2017年04月20日 | 孫田 二規子

ユニークな鉄道イベントを実施。「秘境駅の里『ほろのべ』」

北海道のてっぺんの町・稚内(わっかない)市から南下すること車で約1時間。幌延(ほろのべ)町には8つのJR駅がありますが、そのうち7つが無人駅です。町ではそれらを使った鉄道観光に取り組み、「秘境駅の里『ほろのべ』」として鉄道ファンを喜ばせています。


幌延町で開催された秘境駅フェスタの一幕▲(写真提供/幌延町役場)


幌延町にある無人駅の名は、上(北)から順に下沼(しもぬま)駅、上幌延(かみほろのべ)駅、南幌延(みなみほろのべ)駅、安牛(やすうし)駅、雄信内(おのっぷない)駅、糠南(ぬかなん)駅、問寒別(といかんべつ)駅。

かつては、駅員や利用者で賑わっていましたが、市街地の移動や離農などの影響で、周囲の民家も降りたあとの行く先もなくなり、ほとんどの町民にとって、駅は自分の生活とは関係のないものに。

しばらくの間、人気(ひとけ)がなくなっていました。

 

秘境駅の里として

でも、最近はちょっと事情が変わってきています。それらの駅を「秘境駅」と呼び、注目している人たちがいるのです。そう、〝鉄ちゃん〟です!

昨今のブームの盛り上がり以降、秘境駅巡りをする鉄道ファンが、ちょくちょく駅や列車を利用するようになったというのです。

※各駅の紹介は下記記事をチェック!

駅前の風景は生い茂る草木と廃屋、雄信内駅

JR宗谷(そうや)本線の秘境駅を巡ってきました~前編~

JR宗谷(そうや)本線の秘境駅を巡ってきました~後編~


そんな状況を知った町は、彼らにもっと喜んでもらえることができないか、鉄道観光として盛り上げていけないか…。そう考え始めます。

そして、数ヶ月の試験期間を経て、2年前から「秘境駅の里『ほろのべ』」として、鉄道観光の取り組みを本格化。

役場職員中心で後方支援を担当する「ぽっぽろ愛好会」を立ち上げたり、「地域おこし協力隊」に〝鉄〟系隊員を募集するなどして人材を増やしながら、鉄道利用促進策の展開、秘境駅グッズの販売、旅人が設置した駅ノートの確認、鉄道フォトコンテストや秘境駅キャラクターコンテスト…と、さまざまなことにチャレンジしています。

ちなみに「ぽっぽろ」とは、汽車ぽっぽ+ほろのべの造語です。


幌延町の駅のキャッチフレーズ表▲各駅には、愛情あふれる駅のキャッチフレーズと周囲の見どころを書いた用紙が…!


幌延町の鉄道グッズ▲駅名標を摸した携帯クリーナーやマウスパッドなど幌延町オリジナルの鉄道グッズ


幌延町糠南駅のキャラクターぬかにゃん▲秘境駅キャラクターコンテストで、糠南駅のキャラクターに決定した「ぬかにゃん」。かわいい…。同駅は、待合室にヨド物置を利用していることで知られる駅です(画像提供/幌延町役場)


糠南駅▲こちらがその待合室です、参考までに

 

2年連続で来場者延べ200名超え「秘境駅フェスタ」

2015年から2年連続で行われた「秘境駅フェスタ」は、両年とも、全国各地から延べ200名以上が参加しています。

2016年の「世界秘境駅シンポジウム」では、北海道新幹線開業日に、旧JR深名線・天塩弥生駅跡に駅舎の形をした民宿「天塩弥生駅」を開いた元鉄道マン富岡達彦さんの講演、タレントマネージャーで「タモリ電車クラブ」会員ナンバー004の南田祐介さんと女子鉄のフリーアナウンサー久野知美さんのトークショーなどを開催。


幌延町の秘境駅フェスタのパネルディスかっしょんの様子▲「秘境駅フェスタ 2016  in ほろのべ」のパネルディスカッションの様子(写真提供/幌延町役場)


2日目の目玉は、普通列車と徒歩で1日かけて町内全駅を巡る「幌延駅発着 町内全駅『キハ』・『トホ』チャレンジツアー」を実施! の予定でしたが、残念なことに、荒天で列車が運休…。

急遽、同町出身のギタリストで観光大使の井上仁志さんをガイドにしたバスツアーに変更。道中には、南幌延駅の駅ノートに返信している管理者と、記入したことのある旅人との感動の出会い(再会?)という、ハートウォーミングな出来事もあったそうです。


秘境駅フェスタ2016。雄信内駅にて▲「秘境駅フェスタ 2016  in ほろのべ」雄信内駅特設会場で記念撮影(写真提供/幌延町役場)


「秘境駅の里『ほろのべ』」の秘境駅フェスタの様子▲雄信内駅で行われた井上大使のミニライブ(写真提供/幌延町役場)


下沼駅卒寿の飾り▲開設90周年を迎える下沼駅の卒寿祝いもありました(写真提供/幌延町役場)


「秘境駅フェスタ 2016  in ほろのべ」の下沼駅卒寿祝い▲卒寿祝いに集まった地域住民とファンたち(写真提供/幌延町役場)

 

大人気!真冬のラッセル撮影会

冬は、新聞社勤務の鉄道カメラマンを講師に迎える「宗谷北線・DE15形 ラッセル撮影会」が大人気です。

幌延町からバスでラッセル車の撮影ポイントを巡って1日中撮りまくる、というイベントですが、前日の交流会から大いに盛り上がり、毎回、募集告知をするとすぐに定員に。

参加者の中には、すっかり幌延町が気に入ってしまい、移住体験を希望している人もおり、現在、町では準備を進めているそうです。


幌延町のラッセル撮影会の様子▲「宗谷北線・DE15形 ラッセル撮影会」の様子。熱い〝鉄魂〟が感じられる1枚です(写真提供/幌延町役場)


北海道Likersの以前の記事でもチラリと紹介した、糠南駅で行われる早朝クリスマスパーティも、2回目となる2016年は、1回目の倍以上の35名が全国から集合。当日の気温はマイナス20度前後…!厳しい寒さも同町ならではの体験です。

※詳細は下記の記事をチェック!

JR宗谷(そうや)本線の秘境駅を巡ってきました~前編~

 

人と人とが繫がるイベント

これらのイベントを通して、鉄道ファン同士が友達になったり、地域の人と鉄道ファンとの交流が盛んになったり、人と人との繋がりが広がっているといいます。

こうした、多くの人を楽しませるイベントは、どのように生まれているのでしょうか?

当初から鉄道観光に携わっている同町産業振興課企画振興グループの山下智昭地域振興係長は、こう語ってくれました。

「〝鉄〟初心者ばかりで始めたので、いったい何が鉄道ファンにウケるのかがわからず、最初の秘境駅フェスタは、旭川の鉄道雑貨店店主に指導を仰ぎました。このイベントがきっかけで、いろいろな出会いがあり、(前述の)ラッセル撮影会も、パネリストに登場してもらったカメラマン本人からのアイデアです。あとは、鉄道ファンから話を聞いたり、アンケートの結果を見たり…。つまりは、みなさまのご協力あってのこと。ご意見を参考にしながら、どういうものが好まれるのか、町として何ができるのか、日々、考えています」。


幌延町役場のスタッフ▲左が山下さん、右が同町職員でぽっぽろ愛好会会員の岩田悠作さん


現在は、地域住民に向けて継続している「秘境駅ウォーキングラリー」を、同じく秘境駅のある周囲の3市町と連携した取り組みにできないか、考案中。

他にも、今年度もいろいろ予定しているそうなので、興味のある方は幌延町地域おこし協力隊のTwitterとFacebookをチェックしてみてくださいね。

幌延町地域おこし協力隊
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鉄道ファンだけでなく、いつもとは少し違った旅行をしてみたい方や大自然に癒されたい方などにもオススメです!

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