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公開 | 行天 フキコ

「宗谷丘陵の周氷河地形」稚内市:北海道遺産シリーズ(29)

宗谷丘陵は、日本最北端の宗谷岬の周辺に広がるなだらかな丘陵地帯。見渡す限りどこまでも続く草地はモコモコと波打ち、入り組んだ谷が地表に描く影は葉脈のようにも見えます。


宗谷丘陵の周氷河地形が広がる風景▲なだらかな丘陵と入り組んだ谷が波打つように見える周氷河地形

 
宗谷丘陵で見られる独特の地形は、氷河が長い年月をかけて地面を侵食してできたものです。約1万年前まで続いた氷河期の寒冷な気候のもと、氷河の周囲の地盤が凍結と融解を繰り返し、周囲の土が削り取られていくことによって、大地になだらかな起伏ができていきました。このような氷河の作用によってつくられた地形を「周氷河地形」といいます。

「周氷河地形」は北海道のあちこちで形成されたそうですが、開発によって破壊され、独特な地形を見られるところは少なくなりました。
 

△広大な草地に黒牛が放牧されている風景▲広大な草地に放牧された黒牛の群れ。独特な地形が背景になり、幻想的な映画の世界を見ているよう(写真協力:稚内市)
 

もともとは木々で覆われていた宗谷丘陵ですが、明治中期以降の相次ぐ山火事によりほとんどの樹木が失われてしまいました。風が強く冷涼な気候の宗谷では樹木が育ちにくく、なかなか森林が回復しません。それにより地表の様子があわらになったままになり、氷河がのこした不思議な地形をはっきりと見ることができるのです。


丸みを帯びた丘陵が続く宗谷丘陵の景観▲丸みを帯びた丘陵の輪郭。視界をさえぎるものがないので地形の様子がはっきりと見えます

 
夏季には広々とした草地の中で黒牛が放牧され、57基の白い発電用風車が並ぶ「日本離れした」景観が魅力的な宗谷丘陵。周氷河地形だけではなく、高山植物や野生動物との出会いなど、北海道の壮大で美しい自然を体感できる「稚内フットパス」コースも整備され、天気の良い日には海の向こうにサハリンの島影や利尻山を望むことができます。
 

△フットパスのスタート地点近くにある旧海軍望楼▲フットパスをスタートして、丘陵にさしかかったところにある宗谷岬公園。かつて国境を監視していた「旧海軍望楼」が稚内市の有形文化財として遺っています(写真協力:稚内市)


宗谷丘陵に設置されているフットパスコースの看板▲どこまでも開けた丘陵風景。看板に書かれた「残距離6.1㎞」の表示に腰が引けそうですが、雄大な景色を眺めながら歩いてみると、意外にあっという間…?
 

宗谷岬をスタートするフットパスコース(ロングコース)は、ゴールの宗谷歴史公園まで約11㎞、歩いて4時間かかるコース。氷河期につくられた地形の中を、太古の北海道の風景を想像しながら歩いてみては。
 

△宗谷丘陵に風車が並ぶ風景▲立ち並ぶ風車も丘陵の景色にアクセントを加え、非日常な世界を感じさせます(写真提供:稚内市)

 

関連リンク

北海道遺産ホームページ「宗谷丘陵の周氷河地形」
稚内市ホームページ(稚内観光情報ウェブサイト)
稚内フットパスホームページ(稚内商工会議所)
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