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公開 | 孫田 二規子

職人が刷毛を使って手染め。旭川「近藤染工場」

旭川市にある「近藤染工場」をたずねてきました。明治の創業時から変わらぬ「刷毛引き本染め」という技法で、のぼりや旗、のれんやはんてんなどをつくっている染め物屋さんです。店頭には手ぬぐいなどグッズも揃っていますよ!

旭川の近藤染工場の商品

 

難しいのは、のり置きの作業

車利用で札幌から約2時間、JR旭川駅から約5分。

旭川市の一条通りに面して立つ「近藤染工場」は、徳島で藍の生産や藍染めを行っていた初代が、明治31年にこの場所で開業した染め物屋さん。はんてん、旗、のぼり、のれん、帆前掛けといった染物を、注文に応じてつくってくれます。

旭川の近藤染工場

特筆すべきは、プリントではなく、刷毛を使って布地を染める「刷毛引き本染め」という伝統工芸の技術を用いてること。

「刷毛引き本染めは、刷毛を使って染料をたっぷり染みこませるので、発色がよく、裏まで美しい仕上がりになるんです」と、教えてくれたのは常務の近藤耕介さん。

染め物ができあがるまでの工程は、大まかに下記の通り。

1.下絵…布地に文字や絵柄を描きます。同工場では三代続く専任の下絵師が担当。大漁旗などの勢いあふれる太文字も、フリーハンドで描いているんですって!

2.のり置き…地色のまま残したいところに、防染のりを置いていく作業。もち米からつくったのりを使っています。

旭川の近藤染工場ののりおきの様子▲布地に防染のりを絞り出していきます。のりを置いた部分は布地のままの色になります

旭川の近藤染工場の作業場▲のりを乾かしています

3.刷毛引き本染め…のりが乾いた後の布地を刷毛を使って染める。

旭川の近藤染工場の刷毛▲染めの作業に使われる刷毛。色や絵柄によって使い分けます

4.水洗い…色止め剤を施した後、大量の冷水で洗う。

5.縫製…乾燥させた布を縫製して製品に。

取材日にしていた作業は、大漁旗ののり置きでした。

「この工程が一番むずかしいんですよね」とは、職長の小柳清人さん。「文字や絵柄の角がきれいに出せなかったり、線をまっすぐに引けなかったり、のりの厚みにムラができたり…。一人前の作業ができるようになるまでには10年くらいかかりますね」と、話します。

旭川の近藤染工場ののり置きの様子

ちなみに大漁旗とは、新しい船をおろす「進水式」の時に船にかけるもの。昔は魚がたくさん捕れた時に掲げていた「信号」の役目でしたが、今は安全や大漁を祈る縁起ものとして使われているそうです。

旭川の近藤染工場の大漁旗▲大漁旗(写真提供/近藤染工場)

「染める時はみんな、ひと刷毛ひと刷毛に気持ちをこめています」と、近藤さん。和風の力ある筆致には、手描き、手染めならではのぬくもりも感じられ、前途洋々の未来を応援してもらっているような気持ちになります。


旭川の近藤染工場



かわいい本染め手ぬぐいで暮らしを豊かに

店頭や公式Webショップでは、私たちが気軽に買える日本手ぬぐいなどのグッズが豊富に揃っているので、いくつかご紹介しましょう。

まずは、今年おすすめの干支もの。旭川市内のデザイン事務所がデザインしたものなど、愛らしい柄に心がほっこりします。

旭川の近藤染工場の手ぬぐいなど干支グッズ

旭川の近藤染工場の手ぬぐい▲手ぬぐいはタペストリーとしても

「旭川」をモチーフにした手ぬぐいはお土産や旅行の記念にぴったり。

旭川の近藤染工場の手ぬぐい▲イラストは旭川在住のイラストレーターあべみちこさんが描いたそうです

筆者は猫派なので猫柄の手ぬぐい、そして、鮮やかな紅色のグラデーションと黄緑色の配色にひとめぼれした「カリンパニ」という手ぬぐいを購入。

猫柄は、旭川出身の消しゴムハンコ作家kotoriさんのデザインを元につくったそうで、タオル掛けにかけると、そこに猫が座っているみたいに見えます。

旭川の近藤染工場の猫の手ぬぐい▲左手に持っているハンコが見えますか?これがデザインの元となった消しゴムハンコです

一方、「カリンパニ」は、次長の高山周士(のりひと)さんがデザインを担当。大雪山の自然をモチーフにしたシリーズのひとつで、「エゾヤマザクラの濃いピンクと木の年輪を表現しています。結ぶなどして使っている状態を意識した柄と配色です」とのこと。

旭川の近藤染工場のスタッフ▲高山さん

旭川の近藤染工場の手ぬぐい▲上の写真は色がはっきり見えませんが、現物はこんな感じ。キッチンでタオル代わりに使っているのですが、かけておくとキッチン全体が明るくなります

本染め製品に興味はあるけど、のぼりやはんてんには縁がない…。そんな方でも、これらのグッズなら気軽に暮らしに取り入れられますね。旭川旅行の際には、ぜひお立ち寄りの上、毎日を豊かに彩ってくれる製品を選んでくださいね!

旭川の近藤染工場
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