2017年09月05日 | チバタカコ

あれが蝦夷地のやまかいな~民謡「江差追分」



「江差追分」って何?という人も、きっと出だしの「かも~め~」を聞いたら、「あー!知ってる」という人が多いはず。北海道を代表する民謡「江差追分」はいま、日本国中に広がり、さらに世界中の民謡愛好家たちを魅了し続けています。
 
 

北海道を代表する民謡「江差追分」

民謡「江差追分」の起源は、特にはっきりしておらず、江戸時代中期以降と考えられています。現在のJ-POPなどとは違い、作詞〇〇、作曲△△という記録はありません。研究者や言い伝えなどによると、信州(長野県)で歌われていた馬子唄(馬追いが、馬を曳きながら唄う歌)が流行歌のように全国に広がり、越後(新潟県)に伝わったものが船乗りに歌われるようになり、今から200年ほど前に北前船で蝦夷地=北海道の江差に運ばれてきました。
 

江差追分基本譜▲江差追分基本譜。「江差追分」の楽譜のようなものです
 

やがて、辺境の蝦夷地という土地柄、寒さ厳しい自然条件などの中で歌い継がれいく中で、哀調のある、情緒豊かな「江差追分」(以下、追分)の調べになったそうです。
 

日本全国と世界に広がる江差追分会▲日本全国と世界に広がる江差追分会
 

歌い継がれてきた追分を正しく保存・伝承するために、追分正調確立の動きが1909(明治42)年にはじまり、1935(昭和10)年に「江差追分会」が発足。江差町を中心に全道、全国に会は広がり、今ではブラジルやアメリカでも「江差追分会」を歌い、伝承する活動が行われています。そして1982(昭和57)年に、追分の聖地とも言える「江差追分会館」が誕生しました。

1963(昭和38)年から、日本一ののどを競う「江差追分全国大会」が開催されています。民謡の全国大会としては最も歴史があるそうで、秋の3日間、江差町は追分一色に染まります。2017年の「江差追分全国大会」は、9月15日(木)~9月17日(火)です。

 

江差追分の聖地、江差町の「江差追分会館」

「江差追分会館」は、国道227号線沿い、江差町役場の隣にあるのですぐにわかります。
 

江差追分会館▲江差追分会館。駐車場は裏にあります
 

江差追分会事務局長の小田島訓さんに館内を案内してもらいました。
 

江差追分会事務局長の小田島訓さん▲江差追分会事務局長の小田島訓さん。「私なんか、なんもなんも」と謙遜していましたが、ご自身も追分を歌うそうです
 

「江差町内では、幼稚園から小中、高校まで、郷土の文化として追分を学んでいます。かといって、皆が歌えるものではない。ただ、歌が上手な人じゃないと歌えない…というものでもないんですよ、追分は。そこがまた、おもしろいところ」と小田島さん。
 

江差追分会館▲2階には追分の歴史や歴代名人などを紹介する資料館があります。江差の郷土芸能を映像で見ることもできます
 

 江差追分会館
 
江差追分会館


江差追分会館▲1階にはお土産コーナーも
 

「追分会館に来て、少しでも興味を持ってくれて、追分を応援してもらえるとうれしいですね。そして、ちょっとだけ、頭のさわりだけでも歌ってみたいなぁ…と思ったら、実は誰でも追分を習えるところがあるんですよ」と案内されたのが、1階にある「追分道場」。
 

江差追分会館、追分道場▲2階へ上がる階段下が出入口の「追分道場」
 

「追分道場」は、開館時間内ならいつでも、誰でも、自由に出入りOK。そこへ行くと、江差追分会の師匠が無料で追分の指導をしてくれます。北海道Likersが取材した時は、1975(昭和50)年、第13回全国大会優勝の高清水勲さんが、指導をしてくれました。
 

1975(昭和50)年、第13回全国大会優勝の高清水勲さん▲1975(昭和50)年、第13回全国大会優勝の高清水勲さん。「いくつになっても、自分より上手な人にあこがれます」と、今でも毎日練習をしているそうです
 

1975(昭和50)年、第13回全国大会優勝の高清水勲さん▲基本譜の読み方、コツなど、参加者が希望する内容で教えてくれます
 

時間がたっぷりある時は、一曲覚えるつもりで参加してみてください。あまり時間がないという時は、「本当に最初の、かも~め~のところだけ」とか「基本譜の一節だけ」と、お願いすることもできます。北海道Likersは、「そいーっ、そい!」という合いの手を覚えました!
この道場は、会館に来たらぜひ体験してほしい!指導してくれる師匠の生歌を聞くことができ、民謡独特のあのふし(節)が回る歌い方のコツも、よーくわかりますよ。

 

「江差追分会館」で、本場の追分を体感する

「江差追分会館」の一番の見どころは、追分の実演が見られる「伝習演示室」、つまり追分のライブハウス。4月29日~10月31日(9月第3金・土・日曜を除く)の間は、11:00、13:00、15:00の1日3回、江差追分他の実演が、GW期間(5月3日~6日)と姥神大神宮祭期間限定で、江差追分・追分踊り・郷土芸能の実演があります。
 

江差追分会館伝習演示室▲伝習演示室。広い畳敷でゆっくり楽しめます。椅子席もあるので、畳では足腰が辛いという人も安心
 

江差追分会館伝習演示室▲伝習演示室の壁面には、追分全国大会の歴代優勝者の写真が。追分道場で指導してくれた高清水さん、いました!
 

実演は、追分全国大会の優勝者等が登場し、自慢ののどを披露してくれます。北海道Likersが取材した時は、1977(昭和52)年、第15回全国大会優勝の浅沼春義さんがステージに登場。
 

1977(昭和52)年、第15回江差追分全国大会優勝、浅沼春義さん
 

1977(昭和52)年、第15回江差追分全国大会優勝、浅沼春義さん▲1977(昭和52)年、第15回全国大会優勝、浅沼春義さん
 

1977(昭和52)年、第15回全国大会優勝、浅沼春義さん▲浅沼さんも、歴代優勝者の中に発見
 

ライブですから、臨場感はたっぷり!尺八や太鼓、三味線の音、合いの手の声、そして浅沼さんの気持ちのこもった唄声に酔いしれました。

 

江差追分には、前唄・本唄・後唄がある

「江差追分」と聞くと、「かも~め~」というフレーズが有名ですが、それは「本唄」と呼ばれる部分の歌詞。追分は、前唄・本唄・後唄の3部構成になっています。そして、歌詞も何パターンかあるのですが、その中でも、一番歌われているのが「かも~め~」の本唄です。
 
江差追分 本唄
 
かもめのなく音に
ふとめをさまし
あれが蝦夷地の
やまかいな


 

▲第15回全国大会優勝、浅沼春義さんによる「江差追分」
 

日本海の荒波に揺られ、かもめの声で目を覚まして、ふと見ると、そこに蝦夷地(北海道)が見える。ああ、とうとう蝦夷まで来てしまったのだな…という、哀愁を感じる歌詞です。そこに追分の節がつくと、なんだべ、道産子のDNAに刻まれているんでないかい…と思うくらい心に沁みます。
 
北海道が誇る民謡の王様「江差追分」を、ここ江差町の「江差追分会館」でたっぷり味わってみてください。
 
  

関連リンク

江差追分会館 
江差町

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