付けには消極的です。

収穫しても値段がつかないというリスクがあるからです。

そこで岡本さんは「タネを無償で提供し、収穫したものはあらかじめ定めておいた価格で全量買い取り植物育種研究所が販売する」という方法を思いつきました。


岡本さんが開発した「食べたら健康になる」タマネギ『さらさらレッド』


岡本さん自らがタネを採取し、生産者に提供している▲岡本さん自らがタネを採取し、生産者に提供している


これであれば生産者は安心して栽培することができるし、植物育種研究所が選別や品質管理を担うので高品質を維持しブランド力の低下を防ぐことにもつながります。

当初新品種の作付けに難色を示していた人たちも、今では町内18戸の生産者が栗山町の特産品となった『さらさらレッド』を育てています。


栗山町に広がるさらさらレッドの生産圃場▲栗山町に広がるさらさらレッドの生産圃場


さらさらレッド


発送を待つタマネギたち。全量、(株)植物育種研究所が受注・販売・発送を行っている▲発送を待つタマネギたち。全量、(株)植物育種研究所が受注・販売・発送を行っている

 

『さらさらレッド』に続き、『さらさらゴールド』そして、注目の新品種も誕生!

注目の新品種『スマイルボール』。その驚きの特性とは?▲注目の新品種『スマイルボール』。その驚きの特性とは?


この『さらさらレッド』を親にさらに品種改良をすすめた『さらさらゴールド』が2012年に誕生。栄養価はレッド並み、病気に強く量産しやすい黄玉種で、こちらはオホーツク地方で増産中。

商社とタッグを組んで生産量を増やし販路を拡大、ブランド力はますますアップしているようです。

さらに注目の品種も誕生しました。大手加工食品メーカーと連携して開発した、栗山町でのみ作付けされている『スマイルボール』です。

これは、辛みを感じないかつて存在しなかったタマネギです。


常識を覆す、辛みのないタマネギが誕生▲常識を覆す、辛みのないタマネギが誕生


そもそもタマネギが辛いのは、細胞が壊れたときに酵素が反応して起こる現象ですが、スマイルボールは辛みを作る酵素そのものをもたないため、反応がおきずに辛くならないという原理。いままでのタマネギにはありえなかった現象です。

これまでのサラダ用の生食タマネギは、水分を多く含んでいるので辛みをあまり感じないというだけで本来は辛い要素を含んでいますが、スマイルボールは丸かじりしてもネギの香りはしっかり感じるものの辛みは感じません。夢のような品種がまたしてもタマネギ博士の手から誕生。

「このスマイルボールのように、これまでこの世に存在しなかった新しい価値観の品種を世界中に広めていきたいですね」と話す岡本さんの視線の先は、海を越え世界の市場を見つめているようでした。


辛くないタマネギ『スマイルボール』一度ご賞味あれ!▲辛くないタマネギ『スマイルボール』一度ご賞味あれ!

(株)植物育種研究所
http://ikushu.com

取材・文/HokkaidoLikers ライター 大宮あゆみ

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