2017年11月28日 | 佐々木葉子

情熱の仕事人。札幌を舞台に映画を作り続ける。『探偵はBARにいる』プロデューサー「須藤泰司」

alt、須藤さんTOP

この冬、待望のシリーズ3作目が公開される『探偵はBARにいる』のプロデューサー、須藤泰司さん。この映画を札幌で作ることにこだわり続ける理由、新作のみどころなどをお聞きしました。
 

映画少年が映画プロデューサーに

高校卒業まで、札幌で過ごした須藤さん。幼い頃は野球漬けの日々でしたが、ジャッキー・チェンに憧れ、『銀河鉄道999』の世界に魅了され、気が付けば、時間があれば街中の映画館に通う映画少年になっていました。


alt、須藤さん本文▲須藤泰司さん:1968年生まれ、札幌市出身。同志社大学商学部卒。東映へ入社後、プロデューサーとして『相棒』シリーズなど数多くのテレビドラマを手掛けるとともに、幾つかのペンネームで脚本家としても活躍。


須藤さんの興味は、ある出会いによって映画から演劇へ一気にシフトしました。「小劇場ブーム全盛の1987年、当時札幌にあった小劇場・本多劇場で、鴻上尚史が主宰する「第三舞台」の『朝日のような夕日をつれて』を観たんです。それはもう衝撃的でした。笑いがあって、それでいてカッコよくて。役者たちの群唱シーンが特に印象的で、そのセリフは今でもそらで言えますよ。芝居を観た日付は、9月10日(笑)。とにかくすごかった」。

同志社大学では演劇の部活に所属し、役者もスタッフも脚本を書くことも経験。大学院へ進学して、劇団を旗揚げしたいという思いがよぎるほど芝居にのめり込みましたが、唯一試験を受けた東映に合格。須藤さんの主戦場は、舞台からテレビの世界に移りました。

入社2年目でテレビドラマ『さすらい刑事旅情編』のアシスタント・プロデューサーになり、その後も刑事ドラマ畑を歩み続けた須藤さん。その名を広く知らしめた作品が、テレビ朝日と東映が制作するドラマ『相棒』でした。

「あの作品はプロデューサー須藤泰司の“名刺”のようなもの」と須藤さん。気の合うスタッフにも恵まれ、『相棒』組のメンバーである脚本の古沢良太さん、音楽の池頼広さんは、『探偵はBARにいる』にも1作目から参加。須藤ワールドをサポートしています。

 

大泉洋でなければ作らない

「子どもの頃に見たテレビドラマ『傷だらけの天使』や『探偵物語』が好きで、コメディ・ハードボイルドをずっと作りたかった」と須藤さん。アシスタント・プロデューサーとして多忙を極めていた頃、その夢を現実のものにできそうな作品と出会いました。それが、札幌在住の小説家・東直己さんの『探偵はBARにいる』です。

 「読んですぐに映像化できるという予感がふくらんだのですが、実際に動き出したのはそれから10数年後。体調を崩した家族の看病のために休職し、札幌に戻っていた時に、東さんの行きつけの店を調べ、待ち伏せしました。東さんと運良く会うことができ、お酒を飲みながら映画の話をして盛り上がり、頃合いをみて『実は『探偵はBARにいる』を映画化させてほしいのですが』と伝えると、『ああ、どうぞ』みたいな答が返ってきて(笑)」。


alt、圧縮2_S124-0165▲提供写真


札幌の小説家が札幌を舞台に書いた作品の主役は、札幌の空気を呼吸してきた人でなければ務まらない。しかも、この探偵役は、喜怒哀楽のすべて、360度の心の振り幅を表現できる役者でなければ演じられない。主役は誰か、大泉洋しかいない。須藤さんの頭の中では、すでにそう決まっていました。

 「会社の上層部に企画を上げる時、言いました。大泉洋主演でなければ作らない」。一方、オファーを受けた大泉洋さんも探偵物に以前から強い思い入れを持っていたそうで、映画化の話はここからいよいよ実現に向けて進み始めました。


alt、バーにいる大泉洋さんと松田龍平さん_1▲提供写真


 「大泉洋さんは、札幌で10年間舞台やヴァラエティをやってから東京に出ていますから、ベースがしっかりしていて、どんな切り返しもできる役者さんです。さらに『探偵はBARにいる』の回を重ねるごとに、二枚目、シリアス、笑いの幹がどんどん太くなっていきました。3作目では敢えて、大人な雰囲気の“受け”の芝居に挑戦してもらいました。それがまたうまくハマり、いままでにない探偵の一面が生まれました。ここもみどころです、期待してください」。

 

いつもの札幌が特別に見える

『探偵はBARにいる』は、札幌という街のさまざまな表情を見せてくれるところも魅力のひとつ。ススキノの路地、探偵が足を運ぶ喫茶店など“定番スポット”以外に、シリーズ3ではどんな界隈、どんなお店などが登場するか、全国の北海道ファン、札幌ファンも楽しみにしていることでしょう。

 「札幌に帰るといつも、ここ使えそう、ここ使いたいとロケハン気分で歩いています」と須藤さん。そうした中でみつけたのが、ススキノのすぐそばにある商業施設の観覧車。終盤に向けて物語が展開していく重要なシーンに使われています。「シリーズ3の脚本を作る前に、冬に一人で乗ってみたんです。頂上から下降していく時にふと外に目をやると、ススキノの交差点がきれいに見えて、あ、これは絵になると」。


alt、北川景子さんと大泉洋さん_3▲提供写真


クライマックスシーンの舞台は、国内最大級のショッピングモール・サッポロファクトリー。大きなアトリウムに設けられたステージで秋元札幌市長と北海道日本ハムファイターズの栗山監督が対談を行っている最中、北川景子さん演じるヒロインが拳銃を構えて現れます。「このシーンは冬の平日2日間にわたって、2,500人のエキストラを動員して撮影しました。飲食店やショップは通常営業中なのに、一言のクレームもなく協力してくれました。ありがたかったです」。


alt、拳銃をもつ北川景子さん_6252▲提供写真


新しくできた市電の狸小路駅、一世を風靡したディスコが生まれ変わったクラブも登場するほか、北海道ファンなら誰もがわかる銘菓や牛乳などもキャラクターづくりに一役買っています。


alt、路地に立つ大泉洋さんら_4▲提供写真


「大自然があり、都会の風景があり、冬には雪が降る札幌は、映画のマジックが生まれる環境と条件が揃っている」と須藤さんは語ります。見覚えのある場所や観光地ばかりでなく、何気ない街角や店でさえスクリーンに映し出されると特別な場所に見えるという映画のマジック。「冬の大通公園は、男女が歩いているだけでも物語を感じさせます。いつかは、この街でロマンチックコメディを作ってみたいですね」。須藤さんの頭の中には、いくつもの構想が眠っているようです。

 

『探偵はBARにいる3』 12月1日(金)、全国ロードショー

今度の【探偵】は、何かが違う――。
変わらぬ街。変わらぬ2人。だがシリーズ3作目にして描かれるのは、ついに訪れる探偵と高田の“別れ”……!? 探偵史上最も切ない過去を背負う依頼人は、予想だにしない方向へ2人を誘っていく。
探偵を執拗に狙う、人の心を持たないサディスティックな悪魔。無敵を誇った高田を倒す、ありえない強者の出現。
少しずつ狂い出した、探偵と高田の歯車。そして“最後の事件”は、衝撃のクライマックスに向けて走り出す!
これまで見たことのない『探偵はBARにいる』に、あなたもきっと涙する――。

【キャスト】大泉洋、松田龍平、北川景子 他
【スタッフ】監督:吉田照幸、脚本:古沢良太、音楽:池 頼広
(C)2017「探偵はBARにいる」製作委員会

alt、ロゴ

alt、圧縮ポスター


・『探偵はBARにいる3』公式サイト

\応援したい!と思ったら「なまらいいね!」/

この記事をSNSでシェアしよう!
  • 情熱の仕事人。札幌を舞台に映画を作り続ける。『探偵はBARにいる』プロデューサー「須藤泰司」
  • Google+

関連記事

FacebookのIDを利用して、北海道Likersへ登録します。

北海道Likersは、北海道を愛する皆さんと北海道を盛り上げるコミュニティです。

  • 利用規約に同意の上ご登録ください。
  • FacebookのIDで簡単に登録できます。登録は無料です。
  • Facebookに設定しているメールアドレスを登録します。お客様のメールアドレスは、北海道Likers運営からの連絡に利用いたします。
Title
Close