2017年10月27日 | 小西 由稀

明日の元気をくれる、放牧牛乳でつくる「チーズ工房チカプ」のチーズ

チーズ工房チカプの看板


中標津空港から車で約1時間、国道44号沿いに見えてくる小さな青い看板。ここが最東端のチーズ工房「チカプ」です。
 
チカプとは、アイヌ語で「鳥」の意味。4タイプ6種類のチーズには、それぞれ北海道の野鳥の名前が付けられ、ラベルにはイラストも描かれています。ここ数年話題の「シマエナガ」も!


チカプのチーズ
 

「根室は野鳥の種類がとても多いところ。僕らは道外出身なので、根室らしいモチーフを工房名にと考え、この名前を付けました」。
 
そう話すのは、工房を営む菊地亮太さん、芙美子さん夫妻。亮太さんは神奈川県出身、芙美子さんは長崎県出身。都内に勤めていたふたりが根室に移住するきっかけは、芙美子さんのお姉さんの「一度遊びに来たら?」という軽い誘い。お姉さん夫妻は根室で就農し、酪農を営んでいました。
 

チカプの菊地さん夫妻
 

「ただの旅行のつもりでした。それが行ってみたら、中標津町にある『三友牧場』でチーズの研修をすることになっていて(笑)。短期間でしたが、三友さんのチーズのおいしさが忘れられなかったんです」。
 
「根室は本当に何もないところで、世の中にこういう場所があるのかと驚きました。フットパスを歩くと、海外のような景観が広がっていて、つくられていない自然に感動しました」。
 
「リスクを考えた上で“人生一度きりだし”と、思い切りました。いま思えば、姉夫婦のすばらしいお膳立てだったと思います」。
 

工房がある横峯牧場の敷地
 

当時を楽しそうに振り返るおふたり。その年の秋には移住し、あらためて三友牧場で本格的な研修に入り、チーズづくりを学びます。そして、2013年12月にチーズ工房をオープンさせました。

 

放牧ミルクの魅力を引き出すチーズ

チカプは、お姉さん夫妻が営む「横峯牧場」の敷地内にあります。横峰牧場では、少ない頭数の乳牛を放牧で飼育。草地面積が広く、たっぷり草を食んだ牛から、牛のペースに合わせて搾乳しています。
 

横峯牧場

 
その放牧牛乳でつくるのが、チカプのチーズです。
「『シマフクロウ』は半年熟成したハードタイプですが、夏草を食べた時のミルクでつくるとナッティな(ナッツを思わせる)味わい。サイレージ(牧草を乳酸発酵させた冬季用保存飼料)を食べる冬は、バターのような深い味わいになります。
色も夏の牛乳は白ですが、冬は黄色っぽい。季節で色も風味も違うんですよね。それを見ると、牛乳は、牛の食べるものでできているんだなぁと、あらためて感じます」。


シマフクロウ▲冬のミルクでつくったシマフクロウ。ラベルのイラストは芙美子さんによるもの。夏と冬では描くシマフクロウも変えている
 

ほかのチーズもご紹介すると、「アカゲラ」は2ヵ月熟成。温めると伸びが良く、芳醇な香りが広がるセミハードタイプ。清涼感のあるキャラウェイ、スパイシーなクミンを入れた種類もおすすめです。
白カビタイプの「シマエナガ」は、若いうちはほど良い酸味とクリーミーさを楽しめます。熟成が進むと、よりクリーミーな味わいに!
「シッポのオイル漬け」は、塩の強いチーズをオリーブオイルに漬け込んだもの。オイルごと料理に使えるので、冷蔵庫にあると便利です。
 

チカプのチーズ▲上がシマフクロウ、真ん中がアカゲラ、左下がシマエナガ、右下がシッポのオイル漬け。シッポはアイヌ語で塩を指す
 

工房開設から4年。牧場周辺の景観も、夕焼けや朝焼けの美しさも、「見慣れることはなく、いつも感動しています」と、菊地さん夫妻。
 

チカプのチーズ工房軒直売所▲直売所を兼ねた工房。地方発送も可能。詳しくは文末の「記事で紹介したスポット」からwebサイトへ

 
ふたりが目指すチーズをうかがうと、こんな答えが返ってきました。
 
「いいことがあった日の晩酌で、チカプのチーズを食べる。すると、手ごろなワインでも何となくおいしく感じる。そして、また頑張ろうって、明日の糧になる。そんな風に感じてもらえるチーズでしょうか」。
 
「この土地のミルクで、自分たちがおいしいと思うチーズをつくり続けていくことができれば、そこではじめて、土地の味になっていくのだと思います」。
 

チーズ工房チカプのショーケース▲全国にリピーターが広がっている。直売所には地元客も多く足を運ぶ
 

野鳥を描いたチカプのチーズは贈り物にもぴったり。季節が香る放牧ミルクで丁寧につくられたチーズは、明日の元気につながるような、ちょと嬉しくなる味わいです。

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Writer

小西 由稀

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