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公開 | みふねたまき

季節の果物で作るマサコさんのジャム。真狩村のカフェ『tout le monde(トゥルモン)』にあります

真狩村 ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ ジャム カフェ トゥルモン


おいしいものが好きな人なら、きっとご存知ですよね?『ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ』。羊蹄山の麓・真狩村で、マサコさん(鈴木方子さん)が作る「果物を食べるジャム」です。

旬の果物ならではの香りやみずみずしさを生かして作るその味は、ひと口でうっとり…心奪われるおいしさです。

いちごにリュバーブ、さくらんぼ、あんず、プルーン、ぶどうにりんご、真狩をはじめ余市や仁木、壮瞥など、近郊でとれる旬の果物を使うジャム作りは、初夏から秋にかけてがオンシーズン。

畑が雪に覆われる冬は「ちょっとのんびりです」とマサコさん。

ならばこの機会にお話を聞きに行こう!と、真狩村へ出かけました。目指すはカフェ『tout le monde(トゥルモン)』。2012年にマサコさんがオープンしたお店です。


真狩村 トゥルモンから見える羊蹄山▲粉砂糖をふりかけたような冬の羊蹄山。カフェの営業日には写真をパチリ。定点観測がマサコさんの日課です

 

トゥルモンは、みんなの場所

札幌から中山峠を越えて車で約2時間。道の駅真狩から3分ほどの場所に、目指すカフェはありました。

屋根に雪をのせた白い外観が、生クリームたっぷりのショートケーキのようにも見えて、なんだかおいしそう。

お店の前には『tout le monde』と描かれた丸い看板がさがっています。ここで間違いありません。

お店の名前『トゥルモン』は、フランス語で「みんな」を意味する言葉。いつもお世話になっている友人たちや、真狩村のみんなが気軽に立ち寄れる場所にしたいというマサコさんの思いが込められています。

観光などで訪れる人が、めっきり少なくなるシーズンオフの3月にオープンしたのも、そのためなのだとか。村のお店として地元の人に親しまれている『トゥルモン』。この日もひとり、ふたり、常連さんが訪れていました。


真狩村 カフェ トゥルモン▲こちらが真狩村にあるマサコさんのカフェ『tout le monde(トゥルモン)』


真狩村 カフェ トゥルモン▲看板はお店づくりに協力してくれた友人たちと、みんなで1文字ずつ書いたそうです


真狩村 カフェ トゥルモン▲マサコさんが作るジャム同様、コラージュされたクロスの配色がきれいな店内

 

友だちがくれた、きっかけ

『トゥルモン』のオープンからさかのぼること6年前。2006年7月に、マサコさんは真狩でコンフィチュール専門店『ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ』をスタートします。

4年勤めたオーベルジュを辞めて、進むべき道を模索していたときに、「専門学校時代の友人がフランスから電話をくれて、マサコがやりたいことって、こういうことじゃない?と、フランスの小さな村でお店を構え、お菓子づくりをしている女性シェフのことを教えてくれたのです」。

その人が有名なコンフィチュールの妖精、フランスの名だたる料理人から絶賛されるクリスティーヌ・フェルベールさんだったのです。

ちなみにコンフィチュールはフランス語でジャムのこと。作り方や材料に違いはないそうです。フランスで学んだマサコさんはブランド名に「コンフィチュール」を、商品名は親しみのある「ジャム」という呼び方を使っています。


ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ 季節のジャム▲カフェに入ると目に飛び込んでくるのがジャムの棚。メモには果物の産地や組み合わせたスパイス、おすすめの食べ方が、ていねいに書かれています


さて、友人からワーキングホリデーを利用してクリスティーヌさんのところで働くことを薦められたマサコさんは、さっそく行動開始。ビザの申請許可がおりるのを待ちながら、クリスティーヌさんに宛てて想いをしたためた手紙を送っています。

また、フランスに短期の語学留学をした際に、工房を訪ね「働かせてほしい」と直接交渉。

まっすぐな思いは必ず通じるものですね。クリスティーヌさんから嬉しい返事が届きます。

「ビザがあるなら来てもいいと言ってもらえて、同じ年にタイミングよくビザもおり、晴れて工房で働けることになりました」。


真狩村 ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ▲どれもみんな、とってもきれい!贈り物にしても喜ばれること間違いなしです。ちなみにジャムは1個800円(一部除く)


「今考えてみると高校卒業後に進んだ、製菓専門学校のことを教えてくれたのも友人でしたし、お菓子づくりに興味を持ったのも、小学生のときに仲良しの子から手づくりのパンケーキをプレゼントされたのがきっかけでした」とマサコさん。

手づくりのお菓子を初めてプレゼントされた喜びと、食べられるとは思わなかったマルメロのコンポートが入っていた驚きが、マサコさんの心に火をつけました。

以来、お菓子づくりに目覚めたマサコさんは、友人の誕生日に必ず手づくりのケーキをプレゼント。パティシエールからジャム職人へと続く一歩を踏み出したのです。

 

果物を食べるジャム作り

マサコさんが修行をしたクリスティーヌさんのお店「メゾン・フェルベール」は、フランス東部アルザス地方のニーデルモンシュヴィール村にあります。

「その村で唯一のお店がメゾン・フェルベールというくらい小さな村でした。お店にはジャムやパン、お菓子のほかに、野菜やお惣菜、日用品、本やリネンなども売っていました」。

ここでマサコさんは果物の下処理からはじめて、果物をいかにおいしい状態でジャムにするか、そのために必要な果物の選び方、組み合わせるスパイスで違うおいしさを引き出す方法など、ジャム作りのノウハウを学びます。

「修行期間の後半には、クリスティーヌさんの真横で瓶のふちを拭く仕事を担当したのですが、ジャムを作っているとき以上に緊張しました。でも疑問に思ったことを直接聞くこともできて、ジャム作りのほかに経営者として知っておくべきことなど、本当に多くのことを教えていただきました」。


真狩村 ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ▲手前は果肉たっぷり「ネーブルオレンジと3種のスパイスのジャム」。大崎上島町のネーブルオレンジにシナモン・八角・自家製ジンジャーコンフィがアクセント


​果物のきれいな色と香りを生かしながら、果実の食感を残したマサコさんのジャムは、クリスティーヌさん直伝。

「私が学んできたお菓子づくりでは計量命というくらい、分量を正確に計ることが基本です。けれどクリスティーヌさんのジャム作りは、天候などで変わる果物の糖度や水分量に合わせて、砂糖やスパイスの量を加減します。いい意味で目分量。もちろん味見はしていましたけど、その感覚は天性のものでした」。

魔法のひとさじで味を決める。コンフィチュールの妖精と呼ばれるのも納得です。

そんなクリスティーヌさんのもとで、1年みっちり学んだマサコさんは、帰国後、以前勤めていたオーベルジュでアルバイトをしながら、本格的にジャム作りを始めるための準備を進めます。

「場所を真狩にしたのは働いていたオーベルジュがあったことや、一緒に働いていた友人が独立して真狩にお店を構えていたこと、大切な友人がたくさんいたからですね。それに、周辺の町を含めて果物の産地がたくさんあることも理由のひとつです。収穫してから2時間以内に下処理ができるのは、ジャム作りをするうえで大きなメリットでした」。


真狩村 ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ▲りんご、ネーブルオレンジ、青トマトを使ったジャム。羊蹄山をあしらったミントグリーンのラベルは友人のデザイン。ジャムを入れやすい広口の瓶もこだわりです

 

大切なのは、楽しく作ること

マサコさんのジャム作りは、フランス製の銅鍋で2日にわけて行います。

果物の下処理や発送作業を手伝ってもらう以外、ジャム作りの工程を手がけるのはマサコさんひとりです。

「自分と同じやり方を微妙な感覚まで共有するのはとても難しいこと。自分でちゃんと納得できるものを作るためにも、ひとりでできる範囲のことをしようと決めました」。

年間約1万本のジャムを、コンスタントに作り続けてきたマサコさん。自身のジャム作りを紹介した本の中で、こんなことを書いています。

「大切なのは、どんなジャムを作りたいのかを頭の片隅に残しつつ、楽しく作ること。(中略)楽しく作ると、食べた人にも伝わる気がします。作った後に料理に使おうとか、ジャムでこんなお菓子を作ろうとかと考えると、さらに楽しくなります」

これは家でジャムを作る人に向けてのメッセージですが、同時にマサコさん自身がジャムを作るときの気持ちに違いありません。何故なら実際に食べた私が、パンやヨーグルトにのせてパクパク♪おいしくて嬉しくなりましたから。


真狩村 トゥルモン ジャム デザート▲季節のジャムを添えたレアチーズケーキ400円


真狩村 カフェ トゥルモン ジャム ドリンク▲ジャムのソーダ割り400円(左)、ジャム入りラッシー500円(右)


真狩村 カフェ トゥルモン ジャム ソーダ▲ソーダ割りに使われている季節のジャム。このときは文旦でした

 

真狩村で待ってます

真狩村のみんなが気軽に立ち寄れる場所にしたいと、オープンしたカフェ『トゥルモン』も6年目。季節のジャムが買えるのはもちろんですが、店内では2種類のカレーランチとジャムを使ったデザートやドリンクがいただけます。

「なんとなくペースもできてきたので、これからはカフェのメニューを充実させていきたいと思っています。何かしたいと思ったとき、相談にのってくれて、手助けしてくれる強力なブレーンがたくさんいるので、みんなの力を借りながら、この場所を使っておもしろいことをしたいですね」とニッコリ。

楽しい時間はあっというま。まだまだお話はつきませんが、今回はこのへんでおしまいです。

もっとマサコさんのお話を聞きたい!というより、おいしいジャムが食べたい!という方、ぜひぜひ真狩村のトゥルモンにおでかけください。

マサコさんが待っていますよ。


真狩村 ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ ジャム マサコさん▲真狩村のジャム職人マサコさん。チャーミングな笑顔と気取らない人柄に惹かれ、カフェには楽しい仲間が集まります


真狩村 カフェ トゥルモン 店内 照明▲ガラスのペンダントライトはマサコさんの生まれ故郷・洞爺湖町に工房を構える『gla_gla』さんが制作したものです


真狩村 カフェ トゥルモン アート▲入口の壁に飾られた羊蹄山の絵も友人からの贈り物。あるアーティストに依頼して『トゥルモン』のために描きおろしてもらった特別なもの

 

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