北海道情報サイト「北海道ライカーズ」北海道情報サイト「北海道ライカーズ」

what likers

2017年12月12日 | チバタカコ

石狩を代表する商家「旧長野商店」

石狩市指定文化財旧長野商店  
 
 
石狩場所請負人の村山家を筆頭に、江戸時代から明治時代まで、鮭漁で栄えた石狩には、羽振りのよい商家がいくつかありました。その一つが「長野商店」です。
 

石狩市内最古の木骨石造建築物「旧長野商店」

長野商店は、越後(新潟県)出身の長野徳太郎が、明治7年に創業した商店で、呉服、反物、米、塩などを扱う、今でいう百貨店のような商店でした。また、酒造業(酒蔵)も営んでいました。
 

石狩市指定文化財「旧長野商店」▲石狩市指定文化財「旧長野商店」。左が店、右の白い建物は石蔵です
 
 
長さ約81cm×高さ約30cm×厚さ約17cmの札幌軟石が、店、石蔵合わせて920個あまり使用されています。明治初期、まだ道路も整備されていなかったろう時代に、札幌から920個もの軟石を運べるということは、それだけの労働力を賄える財力があったということでしょう。

 
旧長野商店に掲げられた看板(復元)▲旧長野商店に掲げられた看板(復元)。道産子にはお馴染みの五稜星があることから、開拓使時代に繁盛したんだろうなぁと想像できます
 

店の前には、長野商店で扱っていた商品の看板が掲げられています。実はこの看板は、当時のものが残っていて復元したのではなく、当時の「写真」からつくり起こしたもの。
 

長野商店に掲げられた看板が写った昔の写真▲このたった1枚の写真から、内容、書体などを忠実に復元
 

いしかり砂丘の風資料館、石狩市教育委員会生涯学習部文化財課 課長の工藤義衛さん▲いしかり砂丘の風資料館、石狩市教育委員会生涯学習部文化財課 課長の工藤義衛さん
 

工藤さんによると、看板の大きさや書体など、細部に至るまで細かく復元したそうですが、それでも写真から読み取れない部分は「この時代であれば、おそらくこうであろう」という史実に基づく推測でつくり込んだそうです。
 

旧長野商店に掲げられた看板▲店の正面に掲げられたこの看板も、忠実に復元したもの。「千歳」とありますが、札幌にある地酒ではなく、大阪の酒蔵だそうです
 
 

旧長野商店も見応えあるが、隣の蔵も見逃せない

長野商店は、1955(昭和30)年に閉店した後、1988(昭和63)年に当時の石狩町に建物が寄贈され、1994(平成6)年に石狩町の文化財の指定を受けました。元は親船町7番地にありましたが、道道拡幅のため、2007(平成19)年に現在地に移築復原されました。

 
旧長野商店店内▲旧長野商店店内。反物、酒など、扱っていた商品が並んでいます。奥の出入口から隣の石蔵へ行けます


復原の際、老朽化で使えなくなった柱や梁などを新しくしましたが、古さを醸し出す加工をあえてせずに、新品の材木のまま使っています。そうすることで、どの部材が当時のものかが一目でわかり、さらに新しい部材の経年劣化も味があるからだということでした。
 

旧長野商店店内


旧長野商店店内 


旧長野商店店内▲□に「ニ」は、長野商店の屋号。「かくに」と読みます 


店内から隣の石蔵へ行くことができます。石蔵には、長野商店の歴史や長野家の人たちが使っていたタンスや生活用具などが展示されています。
 

旧長野商店の石蔵▲石蔵の内観
 

長野家への嫁入りダンス▲長野家への嫁入りダンス
 

嫁入り道具の漆塗りのお椀▲嫁入り道具の漆塗りのお椀と袱紗。新品じゃない?と思うくらい状態の良いものです。これはタンスの中に入っており、自由に触ることができます
 

ここでおもしろいものを見つけました。「石狩実業家案内」というもので、2段目の真ん中あたりに長野商店があります。その右斜め上が、当時日本屈指の豪商と言われた「場所請負人」の村山家。そしてまわりを見ると「漁業」の文字がちらほらと。鮭漁が最盛期の頃で、石狩には力のある網元がいたことがわかります。
 

旧長野商店の石蔵にある石狩実業家案内▲石狩実業家案内。今で言う、新聞の名刺広告のようなものだとか。当然、枠が大きいほど掲載料が高い=富豪、ということ

 
そしてもう一つがこれ。長野商店の包装紙です。長野商店で醸造していた酒「日の出正宗」、呉服、米穀、小間物、洋物、そして石油特約店など、取扱品目が明記され、さらに「3279」と電話番号も。包装紙が、広告チラシにもなっていました。
 

旧長野商店の石蔵にある長野商店の包装紙▲長野商店の包装紙。このようにきれいな状態で残っているのは珍しいそうです
 
 
鮭漁が盛んだった明治の頃、この包装紙に包まれたものを贈って、贈られて…というのが、もしかしたら石狩の人たちのステイタスだったのかもしれませんね。
 

 旧長野商店店舗内

 
「旧長野商店」は、「いしかり砂丘の風資料館」に隣接しており、「いしかり砂丘の風資料館」の入館券で、旧長野商店が見学できます。
 
 

関連リンク

いしかり砂丘の風資料館

\見たい!見るべき!と思ったら「なまらいいね!」/

この記事をSNSでシェアしよう!
  • 石狩を代表する商家「旧長野商店」
  • Google+

FacebookのIDを利用して、北海道Likersへ登録します。

北海道Likersは、北海道を愛する皆さんと北海道を盛り上げるコミュニティです。

  • 利用規約に同意の上ご登録ください。
  • FacebookのIDで簡単に登録できます。登録は無料です。
  • Facebookに設定しているメールアドレスを登録します。お客様のメールアドレスは、北海道Likers運営からの連絡に利用いたします。
Title
Close