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公開 | 小砂 志津子

北海道の動物たちを描いた映画『生きとし生けるもの』

生きとし生けるものチラシ

北海道で暮らす生き物に焦点をあてたドキュメンタリー映画。北海道の自然とそこに暮らす動物たちのありのままの姿を見ることができます。監修は元旭山動物園園長の小菅正夫さん。また、「誘い人」として俳優の津川雅彦さんが冒頭と最後にナレーションを担当しています。2017年6月3日(土)に、東京と札幌、旭川で劇場公開されます。

 

語らずに映像と音楽のみで魅せる

映画『生きとし生けるもの』は、旭川市出身の映像作家・今津秀邦さんの初監督作品。
今津監督が2012年から5年間撮影した映像と、北海道在住のカメラマンが撮影した映像を81分にまとめたもの。ほぼ動物の映像と音楽のみで構成されています。
 

生きとし生けるもの今津監督▲監督の今津秀邦さん。中学生の時に映画監督を志すが家業を継いで写真家の道へ。現在は、ワンドリームピクチャーズの代表として写真撮影のほか映像制作の仕事を行っている


解説やテロップがないので、私は試写会を観ている途中で集中力が途切れることを心配しましたが、そんなことは一切なく、感情が揺さぶられっぱなしの80分でした。
 

生きとし生けるものマガン▲マガンの飛翔シーンは、北海道美唄市の宮島沼で撮影された(写真提供:ワンドリームピクチャーズ)


8万羽のマガンが一斉に飛び立つシーンに圧倒され、エゾリス同士の小競り合いに笑い、キタキツネの親子を自分の子供時代と照らし合わせるなど、テンポよく映し出される映像は、どれもストーリーを感じさせる魅力的なものばかり。なにより動物たちの豊かな表情に魅了されます。

また、雪がしんしんと降る様子や、木の葉が風になびく音など、その場にいるかのようなリアルな空気感と臨場感あふれる映像に、どっぷりとはまることができますよ。

 

撮影中は近くにいても気にならない存在に

なぜ動物の自然な表情や感情が見える映像を撮ることができたのでしょうか。
今津監督に撮影秘話を伺ってみました。
 

生きとし生けるものエゾフクロウ▲エゾフクロウ。映画ではモコモコの毛にうずくまり眠そうな表情を見せる(写真提供:ワンドリームピクチャーズ)


「撮影をする前に、まず“ここにいるよ”と自分の存在を動物に知らしめるのです。
自分を受け入れてもらい、近くにいても気にならない存在になることで、動物たちは自然な動きや表情を見せてくれます。たいてい初対面で決まります。人間と一緒ですよ。
エサをあげたり仕込みは一切していません。そのようなことをしても良い表情は撮れませんから」。

「近くにいても気にならない存在になる」というのは、普通にできることではないと思います。
同じ生き物として対等に接する今津監督の心持ちが、動物に伝わるのかもしれませんね。

 
生きとし生けるものエゾシカ▲エゾシカも登場。今津監督は撮影中に子連れのエゾシカに睨まれて怖い思いをしたという(写真提供:ワンドリームピクチャーズ)

 
生きとし生けるものシャチ▲羅臼市街地近くの海を泳ぐシャチ。映画では人と自然が共存する知床らしい映像が流れる(写真提供:ワンドリームピクチャーズ)


今津監督は、旭山動物園のポスター写真を15年間撮り続けている写真家でもあります。
札幌試写会で元園長の小菅さんは、
「動物の気配や息遣いが感じられる写真を撮るのです。映画では、自然の姿がそのまま映っています。このような写真や映像は今津さんにしか撮れない。彼は天才なのだと思う」
と話をしてくれました。

 
生きとし生けるもの試写会▲札幌試写会時のトークショー。今津監督の動物撮影の様子を話す元旭山動物園長・小菅さん
 

上映中は声を発してOK

試写会の前には、今津監督から観賞の心構え(?)のお話も。

「この映画は、ぜひお子さんと一緒に観てもらいたいです。
お子さんが動物に向かって声を発することは、この映画では全く問題ありません。
むしろ、声を発してもらえるのは監督として嬉しいことです。
皆さんも感性のおもむくままにこの映画を楽しんでください」。

 
生きとし生けるものヒグマ▲鮭を追うエゾヒグマ。映画では川を遡上する鮭の様子とあわせて観ることができる(写真提供:ワンドリームピクチャーズ)

 
生きとし生けるもの試写会知事と▲試写会には北海道知事の高橋はるみさんも登壇。「広大な北海道の魅力を感じてほしい」と映画をPRした


映画は2017年6月3日(土)から、角川シネマ新宿、ユナイテッド・シネマ札幌、シネプレックス旭川で公開されます。興味を持った方はぜひご覧になってみてください。

最後に、今津監督のメッセージを掲載します。

私は私。あなたは、あなたでしかありません。
この世界に必要だから生まれました。
野生動物と表現される生き物たち、根をはって命を全うする植物、
空気、光・・・。
存在する全てものが必要であり、お互いに必要としています。
時には邪魔になったり、敵や味方と感じる時がありますが、
今生きているのは全ての営みがあってのことです。
特に野生動物は全ての状況を受け入れ、持って生まれた能力を
最大限に生かして命を全うします。
誰がどうこうではなく、ただ今を生き抜いています。
この映画は動物たちを紹介するのが目的ではありません。
北海道の自然やそこに生きる様々な姿、能力を借りて、
あなたは、あなたでしかないことを表現しました。
映画を観終わった後、新たな価値観を感じていただければ幸いです。
誰もが、一度限りの永遠だということを。

監督 今津秀邦


映画『生きとし生けるもの』予告動画
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